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プロローグ:はじまりと予感
「川と風の町、大橋町」
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ぼくらの町には、キラキラ光る川が流れてる。
名前は「千住川(せんじゅがわ)」っていうんだけど、みんなは「キラキラ川」って呼んでる。
晴れた日の午後になると、太陽の光が川にうつって、銀色にきらきらするんだ。
風がふくと、水の面がゆれて、光がぴかぴかっと走っていく。
その感じが、なんだか“特別”に見える。
大きな橋がかかっていて、その橋の下には、いつも白っぽいネコが寝そべってる。
川の近くには畑があって、ざわざわと風にゆれる。
近くのパン屋からは、あまいにおいがしてきて、前を通るとおなかがすいてくる。
……うん。
うまく言えないけど、なんていうか、ぼくらの町って「におい」と「音」と「風」が、いっしょにある感じなんだ。
畑にぬける土の道、横断歩道の白い線以外ふんだら負けゲーム、学校の帰り道に見つけたヘンな形の石。
ときどき、クワガタが落ちてたりして。
みんなでのぞきこんで、「これはオスか?」「クワがちっちゃいよ」とか、ワイワイやってたら、うっかり帰るのが遅くなって、おこられたこともある。
……まあ、しょっちゅうだけど。
町には、昔からある店が多い。
八百屋さんの店頭には、色んな野菜がつまったかごがならんでて、「今日はきゅうりが安いよ~!」なんておばちゃんの声がとんでくる。
たまにお使いでかいにくるんだ。
パン屋さんには、丸いドアベルがあって、「カランコロン」って音がするんだ。
あの音が聞こえると、ついふらっと入りたくなっちゃう。
雑貨屋さんには、ノートや消しゴムのとなりに、なんだかよくわからないカラフルな小物もあって、見てるだけで楽しい。
あと、アイスが入った大きな冷凍庫もある。
古い時計屋さんは、店の中がちょっと暗くて、カチカチって音がずっとしてる。
ちょっとこわいけど、壁いっぱいに時計がかかっていて不思議だ。
この町には、「顔を知らない人」がいない。
ぼくらが歩いてたら、いろんな人が「お、今日は学校早いの?」とか「暑いねえ」なんて声をかけてくれる。
だれかの家の畑を手伝ってたおじさんは、うちのとなりのおばさんの弟さんだったり。
パン屋のおにいさんは、ぼくのお父さんと中学がいっしょだったり。
だから、いたるところで話が通じる。
ちょっとヘンだけど、安心する町だ。
走ると、どこかから風鈴の音が聞こえる。
風が、町のなかの音とにおいを運んでくる。
それを体で受け止めるとなんだかしみこんでくる気がして、胸がトクトクしてくる。
ぼくらの町、大橋町。
ここで毎日いろんな冒険をして過ごしているんだ。
そんな町で、ぼくは毎日、いちばんの仲間たちと遊んでいる。
まずは、アカネ。
大声で笑って、大声で怒る。
いちばん元気で、いちばんまっすぐな女の子。
でも、ときどき夕焼け空の下でしずかになることがあって、そんなときはなんだか“かっこいい”。
「あたしについてこーい!」って言って、ほんとにみんなを引っぱってくれる。
つぎは、ショウ。
静かにノートに何かを書いてると思ったら、気がつくととんでもないアイディアを出してくる“すごい頭脳”の持ち主。
手先も器用で、何か作るのがだいすき。
ぼくたちがムチャクチャ言っても「できるかも」って言ってくれるから、ついなんでも相談したくなるんだ。
それから、ヒナちゃん。
最初はちょっとおとなしくて、ぼくらとも少しだけ距離があった。
かわいいもの好きでアカネと仲良しになってからいつも一緒にいるようになった。
大人しめだけどおしゃべりが好きな女の子。
笑うと、目じりがきゅってさがって、それがなんだか、ドキッとする。
そして──ボク。
名前は、間船 春大(まふね はると)。
みんなからは、ハルって呼ばれてる。
運動が得意だけど、勉強はあんまり好きじゃない。
教科書のスミにパラパラマンガとか書いちゃう。
ヒナちゃんと、アカネと、ショウと。
この、いつもの4人で過ごす夏が、どんなふうになっていくのか。
まだ、なにも決まってない。
だけど、何かが始まりそうな、そんなするんだ。
名前は「千住川(せんじゅがわ)」っていうんだけど、みんなは「キラキラ川」って呼んでる。
晴れた日の午後になると、太陽の光が川にうつって、銀色にきらきらするんだ。
風がふくと、水の面がゆれて、光がぴかぴかっと走っていく。
その感じが、なんだか“特別”に見える。
大きな橋がかかっていて、その橋の下には、いつも白っぽいネコが寝そべってる。
川の近くには畑があって、ざわざわと風にゆれる。
近くのパン屋からは、あまいにおいがしてきて、前を通るとおなかがすいてくる。
……うん。
うまく言えないけど、なんていうか、ぼくらの町って「におい」と「音」と「風」が、いっしょにある感じなんだ。
畑にぬける土の道、横断歩道の白い線以外ふんだら負けゲーム、学校の帰り道に見つけたヘンな形の石。
ときどき、クワガタが落ちてたりして。
みんなでのぞきこんで、「これはオスか?」「クワがちっちゃいよ」とか、ワイワイやってたら、うっかり帰るのが遅くなって、おこられたこともある。
……まあ、しょっちゅうだけど。
町には、昔からある店が多い。
八百屋さんの店頭には、色んな野菜がつまったかごがならんでて、「今日はきゅうりが安いよ~!」なんておばちゃんの声がとんでくる。
たまにお使いでかいにくるんだ。
パン屋さんには、丸いドアベルがあって、「カランコロン」って音がするんだ。
あの音が聞こえると、ついふらっと入りたくなっちゃう。
雑貨屋さんには、ノートや消しゴムのとなりに、なんだかよくわからないカラフルな小物もあって、見てるだけで楽しい。
あと、アイスが入った大きな冷凍庫もある。
古い時計屋さんは、店の中がちょっと暗くて、カチカチって音がずっとしてる。
ちょっとこわいけど、壁いっぱいに時計がかかっていて不思議だ。
この町には、「顔を知らない人」がいない。
ぼくらが歩いてたら、いろんな人が「お、今日は学校早いの?」とか「暑いねえ」なんて声をかけてくれる。
だれかの家の畑を手伝ってたおじさんは、うちのとなりのおばさんの弟さんだったり。
パン屋のおにいさんは、ぼくのお父さんと中学がいっしょだったり。
だから、いたるところで話が通じる。
ちょっとヘンだけど、安心する町だ。
走ると、どこかから風鈴の音が聞こえる。
風が、町のなかの音とにおいを運んでくる。
それを体で受け止めるとなんだかしみこんでくる気がして、胸がトクトクしてくる。
ぼくらの町、大橋町。
ここで毎日いろんな冒険をして過ごしているんだ。
そんな町で、ぼくは毎日、いちばんの仲間たちと遊んでいる。
まずは、アカネ。
大声で笑って、大声で怒る。
いちばん元気で、いちばんまっすぐな女の子。
でも、ときどき夕焼け空の下でしずかになることがあって、そんなときはなんだか“かっこいい”。
「あたしについてこーい!」って言って、ほんとにみんなを引っぱってくれる。
つぎは、ショウ。
静かにノートに何かを書いてると思ったら、気がつくととんでもないアイディアを出してくる“すごい頭脳”の持ち主。
手先も器用で、何か作るのがだいすき。
ぼくたちがムチャクチャ言っても「できるかも」って言ってくれるから、ついなんでも相談したくなるんだ。
それから、ヒナちゃん。
最初はちょっとおとなしくて、ぼくらとも少しだけ距離があった。
かわいいもの好きでアカネと仲良しになってからいつも一緒にいるようになった。
大人しめだけどおしゃべりが好きな女の子。
笑うと、目じりがきゅってさがって、それがなんだか、ドキッとする。
そして──ボク。
名前は、間船 春大(まふね はると)。
みんなからは、ハルって呼ばれてる。
運動が得意だけど、勉強はあんまり好きじゃない。
教科書のスミにパラパラマンガとか書いちゃう。
ヒナちゃんと、アカネと、ショウと。
この、いつもの4人で過ごす夏が、どんなふうになっていくのか。
まだ、なにも決まってない。
だけど、何かが始まりそうな、そんなするんだ。
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