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第一章 プロローグ
■白い空間とドラゴンとハゲ
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「……ハッ!」
気づけば白い空間に立っていた。周りには何もない。どこまで続いているのかも真っ白すぎて距離感が全くつかめない。
なんなんだこの空間は。
どう考えても現実世界じゃない。
そもそもこんな場所に見覚えなんて勿論ないし、いつこの場所にやってきたのかすら覚えていない。
そんな白い空間に、ぽつん、とドアが立っている。
字面だけ見ると、は?って感じだけど本当に立ってる。物凄く不自然で、でもドアは独立して立っていた。
これ、どう考えてもこのドア開けるしかないよね…。
玄関のドアというよりは、隣の部屋に入る為の簡易的なドアだ。
ざっとドアを見るも特に気になる点は見つからない。
いやまぁ、ドアが立っている時点で根本からおかしいんですが。
ドアを裏側から見てもドアの裏側が見えるだけ。横から見たらドアの横側が見えるだけだ。
斜めから見ても、正面から見ても、どう見てもドアだ。普通の。
うーーーん…開けたくねぇなぁ…。
それから10分ほど思いつく限りの角度からドアを見たが、やはり何の変哲も無い。
改めてもう一度周りをぐるっと見てみる。
相変わらず真っ白だ。
ちょっと歩いてみるか、と思ったがすぐやめた。歩くのもダルイし戻るのもダルイ。
結論、ドアを開けよう。
こんな一本道なRPGとかなんちゅうクソゲーだよほんと。
そう思いながらドアを開けた。裏側から。
「GYAAAAAAAA!!」
ドアを閉めた。
「…は?」
…ドラゴンがいたよ?めちゃくちゃデカイやつ。周りではマグマがボッコボコ湧いてたし。
いや実物のマグマ見たことないけどさ。どう考えてもテレビで見たようなやつだったろ今の。
おーけーおーけー。ちょっと待て。
クソゲーって言って悪かった。言ってないけど。思っただけだけど。
レベル1でラスボスは無理だから。…無理だからwww
とりあえず深呼吸しよう。
…ふぅ。それため息やないか。
よし、今日もセルフ突っ込みは中々冴えてるな。
今日の俺は冴えてる。出来る…出来るよ俺!
意を決してドアノブを掴む。
そして少しだけ、ほんの少しだけドアを開けて中を見てみた。
「GYAA!!」そっ…と閉めた。
……。
いやそりゃ閉めるってwww
やっぱりいるじゃんドラゴンwww
口からめっちゃビーム出てたんですけどwww
ひとしきり草を生やした後に正気に戻る。
「ふぅ…………笑えねーーーよっ!!!」
いやいや何なんですか!?
すっごい今更だけどココどこよ!?
なんでドアが立ってんの!?ドラゴンいたよ!?
完全に世紀末状態でしたよ!?
-------------------------------------------------------------------------
体感時間で30分はドアの前に体育すわりで落ち込んだ。
敗因はわかっている。裏側から開けたからだ。
どう考えてもそれしかない。
だってこのどこまで続いているかわからない白い空間にドアが立っているのだ。
開けろと言いたいのだろう。どう考えても。
意を決して立ち上がりドアの前に立つ。
やはり開けたくはない。開けたくはないが、開けない事には進めない仕様なのだろう。
あまりの非現実感に俺はRPGなんだと思い込むようにした。
だってドラゴンいたし。ビーム出してたし。
「よし、もう一気に開けるか」
先ほどのようにそっと開ける事はしない。
どうせこの先にドラゴンがいたとして、他に手段は無いのだ。
そりゃこの白い空間を散歩するのもありだが、ざっと見て何も見当たらない。
丹田に力を込めるイメージをしてドアノブを掴んだ。
そのまま俺は一気にドアを開ける。
「おっせーんだよカスが」
ドアを閉めた。
ドラゴン、ではなくハゲたおっさんがいた。
白い空間の真ん中に4畳ほどの和室があり、そこに寝転んでテレビを見ながらせんべいをバリバリと食ってるムッキムキのハゲたおっさんがいた。
「…は?」
完全に裏社会のおっさんやないか!!
気づけば白い空間に立っていた。周りには何もない。どこまで続いているのかも真っ白すぎて距離感が全くつかめない。
なんなんだこの空間は。
どう考えても現実世界じゃない。
そもそもこんな場所に見覚えなんて勿論ないし、いつこの場所にやってきたのかすら覚えていない。
そんな白い空間に、ぽつん、とドアが立っている。
字面だけ見ると、は?って感じだけど本当に立ってる。物凄く不自然で、でもドアは独立して立っていた。
これ、どう考えてもこのドア開けるしかないよね…。
玄関のドアというよりは、隣の部屋に入る為の簡易的なドアだ。
ざっとドアを見るも特に気になる点は見つからない。
いやまぁ、ドアが立っている時点で根本からおかしいんですが。
ドアを裏側から見てもドアの裏側が見えるだけ。横から見たらドアの横側が見えるだけだ。
斜めから見ても、正面から見ても、どう見てもドアだ。普通の。
うーーーん…開けたくねぇなぁ…。
それから10分ほど思いつく限りの角度からドアを見たが、やはり何の変哲も無い。
改めてもう一度周りをぐるっと見てみる。
相変わらず真っ白だ。
ちょっと歩いてみるか、と思ったがすぐやめた。歩くのもダルイし戻るのもダルイ。
結論、ドアを開けよう。
こんな一本道なRPGとかなんちゅうクソゲーだよほんと。
そう思いながらドアを開けた。裏側から。
「GYAAAAAAAA!!」
ドアを閉めた。
「…は?」
…ドラゴンがいたよ?めちゃくちゃデカイやつ。周りではマグマがボッコボコ湧いてたし。
いや実物のマグマ見たことないけどさ。どう考えてもテレビで見たようなやつだったろ今の。
おーけーおーけー。ちょっと待て。
クソゲーって言って悪かった。言ってないけど。思っただけだけど。
レベル1でラスボスは無理だから。…無理だからwww
とりあえず深呼吸しよう。
…ふぅ。それため息やないか。
よし、今日もセルフ突っ込みは中々冴えてるな。
今日の俺は冴えてる。出来る…出来るよ俺!
意を決してドアノブを掴む。
そして少しだけ、ほんの少しだけドアを開けて中を見てみた。
「GYAA!!」そっ…と閉めた。
……。
いやそりゃ閉めるってwww
やっぱりいるじゃんドラゴンwww
口からめっちゃビーム出てたんですけどwww
ひとしきり草を生やした後に正気に戻る。
「ふぅ…………笑えねーーーよっ!!!」
いやいや何なんですか!?
すっごい今更だけどココどこよ!?
なんでドアが立ってんの!?ドラゴンいたよ!?
完全に世紀末状態でしたよ!?
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体感時間で30分はドアの前に体育すわりで落ち込んだ。
敗因はわかっている。裏側から開けたからだ。
どう考えてもそれしかない。
だってこのどこまで続いているかわからない白い空間にドアが立っているのだ。
開けろと言いたいのだろう。どう考えても。
意を決して立ち上がりドアの前に立つ。
やはり開けたくはない。開けたくはないが、開けない事には進めない仕様なのだろう。
あまりの非現実感に俺はRPGなんだと思い込むようにした。
だってドラゴンいたし。ビーム出してたし。
「よし、もう一気に開けるか」
先ほどのようにそっと開ける事はしない。
どうせこの先にドラゴンがいたとして、他に手段は無いのだ。
そりゃこの白い空間を散歩するのもありだが、ざっと見て何も見当たらない。
丹田に力を込めるイメージをしてドアノブを掴んだ。
そのまま俺は一気にドアを開ける。
「おっせーんだよカスが」
ドアを閉めた。
ドラゴン、ではなくハゲたおっさんがいた。
白い空間の真ん中に4畳ほどの和室があり、そこに寝転んでテレビを見ながらせんべいをバリバリと食ってるムッキムキのハゲたおっさんがいた。
「…は?」
完全に裏社会のおっさんやないか!!
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