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三、死体が好きな猫又 一
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軽くいなしたのとは裏腹に、今朝の十両を思いだしてしまった。
「ついでに化け猫でも出てきたりしてな」
太助は恐るべき軽口を叩いた。
「ぶふっ。ごほっごほっ」
「おいおい、落ちつけよ」
「あ、ああ……すまん」
世間話。あくまで人畜無害な世間話にすぎない。
「でも、墓場から女の影が出入りして、人に取りつくなんて話もある」
「女の影……」
今朝、おみなにもちらっと見えた。
「詳しい場所を知ってるか」
「ああ、口でいうのはまどろっこしいから、簡単な地図を書いてきてやった。あとでお前にやるよ。ここからなら、松森寺とは反対方向になるな」
太助は太助なりに、銅吉の執筆を助けようとしているのだろう。
「そりゃありがたい」
銅吉も、素直に受けとることに異論ない。どのみち家でとぐろを巻いていても無意味だし、明日にでも見にいくことにした。いうまでもなく一人でだが、まさか本当に亡霊が出てくるのでもなかろう。
「へへん、ちったぁ俺の御利益が掴めてきただろ」
どうだといわんばかりに、太助はわざと大袈裟にふんぞり返って見せた。
「そこまでのことはない」
笑いながら、銅吉は太助に酒を勧めた。彼は遠慮なく碗をだした。
「ご公儀ねぇ。どうせなら庶民を気遣って、年貢を軽くしろとでも訴えてくれないかな」
今朝のおみなを思いだしながら、銅吉はいった。巷でおおっぴらにそんな話を口にしたが最後、下手をすれば島流しである。
「へっ、それならいくらでも出てきてほしいぜ」
ありえないのは百も承知といわんばかりの太助であった。
「まぁ、噂があまり酷くなったら、それこそお奉行様がどうにかするんだろうな」
そういって、太助はイカナゴをむしゃむしゃ食べた。
「お奉行様か……確かに」
銅吉は首をひねった。酒宴の噂話と戯作は異なる。慎重に接すべき題材だった。歌舞伎などでは、御政道にかかわるような事件を脚本にするとき、わざわざ古い時代の別件として改変するくらいだ。
田沼政治は、戯作者も含めた文化人にある程度まで寛大ではある。うがった見方をするなら、庶民の不満をそらす道具とみなされているだけかも知れない。そこは、銅吉も忘れないでいる。
「それとも和尚様にお祓いして貰うか」
この裏長屋は、葬式を出すなら松森寺からになる。つまり和尚様とは輪快だ。
銅吉は形だけ笑った。銭霊に悩みつつ、結局相談してはいない。お祓いとやらが可能なら、まず銭霊をどうにかして欲しい。
「どうせネタにするなら、源頼朝公の時分にするかなぁ」
触れたくない話題はずらすに限る。
「そりゃどういう理屈だい」
「壇之浦で負けた平氏のお侍が、頼朝公の首を取る一心で困難な旅をしてさ。やっと鎌倉までたどりついたかと思いきや、不運にも捕まって、はい打ち首と」
「ふんふん」
「でも、その怨念が妻の北条政子に取りついて、自分達の息子を殺させるように仕向ける」
「慈悲もへったくれもねぇな」
「最近ね、人情物にはだんだんと筆がむかなくなってきたんだ」
「どうして」
「書いていて、似たような話ばかりになってきたから」
太助は、戯作にかぎらず書物を読む習慣がない。にもかかわらず、銅吉からすれば一番はっきりと執筆における本音を打ちあけられる相手だった。
「へー、やってみりゃいいんじゃねぇか?」
軽い口調で太助は応じた。
「ああ、少しは見通しが立つかもしれない」
ささやかながらも取っかかりができたのは、新作だけでなく、銭霊からもたらされた重苦しい不安を和らげることにもつながる。
「それにしても、亡霊なら腹は減らねぇだろうが、最近は魚が売れにくくなったなぁ」
「そうか」
「あ~あ、いくら働いても銭が溜まらねぇ。いっそ天から降ってきてくれ」
ぼやきながらイカナゴに手を伸ばす太助を、銅吉はまじまじと見つめた。朝、小判が落ちてきた音が耳に蘇り、目の前の景色から色が抜けて白黒に思えてくる。
銭が降ったら皆が幸せになるのか。危機がやって来るだけではないか。
「ま、まさか。あるはずないだろ」
全否定する他ないが、危うく茶碗を落とすところだった。
「おいおい、本当にそんなことがあったらご政道もクソもねぇよ。わっはっはっ」
笑いとばす太助に、銅吉は少しだけ唇を引きのばすのがやっとだった。
『なぁ、銭霊って聞いたことあるかい』
その質問が、今にも喉から口を突いて出てきそうだ。しかし、出来ない。例え匂わせるだけでも、わざわざ自分の『力』を察知させかねない話題は慎まねばならなかった。他の誰に対してもそうだ。
「ただ、このままじゃ嫁も貰えねぇ」
銅吉の葛藤をよそに、太助は、ふと真剣な顔になった。彼とて両親がいた。しかし、彼が五歳のときに母親が病死。七年後には、魚の棒手振りだった父親が、追いはぎに殺されている。当時、寺から出てきたばかりの銅吉は、太助に辛抱強く読み書きとそろばんを教えることで父の跡を継がせた。むろん、銅吉はそれを根拠に威張るようなことはしない。
「嫁か……」
ふと、銅吉は今朝おみなと会ったことを思いだした。上坪父娘が来た当初は、銅吉も含めて大半の住民が遠慮がちに接していた。ただ一人、寡婦で奉公人のおたみが、何かとおみなの世話を焼いた。おみなもおたみの親切に礼儀正しく応え、それを上坪が謙虚に感謝し、ようやく名実ともに裏長屋の一員となるきっかけを得られたのである。
傘の張りかえも、おたみが奉公先の三槌屋に頼んで回して貰っていた。三槌屋は、品川屈指の小間物問屋としても知られており、裏長屋の大家でもある。そして、銅吉が書く戯作の版元でもあった。
三槌屋に行けば、おたみと顔をあわせる機会がある。裏長屋でもあるにはあるが、変な噂になりたくない。彼女は銅吉より少しばかり歳上だが、まだまだ誰と再婚してもおかしくなかった。いわば銅吉は、噂にならない形で自然に彼女と会いたかった。
「あ、今、おみなちゃんのこと考えたろ」
太助はにやにやしながら、最後のイカナゴをバリバリ食べた。
「ち、違うわっ」
正確にはおたみだが、誰がいうものか。
「もうちょっと肉置きが良けりゃあなぁ」
太助もまた、凡夫である。
「どっちみちお前は相手にもして貰えないだろ」
そういいつつ、銅吉の心には今朝おみなにかかっていた『影』がありありとよみがえっていた。懐の小判の騒がしさも。銭霊でさえ黙ってなくてはいけないのに、ましてあやふやな影の件など持ちだせるはずがない。
「いったな」
おどける太助に、銅吉は内心を隠しつつ、笑いながら酒を継いだ。徳利は空になり、ささやかな酒宴もお開きとなった。
銭霊や影に悩まされたせいか、その晩、夢を見た。
どこかの墓場で、幼い銅吉が荷車を引いている。荷台には何も乗っていない。しかし突然、荷車が重くなり、びくともしなくなった。慌てて振りかえると、荷車は影も形もない。だが一歩も動けない。そして、重いのは荷車ではなく両肩だと気づいた。左右それぞれに、骸骨が一体ずつ。
銅吉は、膝を地面についた。二つの骸骨は肩からずり落ちたが、ひとりでにたって銅吉をむりやりあおむけに寝かせた。今度は、腹がやたらに重くなった。
さらに、二つの骸骨が両手で銅吉の頬をなぞった。そのざらざらした感触に悲鳴をあげて目を覚ました。
『お手』
布団越しに、銅吉の胸の辺りで香箱座りをしている三毛猫が彼に命令した。どこかで聞いた、女の声音だ。
『お手』
もう一度、三毛猫は命令し、丸めた右前足で銅吉の下顎を叩いた。
「何だい、この野良猫……」
寝ぼけていて、銅吉は頭の中でうまく理屈が噛みあわなかった。
『野良猫じゃない。猫又』
三毛猫は足を引っこめた。次いで、自分の身体に巻きつけていた尻尾をたてて軽く振った。尻尾の先端は二つに割れている。
「ついでに化け猫でも出てきたりしてな」
太助は恐るべき軽口を叩いた。
「ぶふっ。ごほっごほっ」
「おいおい、落ちつけよ」
「あ、ああ……すまん」
世間話。あくまで人畜無害な世間話にすぎない。
「でも、墓場から女の影が出入りして、人に取りつくなんて話もある」
「女の影……」
今朝、おみなにもちらっと見えた。
「詳しい場所を知ってるか」
「ああ、口でいうのはまどろっこしいから、簡単な地図を書いてきてやった。あとでお前にやるよ。ここからなら、松森寺とは反対方向になるな」
太助は太助なりに、銅吉の執筆を助けようとしているのだろう。
「そりゃありがたい」
銅吉も、素直に受けとることに異論ない。どのみち家でとぐろを巻いていても無意味だし、明日にでも見にいくことにした。いうまでもなく一人でだが、まさか本当に亡霊が出てくるのでもなかろう。
「へへん、ちったぁ俺の御利益が掴めてきただろ」
どうだといわんばかりに、太助はわざと大袈裟にふんぞり返って見せた。
「そこまでのことはない」
笑いながら、銅吉は太助に酒を勧めた。彼は遠慮なく碗をだした。
「ご公儀ねぇ。どうせなら庶民を気遣って、年貢を軽くしろとでも訴えてくれないかな」
今朝のおみなを思いだしながら、銅吉はいった。巷でおおっぴらにそんな話を口にしたが最後、下手をすれば島流しである。
「へっ、それならいくらでも出てきてほしいぜ」
ありえないのは百も承知といわんばかりの太助であった。
「まぁ、噂があまり酷くなったら、それこそお奉行様がどうにかするんだろうな」
そういって、太助はイカナゴをむしゃむしゃ食べた。
「お奉行様か……確かに」
銅吉は首をひねった。酒宴の噂話と戯作は異なる。慎重に接すべき題材だった。歌舞伎などでは、御政道にかかわるような事件を脚本にするとき、わざわざ古い時代の別件として改変するくらいだ。
田沼政治は、戯作者も含めた文化人にある程度まで寛大ではある。うがった見方をするなら、庶民の不満をそらす道具とみなされているだけかも知れない。そこは、銅吉も忘れないでいる。
「それとも和尚様にお祓いして貰うか」
この裏長屋は、葬式を出すなら松森寺からになる。つまり和尚様とは輪快だ。
銅吉は形だけ笑った。銭霊に悩みつつ、結局相談してはいない。お祓いとやらが可能なら、まず銭霊をどうにかして欲しい。
「どうせネタにするなら、源頼朝公の時分にするかなぁ」
触れたくない話題はずらすに限る。
「そりゃどういう理屈だい」
「壇之浦で負けた平氏のお侍が、頼朝公の首を取る一心で困難な旅をしてさ。やっと鎌倉までたどりついたかと思いきや、不運にも捕まって、はい打ち首と」
「ふんふん」
「でも、その怨念が妻の北条政子に取りついて、自分達の息子を殺させるように仕向ける」
「慈悲もへったくれもねぇな」
「最近ね、人情物にはだんだんと筆がむかなくなってきたんだ」
「どうして」
「書いていて、似たような話ばかりになってきたから」
太助は、戯作にかぎらず書物を読む習慣がない。にもかかわらず、銅吉からすれば一番はっきりと執筆における本音を打ちあけられる相手だった。
「へー、やってみりゃいいんじゃねぇか?」
軽い口調で太助は応じた。
「ああ、少しは見通しが立つかもしれない」
ささやかながらも取っかかりができたのは、新作だけでなく、銭霊からもたらされた重苦しい不安を和らげることにもつながる。
「それにしても、亡霊なら腹は減らねぇだろうが、最近は魚が売れにくくなったなぁ」
「そうか」
「あ~あ、いくら働いても銭が溜まらねぇ。いっそ天から降ってきてくれ」
ぼやきながらイカナゴに手を伸ばす太助を、銅吉はまじまじと見つめた。朝、小判が落ちてきた音が耳に蘇り、目の前の景色から色が抜けて白黒に思えてくる。
銭が降ったら皆が幸せになるのか。危機がやって来るだけではないか。
「ま、まさか。あるはずないだろ」
全否定する他ないが、危うく茶碗を落とすところだった。
「おいおい、本当にそんなことがあったらご政道もクソもねぇよ。わっはっはっ」
笑いとばす太助に、銅吉は少しだけ唇を引きのばすのがやっとだった。
『なぁ、銭霊って聞いたことあるかい』
その質問が、今にも喉から口を突いて出てきそうだ。しかし、出来ない。例え匂わせるだけでも、わざわざ自分の『力』を察知させかねない話題は慎まねばならなかった。他の誰に対してもそうだ。
「ただ、このままじゃ嫁も貰えねぇ」
銅吉の葛藤をよそに、太助は、ふと真剣な顔になった。彼とて両親がいた。しかし、彼が五歳のときに母親が病死。七年後には、魚の棒手振りだった父親が、追いはぎに殺されている。当時、寺から出てきたばかりの銅吉は、太助に辛抱強く読み書きとそろばんを教えることで父の跡を継がせた。むろん、銅吉はそれを根拠に威張るようなことはしない。
「嫁か……」
ふと、銅吉は今朝おみなと会ったことを思いだした。上坪父娘が来た当初は、銅吉も含めて大半の住民が遠慮がちに接していた。ただ一人、寡婦で奉公人のおたみが、何かとおみなの世話を焼いた。おみなもおたみの親切に礼儀正しく応え、それを上坪が謙虚に感謝し、ようやく名実ともに裏長屋の一員となるきっかけを得られたのである。
傘の張りかえも、おたみが奉公先の三槌屋に頼んで回して貰っていた。三槌屋は、品川屈指の小間物問屋としても知られており、裏長屋の大家でもある。そして、銅吉が書く戯作の版元でもあった。
三槌屋に行けば、おたみと顔をあわせる機会がある。裏長屋でもあるにはあるが、変な噂になりたくない。彼女は銅吉より少しばかり歳上だが、まだまだ誰と再婚してもおかしくなかった。いわば銅吉は、噂にならない形で自然に彼女と会いたかった。
「あ、今、おみなちゃんのこと考えたろ」
太助はにやにやしながら、最後のイカナゴをバリバリ食べた。
「ち、違うわっ」
正確にはおたみだが、誰がいうものか。
「もうちょっと肉置きが良けりゃあなぁ」
太助もまた、凡夫である。
「どっちみちお前は相手にもして貰えないだろ」
そういいつつ、銅吉の心には今朝おみなにかかっていた『影』がありありとよみがえっていた。懐の小判の騒がしさも。銭霊でさえ黙ってなくてはいけないのに、ましてあやふやな影の件など持ちだせるはずがない。
「いったな」
おどける太助に、銅吉は内心を隠しつつ、笑いながら酒を継いだ。徳利は空になり、ささやかな酒宴もお開きとなった。
銭霊や影に悩まされたせいか、その晩、夢を見た。
どこかの墓場で、幼い銅吉が荷車を引いている。荷台には何も乗っていない。しかし突然、荷車が重くなり、びくともしなくなった。慌てて振りかえると、荷車は影も形もない。だが一歩も動けない。そして、重いのは荷車ではなく両肩だと気づいた。左右それぞれに、骸骨が一体ずつ。
銅吉は、膝を地面についた。二つの骸骨は肩からずり落ちたが、ひとりでにたって銅吉をむりやりあおむけに寝かせた。今度は、腹がやたらに重くなった。
さらに、二つの骸骨が両手で銅吉の頬をなぞった。そのざらざらした感触に悲鳴をあげて目を覚ました。
『お手』
布団越しに、銅吉の胸の辺りで香箱座りをしている三毛猫が彼に命令した。どこかで聞いた、女の声音だ。
『お手』
もう一度、三毛猫は命令し、丸めた右前足で銅吉の下顎を叩いた。
「何だい、この野良猫……」
寝ぼけていて、銅吉は頭の中でうまく理屈が噛みあわなかった。
『野良猫じゃない。猫又』
三毛猫は足を引っこめた。次いで、自分の身体に巻きつけていた尻尾をたてて軽く振った。尻尾の先端は二つに割れている。
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