3 / 9
第二章 オーナー就任んん!!??
1.とりあえず最終節らしい
しおりを挟む
------------------------------------------------------------------------------
「…はっ!」
気付いたら、俺はスタジアムの前にいた。
何を言っているかわからんと思うが、俺にもわからん。さっきまで会社にいたはずなのに…?
とりあえず気づいたら俺はスタジアムの前に立っていた。そして恐らく目の前にいるスーツ姿の女性は俺の知り合いのようだ。
いつの間に夜から朝に変わったんだとか、そもそもなんでこんな場所に俺はいるのかとか色々と疑問は浮かぶ。よく見れば俺の服装も変わっていた。
皺が付いてクタクタになっていた背広ではなく、パリッとしたスーツを着ている。上下黒のスーツに白のワイシャツ、そして細めの黒ネクタイが付いていた。
喪服の時のような太めのネクタイではなく、言うなればオシャレネクタイとでも言おうか。それこそ、テレビでよく見る海外サッカーの監督が付けているような…。
そんな俺を気にする事無く女性が俺に話し掛けてきた。
「いよいよ最終節ですね!オーナー!」
栗色の髪をしたセミロングの女性が興奮した口調でそう言った。
あ、この人さっき広告バーで見たキャラに似てるわ。
「最終節…ですか?」
「はい!泣いても笑っても今日で決まりますね!」
…何が?
ってかオーナーって…?
ふむ、全く意味がわからん。どういう事なんだろうかと思いながら頭をポリポリと掻くと、パサッと首から何かが後ろに落ちた。後ろを見ると、そこにはかなり長めのマフラーが落ちていた。どうも俺が首から掛けていたみたいだ。よく見たら女性も首にサッカーでよく見るロングマフラーを掛けている事に気づく。
マフラーを拾って広げてみる。そこには鮮やかな青と白で「PARADIS ICHINOSE」と書かれていた。
「パラディス…一ノ瀬?」
「そうです!我がパラディス一ノ瀬がJ3へ昇格するかどうかが今日決まるんです!」
あ、はい。
やっぱりわからん。わからんけど今日で決まるらしい。
思ったより動揺が無いのはなぜなんだろう?
ちらほらとロングマフラーを首から掛けた人やレプリカユニフォームを纏った人、相手チームのサポーターであろう人などとすれ違う。
スタジアム外周沿いの街頭には、選手たちの顔を印刷したタペストリーが掲げられている。
J3に昇格って事は、恐らくチームはJFLで首位争いをしている、というところか。しかも今日の最終節の結果次第では昇格出来るって、かなりのものなんじゃないか?
確かJ3への昇格には地方チームにはかなり厳しい条件が多かったと記憶しているが、目の前の女性の言葉をそのまま信じるのなら、恐らくクリアしているのだろう。
「泣いても笑っても最終節、さぁ、行きましょう!」
女性の言葉の後、俺はそのまま気を失った。
それさっきも言ってたよね。
------------------------------------------------------------------------------
「…はっ!」
…知らない部屋だ。ってか展開がほんと早すぎ。
気付けば試合観戦前のはずなのに、なぜか俺はロッカールームにいた。それぞれのロッカーにはユニフォームが掛けられていた。ユニフォームは先程見たロングマフラー同様に青と白で彩られている。
ロッカールーム内に他の人の気配はない。そこかしこにカバンが置いてあるのを見ると、選手たちは練習にでも行っているのだろうか?カバンからは予備なのだろうか、白のインナーシャツとスパイクが見えた。
もはやこの時点で俺は思考を止めていた。
あまりにも現実味が無い。スタジアムに来るのも初めてのはずだ。その割には俺はあまりにも落ち着き過ぎている。俺がオーナーとか訳が分からない。
だけどこの状況に違和感を感じていない。まるで初めてではないような、いつもの光景のようにもどこか感じてしまう。
そんな俺を女性はニコニコと笑ったまま何も言わずにこちらを見ていた。
「あの…」
あまりにも何も言わないのでこちらから声を掛ける。その瞬間、目の前に何かが浮かんできた。
「えっ」
ブゥン…、と音が鳴って目の前には液晶ディスプレイが浮かんだ。
なんぞこれは…。
明らかに技術的なものを無視したディスプレイに思わず息を飲む。特殊なメガネを掛けているわけでもないのに、まるでそこにPC画面でもあるかのように見える。
思わず不安になって女性を見る。
「えっ」
思わず声を出してしまった。
「固まってる…?」
女性はニコニコと笑ったままその場で固まっていた。
確かに先ほども笑ったまま何も言わずにこちらを見ていたが、今は完全に固まっている。
「あの…、聞こえています…?」
声を掛けても女性は反応しない。まるで石化しているかのようだ。
おずおずと近づいてみる。女性は変わらず動かない。ここで俺は半ば考えている事があった。だが念には念を入れないといけない。思い切って女性の顔付近まで近づいて見た。
女性からは全くの息遣いが感じられなかった。息を止めているのではなく、生命活動を感じなかったのだ。後ろに回っても、横に立っても何も変化は見られない。
やはりそうか…。
俺の考えは、ここで完全に確信に変わった。
これはゲームの中なんだ。
目の前の近未来的なディスプレイに視線を戻す。そこには様々な情報が映っていた。
【JFL第32節 パラディス一ノ瀬 VS アルディ大熊】
最上段に対戦チーム名と順位が映っていた。どうもうちのチームは2位らしく、相手チームは3位のようだ。確か上位2チームから昇格されるのが通常のはずだから、確かにこれは気合が入るな。
その下には5角形グラフで両チームの戦力が映されており、中心には戦力が数値で書かれていた。自チーム・相手チームの得意戦術、得意フォーメーション、キーマン、キャプテン、監督名…。
世の中のサッカークラブが見たら怒り狂いそうな情報が映っている。
と、すれば…。
俺はディスプレイ上の情報を順番に見ながら探す。どこかにあるはずだ。アレが。
上から徐々に視線をディスプレイの下に落とし、下段付近に並ぶそれを見つけて思わずほくそ笑む。
そこには3つのボタンが横一列に並べられていた。
【チーム編成】【対戦チーム】【リーグ情報】
俺はニヤニヤしながら【チーム編成】をタッチする。
やはりまた俺はそのまま気を失った。
「…はっ!」
気付いたら、俺はスタジアムの前にいた。
何を言っているかわからんと思うが、俺にもわからん。さっきまで会社にいたはずなのに…?
とりあえず気づいたら俺はスタジアムの前に立っていた。そして恐らく目の前にいるスーツ姿の女性は俺の知り合いのようだ。
いつの間に夜から朝に変わったんだとか、そもそもなんでこんな場所に俺はいるのかとか色々と疑問は浮かぶ。よく見れば俺の服装も変わっていた。
皺が付いてクタクタになっていた背広ではなく、パリッとしたスーツを着ている。上下黒のスーツに白のワイシャツ、そして細めの黒ネクタイが付いていた。
喪服の時のような太めのネクタイではなく、言うなればオシャレネクタイとでも言おうか。それこそ、テレビでよく見る海外サッカーの監督が付けているような…。
そんな俺を気にする事無く女性が俺に話し掛けてきた。
「いよいよ最終節ですね!オーナー!」
栗色の髪をしたセミロングの女性が興奮した口調でそう言った。
あ、この人さっき広告バーで見たキャラに似てるわ。
「最終節…ですか?」
「はい!泣いても笑っても今日で決まりますね!」
…何が?
ってかオーナーって…?
ふむ、全く意味がわからん。どういう事なんだろうかと思いながら頭をポリポリと掻くと、パサッと首から何かが後ろに落ちた。後ろを見ると、そこにはかなり長めのマフラーが落ちていた。どうも俺が首から掛けていたみたいだ。よく見たら女性も首にサッカーでよく見るロングマフラーを掛けている事に気づく。
マフラーを拾って広げてみる。そこには鮮やかな青と白で「PARADIS ICHINOSE」と書かれていた。
「パラディス…一ノ瀬?」
「そうです!我がパラディス一ノ瀬がJ3へ昇格するかどうかが今日決まるんです!」
あ、はい。
やっぱりわからん。わからんけど今日で決まるらしい。
思ったより動揺が無いのはなぜなんだろう?
ちらほらとロングマフラーを首から掛けた人やレプリカユニフォームを纏った人、相手チームのサポーターであろう人などとすれ違う。
スタジアム外周沿いの街頭には、選手たちの顔を印刷したタペストリーが掲げられている。
J3に昇格って事は、恐らくチームはJFLで首位争いをしている、というところか。しかも今日の最終節の結果次第では昇格出来るって、かなりのものなんじゃないか?
確かJ3への昇格には地方チームにはかなり厳しい条件が多かったと記憶しているが、目の前の女性の言葉をそのまま信じるのなら、恐らくクリアしているのだろう。
「泣いても笑っても最終節、さぁ、行きましょう!」
女性の言葉の後、俺はそのまま気を失った。
それさっきも言ってたよね。
------------------------------------------------------------------------------
「…はっ!」
…知らない部屋だ。ってか展開がほんと早すぎ。
気付けば試合観戦前のはずなのに、なぜか俺はロッカールームにいた。それぞれのロッカーにはユニフォームが掛けられていた。ユニフォームは先程見たロングマフラー同様に青と白で彩られている。
ロッカールーム内に他の人の気配はない。そこかしこにカバンが置いてあるのを見ると、選手たちは練習にでも行っているのだろうか?カバンからは予備なのだろうか、白のインナーシャツとスパイクが見えた。
もはやこの時点で俺は思考を止めていた。
あまりにも現実味が無い。スタジアムに来るのも初めてのはずだ。その割には俺はあまりにも落ち着き過ぎている。俺がオーナーとか訳が分からない。
だけどこの状況に違和感を感じていない。まるで初めてではないような、いつもの光景のようにもどこか感じてしまう。
そんな俺を女性はニコニコと笑ったまま何も言わずにこちらを見ていた。
「あの…」
あまりにも何も言わないのでこちらから声を掛ける。その瞬間、目の前に何かが浮かんできた。
「えっ」
ブゥン…、と音が鳴って目の前には液晶ディスプレイが浮かんだ。
なんぞこれは…。
明らかに技術的なものを無視したディスプレイに思わず息を飲む。特殊なメガネを掛けているわけでもないのに、まるでそこにPC画面でもあるかのように見える。
思わず不安になって女性を見る。
「えっ」
思わず声を出してしまった。
「固まってる…?」
女性はニコニコと笑ったままその場で固まっていた。
確かに先ほども笑ったまま何も言わずにこちらを見ていたが、今は完全に固まっている。
「あの…、聞こえています…?」
声を掛けても女性は反応しない。まるで石化しているかのようだ。
おずおずと近づいてみる。女性は変わらず動かない。ここで俺は半ば考えている事があった。だが念には念を入れないといけない。思い切って女性の顔付近まで近づいて見た。
女性からは全くの息遣いが感じられなかった。息を止めているのではなく、生命活動を感じなかったのだ。後ろに回っても、横に立っても何も変化は見られない。
やはりそうか…。
俺の考えは、ここで完全に確信に変わった。
これはゲームの中なんだ。
目の前の近未来的なディスプレイに視線を戻す。そこには様々な情報が映っていた。
【JFL第32節 パラディス一ノ瀬 VS アルディ大熊】
最上段に対戦チーム名と順位が映っていた。どうもうちのチームは2位らしく、相手チームは3位のようだ。確か上位2チームから昇格されるのが通常のはずだから、確かにこれは気合が入るな。
その下には5角形グラフで両チームの戦力が映されており、中心には戦力が数値で書かれていた。自チーム・相手チームの得意戦術、得意フォーメーション、キーマン、キャプテン、監督名…。
世の中のサッカークラブが見たら怒り狂いそうな情報が映っている。
と、すれば…。
俺はディスプレイ上の情報を順番に見ながら探す。どこかにあるはずだ。アレが。
上から徐々に視線をディスプレイの下に落とし、下段付近に並ぶそれを見つけて思わずほくそ笑む。
そこには3つのボタンが横一列に並べられていた。
【チーム編成】【対戦チーム】【リーグ情報】
俺はニヤニヤしながら【チーム編成】をタッチする。
やはりまた俺はそのまま気を失った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる