君との約束を守る為、

っかな

文字の大きさ
7 / 8

7話 森の主と謎

しおりを挟む
山賊狩りの始まりだ。
前方の木の裏に二人。片方は短剣二本、もう片方は杖か。
上がった身体能力を活用し、二人が隠れている木を魔剣で切り株に変える。流石に少し硬かった。手首が痺れてしまったが、休ませてくれる訳もなく、「空間把握」と「危機察知」が同時に反応する。何かが飛んできたようだ。先端の尖った棒状のものに鳥の羽の様なものが3つ程取り付けられている......矢だな。
木を切る時に重心を前に倒していたため、後ろに飛ぶ前に矢に当たってしまう。前方に飛んだとしても木に隠れていた二人のどちらかに衝突してしまう。なら矢自体をどうにかするしかないな。矢を魔剣の腹を使い、自分に当たらない程度に軌道を逸らす。
瞬時に状況を把握した短剣使い君(仮)は魔法使い君(仮)の襟を掴み、走り去ろうとした。だが黙って見過ごすなんて事はない。短剣使い君の短剣を奪い取り、先程矢が飛んできた方向に投げておく。短剣使い君とは2mは離れていたが、そんな距離を詰めるのは1秒もいらない。僕から逃げられないという事をその行動だけで示す。
逃げられない事を瞬時に判断した短剣使い君は、どこからか出した3本目の短剣を僕に向けてきた。
遅れて状況を把握した魔法使い君も、杖をこちらに向け何かを唱え始めた。杖の先端部分がほんのり赤く光り始める。魔法については全く分からないので魔法が発動する前に杖の先端を切り落とす。
その隙を狙って短剣使い君が背後に廻って僕の首を切り落とそうとする。
「空間把握」によりこの二人の行動は全て分かっている。空いている左手を全力で後ろに突き出し、相手を怯ませる。あ、心臓のある位置に見事に当たったな。
その隙に後ろに振り向きその勢いを乗せた肘打ちを顔面に打ち込んだ。短剣使い君は脳震盪を起こしたのかそのまま倒れてしまった。心臓は動いているようなので命に問題ないだろう。
さて、後ろで先端の無くなった杖を大きく振りかぶっている魔法使い君。魔法が使えなくなったら物理でくるか......
前を向いたまま魔法使い君の腕を掴み、投げ技を決める。背中が地面に当たった衝撃で魔法使い君が失神した。
残りは......弓で攻撃してきたやつか。先程弓が飛んできた方向に歩いて行く。
茂みと木の間に白目で倒れているおっさんが居た。どうやら顔の真横に突き刺さったナイフで気を失ってしまったようだ。適当に投げたんだけどなぁ......危ない危ない。一歩間違えてたら死者が出てた。
よし山賊も倒したことだし、さっさと橋に向かうか。
黒猫の居る場所まで戻り、また橋に向かって歩き始めた。

歩き始めて10分もしない内にあることに気付いた。
おかしい......
確信を得る為、近くにあった木に傷を付け、また歩き出す。
3分歩き続けると、先程傷を付けた木を見つけた。
......なぜか先程から同じ場所を廻っているようだ。
真っ直ぐ歩いていてこんな事になる訳がない。

『やっと気付きおったか。悪人よ』

甲高い声が頭に響いてきた。
......誰が悪人じゃい!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。 しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。 選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。 選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。 貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…? ☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

処理中です...