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第4章:ケンカして、笑って(テーマ:ぶつかって、理解して、ひとつになる)
「プールに浮かぶ僕らの舟」
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「うわぁああああ!! 浮いたーーー!!」
ぼくの声と、みんなの叫び声が、学校のプールに響いた。
今日は特別に、体育の先生が「午前中だけなら」って、カヌーの試運転をさせてくれることになった。
「ほう、これは見事な舟だな」
体育の先生が腕を組んでうなずく。
ごっつい体でサングラスをかけてるから、なんか軍人みたいだけど、ほんとはけっこう優しい人だ。
「これ、きみたちが作ったのか? 本気ですごいな」
「はいっ!」と、ショウが胸をはって答える。
スケッチ、計算、設計、全部ショウがしてくれたんだ。
やっぱ、すごいやつ。
本当に難しいところは大工のトシオのお父さんと一緒にやったけどちゃんと僕たちの力でここまで出来たんだ。
舟は、板を組み合わせてつくった本体に、サイドフロートっていう横の浮きまでついてる。
ショウの言うには「安定性が増す」んだって。
舟は上から見るとスペースシャトルみたいな形をしている。
空じゃなくて水の上だけど飛ぶようにスイスイ進むはずだ。
かっこいい。
「ヒナちゃん、さそっく乗ってみよう!?」
と、アカネが声をかけると、ヒナちゃんはおそるおそる舟の中に入った。
ふわっと揺れる舟の上で、ヒナちゃんの手がぷるぷるふるえる。
だけど、
「……すごい、ちゃんと、浮いてる」
小さく、でもうれしそうにつぶやいた。
それを見てたら、ぼくの胸がぎゅーってなった。
「ヒナちゃんが頑張ったからだよ!」
ぼくの口が、勝手にしゃべった。
ちょっとドキドキして、ヤバいって思った。
「ハルくんもね!」
ヒナちゃんがにっこり笑ってくれたから、もうどうでもよくなった。
そしたら。
「ちょっとー! アタシたちもいるんですけど~~~っ!」
アカネがぷんすかしながら両手を腰にあてる。
「はいはい、アカネちゃんの飾りもすごいって! この前つけてくれたキラキラのリボン、めっちゃきれいに光ってたよっ!」
と、ショウがフォローを入れる。
まじで助かった。
そのあとは、ちょっとだけプールで遊んだ。
もちろん、ちゃんと水着は着てきたし、安全確認もバッチリ。
トシオははしゃぎすぎて、飛びこもうとして先生に怒られてた。
「プールは飛びこみ禁止だぞ!!」
「ちょ、ちょっと足がすべっただけっス!」
「ウソつけ!ルールはみんなを守るためにあるんだ。ちゃんと守るように!」
体育の先生が大きな体どうりの大きな声で言った。
「「はーい」」
そんなふうに、みんなで笑って、ちょっとだけ水をかけ合ったりして遊んだ。
舟がちゃんと浮かんだってだけで、こんなにうれしいなんて。
「すげーなあ……ほんとに、オレらの舟なんだな」
トシオがぼそっとつぶやいたその声に、ぼくはうなずいた。
うん、これは、ぼくらの舟だ。
キラキラ光る夏の空に、ぴったりの夢みたいな、ぼくらの手作り舟だ。
「うまっ!! これ、めっちゃ冷えてる!!」
思わず叫んだぼくの声が、アカネんちの縁側に響いた。
午前中の試運転が終わって、みんなでアカネの家に集まってスイカタイム。
大きなスイカが冷蔵庫でキンキンに冷えてて、赤く熟れたジューシーな果肉を見て、もうよだれが出そうだった。
「タネ、遠くまで飛ばした人が勝ちな!」
トシオが言い出して、タネ飛ばし大会が始まった。
「ふんっ!」とショウが気合いを入れて飛ばすも、あんまり距離が出ない。
「計算ミスかも……」って言ってて、なんかウケた。
アカネは笑いながら「いっけーっ!」って勢いよく吹いたら、タネがショウのひざに直撃して「うわっ!」ってビクッてなってた。
で、最後にヒナちゃんが、ふわっと息を吹いたら、びっくりするほど遠くまで飛んでいった。
「優勝、ヒナちゃん!」
「えっ……わたし? やったぁ……」
にこにこ笑うヒナちゃんに、全員が拍手。
なんか、めちゃくちゃ平和だった。
「ねぇ、舟の名前って、もう決めてるの?」
アカネのお母さんが、台所からひょっこり顔を出して聞いてきた。
「うーん……まだ!」
「そうなの? せっかくだから、みんなで考えたら?」
「うん! かわいいいいやつにしたいな~!」
「え~。かっこいいほうがいいじゃん」
「なんで~。かわいい方がいいよ」
「じゃあどっちもあるカッコかわいい名前を考えようよ」
「「さんせ~」」
その後アカネがスイカの皮で口にカパッとはめて「オバケ~」ってやってるところに、ピンポーンと玄関の音。
「はーい!」
走っていったアカネが戻ってきた手には、アイスの入った袋が。
「これ、ハルくんのお父さんから。差し入れだって!」
「えっ、父さんが!?」
びっくりして袋をのぞいたら、ぼくの好きなソーダ味のカップアイスが入ってた。
みんなで分けられるように、いろんな味が入ってて、うれしくなった。
「ハルくんのお父さんにありがとうって言っといて」
「……うん。伝えとく」
なんか照れくさくて、だけど胸の奥があったかくなった。
夕暮れの空は、少しずつオレンジから紫に変わっていく。
スイカの種がポツンと落ちてる縁側で、ぼくは、今日のことを思い返してた。
やっぱり、この夏は特別だ。
ぼくの声と、みんなの叫び声が、学校のプールに響いた。
今日は特別に、体育の先生が「午前中だけなら」って、カヌーの試運転をさせてくれることになった。
「ほう、これは見事な舟だな」
体育の先生が腕を組んでうなずく。
ごっつい体でサングラスをかけてるから、なんか軍人みたいだけど、ほんとはけっこう優しい人だ。
「これ、きみたちが作ったのか? 本気ですごいな」
「はいっ!」と、ショウが胸をはって答える。
スケッチ、計算、設計、全部ショウがしてくれたんだ。
やっぱ、すごいやつ。
本当に難しいところは大工のトシオのお父さんと一緒にやったけどちゃんと僕たちの力でここまで出来たんだ。
舟は、板を組み合わせてつくった本体に、サイドフロートっていう横の浮きまでついてる。
ショウの言うには「安定性が増す」んだって。
舟は上から見るとスペースシャトルみたいな形をしている。
空じゃなくて水の上だけど飛ぶようにスイスイ進むはずだ。
かっこいい。
「ヒナちゃん、さそっく乗ってみよう!?」
と、アカネが声をかけると、ヒナちゃんはおそるおそる舟の中に入った。
ふわっと揺れる舟の上で、ヒナちゃんの手がぷるぷるふるえる。
だけど、
「……すごい、ちゃんと、浮いてる」
小さく、でもうれしそうにつぶやいた。
それを見てたら、ぼくの胸がぎゅーってなった。
「ヒナちゃんが頑張ったからだよ!」
ぼくの口が、勝手にしゃべった。
ちょっとドキドキして、ヤバいって思った。
「ハルくんもね!」
ヒナちゃんがにっこり笑ってくれたから、もうどうでもよくなった。
そしたら。
「ちょっとー! アタシたちもいるんですけど~~~っ!」
アカネがぷんすかしながら両手を腰にあてる。
「はいはい、アカネちゃんの飾りもすごいって! この前つけてくれたキラキラのリボン、めっちゃきれいに光ってたよっ!」
と、ショウがフォローを入れる。
まじで助かった。
そのあとは、ちょっとだけプールで遊んだ。
もちろん、ちゃんと水着は着てきたし、安全確認もバッチリ。
トシオははしゃぎすぎて、飛びこもうとして先生に怒られてた。
「プールは飛びこみ禁止だぞ!!」
「ちょ、ちょっと足がすべっただけっス!」
「ウソつけ!ルールはみんなを守るためにあるんだ。ちゃんと守るように!」
体育の先生が大きな体どうりの大きな声で言った。
「「はーい」」
そんなふうに、みんなで笑って、ちょっとだけ水をかけ合ったりして遊んだ。
舟がちゃんと浮かんだってだけで、こんなにうれしいなんて。
「すげーなあ……ほんとに、オレらの舟なんだな」
トシオがぼそっとつぶやいたその声に、ぼくはうなずいた。
うん、これは、ぼくらの舟だ。
キラキラ光る夏の空に、ぴったりの夢みたいな、ぼくらの手作り舟だ。
「うまっ!! これ、めっちゃ冷えてる!!」
思わず叫んだぼくの声が、アカネんちの縁側に響いた。
午前中の試運転が終わって、みんなでアカネの家に集まってスイカタイム。
大きなスイカが冷蔵庫でキンキンに冷えてて、赤く熟れたジューシーな果肉を見て、もうよだれが出そうだった。
「タネ、遠くまで飛ばした人が勝ちな!」
トシオが言い出して、タネ飛ばし大会が始まった。
「ふんっ!」とショウが気合いを入れて飛ばすも、あんまり距離が出ない。
「計算ミスかも……」って言ってて、なんかウケた。
アカネは笑いながら「いっけーっ!」って勢いよく吹いたら、タネがショウのひざに直撃して「うわっ!」ってビクッてなってた。
で、最後にヒナちゃんが、ふわっと息を吹いたら、びっくりするほど遠くまで飛んでいった。
「優勝、ヒナちゃん!」
「えっ……わたし? やったぁ……」
にこにこ笑うヒナちゃんに、全員が拍手。
なんか、めちゃくちゃ平和だった。
「ねぇ、舟の名前って、もう決めてるの?」
アカネのお母さんが、台所からひょっこり顔を出して聞いてきた。
「うーん……まだ!」
「そうなの? せっかくだから、みんなで考えたら?」
「うん! かわいいいいやつにしたいな~!」
「え~。かっこいいほうがいいじゃん」
「なんで~。かわいい方がいいよ」
「じゃあどっちもあるカッコかわいい名前を考えようよ」
「「さんせ~」」
その後アカネがスイカの皮で口にカパッとはめて「オバケ~」ってやってるところに、ピンポーンと玄関の音。
「はーい!」
走っていったアカネが戻ってきた手には、アイスの入った袋が。
「これ、ハルくんのお父さんから。差し入れだって!」
「えっ、父さんが!?」
びっくりして袋をのぞいたら、ぼくの好きなソーダ味のカップアイスが入ってた。
みんなで分けられるように、いろんな味が入ってて、うれしくなった。
「ハルくんのお父さんにありがとうって言っといて」
「……うん。伝えとく」
なんか照れくさくて、だけど胸の奥があったかくなった。
夕暮れの空は、少しずつオレンジから紫に変わっていく。
スイカの種がポツンと落ちてる縁側で、ぼくは、今日のことを思い返してた。
やっぱり、この夏は特別だ。
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その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
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