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不安定な心
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最近気分の浮き沈みが激しく、理由も分からずモヤモヤして落ち込む事がある。
昨日は何も問題無かったのに今日はどうも駄目な日らしい。
一人になるとその不安がより大きくなっていく気がして、夫たちが少しでも会いに来てくれるので何とか心を保っていた。
私……ちゃんとこの子を産めるよね、健康状態も問題ないし大丈夫……ユウもちゃんと産めたんだから。でも急に何かあるかも……。
考えても仕方のない先の悩みが次々に浮かんでくる。
大丈夫……大丈夫……。
「サキさん!」
「っ……ヨルアノくん……」
気付かぬ間に傍に来ていた彼の姿を見て少しホッとする。
「今日も暑いですね……!なんか飲むもの持ってきましょうか?」
「まだ残ってるから大丈夫。ありがとう」
「了解です!」
ヨルアノくんは明るい返事と共に頷き、私の隣に座る。
「先週の遠征で俺隊長の後ろ付いとったんですけど、本当カッコよかったんですよ!」
「えー、リュークから何も聞いてないなぁ」
「あはは!自分じゃ言いませんよね、実は……」
「……え!それは凄いね……!」
「ですよねー!もうサキさんに言いたくて仕方なくて。隊長にバレたら鍛練減らされちゃうんで内緒にしとってください」
「うん、内緒。教えてくれてありがとう」
傍に居てくれるのが本当に有難かった。勿論誰でもいい訳じゃなくて……。
「この前、俺が料理当番だったんですけど」
子供を強く期待されていると言われるとそれが今の私にはプレッシャーになってしまっていて。
でも彼はそうは言わない。
「フライパンに油引き忘れちゃったんですよ……肉がピッタリ付いて離れなくなっちゃって」
「わぁ……それは結構大変だ……何とかなった?」
「ステーキ肉の下半分が食べれなくなりました……フライパンはなんとか無事です!」
「ふふ……それなら良かった」
「そんなことがあったから、サキさんのご飯食べたいなぁって余計に思い出しちゃって」
「楽しみにしてます!」といつもの明るい笑顔を向けてくれる。
今の私には子供だけじゃなくて、楽しい自分の未来があるのだと教えてくれる。勿論子供たちが一番大事だけどそれだけじゃない。夫たちとの時間、黒騎士団で働く時間、そのどれもがこれからの楽しみなのだ。
子供の為にも、自分の為にも今は頑張る時。
「ありがとう……ヨルアノくん……」
「サキさん……」
突然涙を零す私にヨルアノくんも眉を下げ心配そうにしてくれる。
「ごめんね……なんでもないの……」
泣き顔を隠すように顔を手で覆った。
どうしよう……全然涙止まらない……。
しばらく俯いてようやく顔を上げると、ちょうどラグトさんがこちらに来ていた。
「サキちゃん、大丈夫だよ」
ギュっと優しく抱きしめてもらってまた涙が溢れ出す。
「いっぱい泣いて良いから」
「っ……」
ラグトさんが頭を撫でながら差し出してくれたタオルに顔を埋める。
「俺はもう戻らんと……なので、お二人ともすみません」
「ヨルアノ……うん、ありがと」
彼にお礼も見送りも出来ずに行ってしまった。
「考え事あった?」
「よるあのくんが……」
「うん」
「はなして……うれしかっ、た……」
「そっか。それならよかった」
泣き止んだ私をラグトさんがそっと立たせる。
「今日は家に帰ろっか。俺もちょうど仕事終わって来たところだったから」
「……はい」
その後はずっとラグトさんが傍に居てくれて、ヨルアノくんには後日お礼と謝罪を言いに行った。
それからは気分が落ち込むことも無く、心身共に問題ない状態で出産のための入院となった。
昨日は何も問題無かったのに今日はどうも駄目な日らしい。
一人になるとその不安がより大きくなっていく気がして、夫たちが少しでも会いに来てくれるので何とか心を保っていた。
私……ちゃんとこの子を産めるよね、健康状態も問題ないし大丈夫……ユウもちゃんと産めたんだから。でも急に何かあるかも……。
考えても仕方のない先の悩みが次々に浮かんでくる。
大丈夫……大丈夫……。
「サキさん!」
「っ……ヨルアノくん……」
気付かぬ間に傍に来ていた彼の姿を見て少しホッとする。
「今日も暑いですね……!なんか飲むもの持ってきましょうか?」
「まだ残ってるから大丈夫。ありがとう」
「了解です!」
ヨルアノくんは明るい返事と共に頷き、私の隣に座る。
「先週の遠征で俺隊長の後ろ付いとったんですけど、本当カッコよかったんですよ!」
「えー、リュークから何も聞いてないなぁ」
「あはは!自分じゃ言いませんよね、実は……」
「……え!それは凄いね……!」
「ですよねー!もうサキさんに言いたくて仕方なくて。隊長にバレたら鍛練減らされちゃうんで内緒にしとってください」
「うん、内緒。教えてくれてありがとう」
傍に居てくれるのが本当に有難かった。勿論誰でもいい訳じゃなくて……。
「この前、俺が料理当番だったんですけど」
子供を強く期待されていると言われるとそれが今の私にはプレッシャーになってしまっていて。
でも彼はそうは言わない。
「フライパンに油引き忘れちゃったんですよ……肉がピッタリ付いて離れなくなっちゃって」
「わぁ……それは結構大変だ……何とかなった?」
「ステーキ肉の下半分が食べれなくなりました……フライパンはなんとか無事です!」
「ふふ……それなら良かった」
「そんなことがあったから、サキさんのご飯食べたいなぁって余計に思い出しちゃって」
「楽しみにしてます!」といつもの明るい笑顔を向けてくれる。
今の私には子供だけじゃなくて、楽しい自分の未来があるのだと教えてくれる。勿論子供たちが一番大事だけどそれだけじゃない。夫たちとの時間、黒騎士団で働く時間、そのどれもがこれからの楽しみなのだ。
子供の為にも、自分の為にも今は頑張る時。
「ありがとう……ヨルアノくん……」
「サキさん……」
突然涙を零す私にヨルアノくんも眉を下げ心配そうにしてくれる。
「ごめんね……なんでもないの……」
泣き顔を隠すように顔を手で覆った。
どうしよう……全然涙止まらない……。
しばらく俯いてようやく顔を上げると、ちょうどラグトさんがこちらに来ていた。
「サキちゃん、大丈夫だよ」
ギュっと優しく抱きしめてもらってまた涙が溢れ出す。
「いっぱい泣いて良いから」
「っ……」
ラグトさんが頭を撫でながら差し出してくれたタオルに顔を埋める。
「俺はもう戻らんと……なので、お二人ともすみません」
「ヨルアノ……うん、ありがと」
彼にお礼も見送りも出来ずに行ってしまった。
「考え事あった?」
「よるあのくんが……」
「うん」
「はなして……うれしかっ、た……」
「そっか。それならよかった」
泣き止んだ私をラグトさんがそっと立たせる。
「今日は家に帰ろっか。俺もちょうど仕事終わって来たところだったから」
「……はい」
その後はずっとラグトさんが傍に居てくれて、ヨルアノくんには後日お礼と謝罪を言いに行った。
それからは気分が落ち込むことも無く、心身共に問題ない状態で出産のための入院となった。
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