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十五、喧嘩の仲裁 一
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目をこすりながら、改めて眺めなおすと、青い単衣を身につけた女性……だろう……だった。伸ばした髪が腰まで届いている。銅吉の小袖も青いが、それよりはずっと鮮やかな、新品間違いなしの青い単衣だ。
「ああ、この度、新しい仲間が……」
「このような鏡では男を取られてしまいますぇ」
ろくろ首の説明にかぶさるように、鏡を独り占めしている青単衣が不満を口にした。あいかわらず背中を向けたままだ。
「ご挨拶だな。まずこっちを向いてほしいもんだね」
さすがに、銅吉もムッときていいかえした。青単衣は、黙って鏡を両手で持ち上げた。銅吉の胸くらいな大きさだし、質素な木の台についているだけなので、子どもでも抱えられる。
鏡に写っているのは、髪の割に広い額と剃った眉、のっぺりした目鼻立ちに下ぶくれの顎といったご面相だった。
「まるで平安の御代にいた女官だな」
「失礼な。私は女官そのものどすぇ」
鏡を床に置いて、青単衣は振りかえった。肌の質感はろくろ首と同程度か。首は伸縮しないようだが。
「新しい仲間、青女房です」
ろくろ首が、改めて紹介した。かつては……特に平安の世において……女官を女房と称した。そうした意味あいを汲んだ名前なのだろう。青というのは、単衣の色もあるが、若さや未熟さをも意味する。つまり、まだ出仕しはじめたばかりの女官ということだ。
「良く考えたら、居候が一人増えるってことじゃないか」
やっと頭がはっきりしてきた銅吉。
『心配しなくとも、これで終わりだ』
猫又が、面白くもなさそうにいった。
「銅吉さんも含めて、この四人で八岐大蛇の目論見を砕かねばなりません」
首さえまともなら、ろくろ首は派手な美人である。
「鏡は安物なれど、お前様のお顔は気に入りましたぇ。女童のようで美し美し」
青女房は遠慮というものがない。古語で美しいといったら、小さな子どもや犬猫が可愛らしいという意味が強い。
「大きなお世話だ。というより、お前こそどう役に立つんだよ」
そういえば、猫又にせよろくろ首にせよ、具体的にどんな力を持つのかまだ知らない。
青女房は、一度自分の懐に手を入れた。そこからすーっと手をだすと、おみなが現れた。ただし、薄白い姿で、青女房が透けて見える。半透明なおみなは、立ったまま眠っていた。
「な、何だこれは」
自分から聞いたにもかかわらず、予想をはるかに上回る光景を目にして銅吉は開いた口が塞がらなかった。
「青女房さんは、人間の魂を一時的に抜きとることができます。ただし、赤い手形がある人間は駄目です。八岐大蛇の力がかかっていますから」
ろくろ首が律儀に説明した。
「えっ。じゃあ、松森寺にいるおみなちゃんは……」
「そこは、お寺がこれまで通りに介抱していれば問題ありません。ただ眠ったままなだけです」
「一応わかるけど、どうしてそんなことをする必要があったんだ」
「お淀は、まずおみなさんの魂を殺してから肉体を乗っとるつもりです。だから、先手を打ちました」
「最初から青女房を味方につけたら良かったじゃないか」
「青女房さんは、八岐大蛇が怖くて最初は渋っていたのです」
「あやかしのくせに、八岐大蛇が怖いのか」
「八岐大蛇はあやかしでも平気で食べます」
「なら、一晩かけて説得したのか」
「結論からいえばそうなります」
「貧しくとも私の好みにあう男子ならば、それはそれで源氏物語のような恋が期待できよう」
青女房は、どこからともなく扇子をだして自分の顔を隠した。
「それって、俺のことか」
「青女房さんの性癖は、いなせよりおぼこなのです」
ろくろ首が、いかにも二人の間を取りもとうといわんばかりの微笑で説明した。
「そんな理屈で一晩かけたのか」
「いえ、それは一瞬で終わりました。そこから、輪快さんの隙を突いておみなさんの魂を抜きだすのが一苦労でした」
「和尚様だって、夜は寝るだろう」
「それが、和尚様は念のためにお札をあちこちに貼っていて、剥がすのに手間を取りました」
「剥がしたお札は元にもどしたのか」
「はい、もちろん」
なら問題ない。取りあえずはほっとした。
「俺も、伝えておきたいことがある」
銅吉はようやく、お淀と秀秋が乱入してきた顛末を説明した。
『どうして忠告を無視した、愚か者』
猫又の第一声は、お世辞にも慰労や賞賛とはいえなかった。
『あのままほっといたら近所迷惑だろ』
銅吉も、いわれっ放しですませるつもりはない。
『そんなつまらん人づきあいで、危うく呪い殺されるところだったんだぞ』
『呪い殺される』
お淀も秀秋も、砂粒一つの弁護にも値しない不愉快な亡霊達ではあった。とはいえ、小判を額に当てられた程度であっさり退却している。
「秀秋は、お淀の力を借りて、銅吉さんの魂を殺してから肉体を奪うつもりでいたんですよ」
「ええっ。早くいえよ、そういうことは」
『いわないからこそ撃退できたんだ』
『な、何だよ、その理屈は』
『お淀達の勝手な理屈に、お前は怒ったんだろう』
『当たり前だ』
『怒ったからこそ、お前の投げた銭に相応の力がこもった。秀秋の目論見を最初から知っていたら、お前は震えあがって反撃どころではなかったろうな』
『ふ……』
ふざけるなといいかけて、銅吉は絶句した。輪快や上坪のような勇気が、最初から自分にあったとは、とうてい主張できない。それを、嫌でも思いおこしたからだ。
「おおっ、その悩ましい横顔。魂を抜きとらせてたもれ」
青女房が、座ったまま器用に膝行してきた。
「うわぁっ。やめろっ」
「こほん」
ろくろ首がわざとらしく咳払いすると、青女房は唇を尖らせながら少し下がった。
『ま、お前の力が成長したことも認めておいてはやる』
猫又は、二つに別れた尻尾を軽く左右に振った。青女房が、その喉をこちょこちょくすぐった。猫又はくすぐったそうに首を回すと、青女房の少し膨れた指を軽く噛んだ。
「痛いっ」
『成長って、どんな』
『これまでは、天井から銭が落ちてきただけだろ。それが、手の中に湧いてきた。直に手にするとは、それだけ自由に使えるってこと』
青女房に尻尾を向けて、猫又は説明した。
『自由に……』
『いっとくけど、銭を好き勝手に溢れ出させるって意味じゃない。とっさにぱっと投げたり、不自然じゃない形で人前に出せたりするって話だ』
『な、なぁんだ』
『何を期待しているか丸わかりだな。それでも戯作者か』
『う、うるさいっ』
「あぁ~もっと怒ってたも~。魂に隙が……」
「こほん」
一同は、図らずもそろって沈黙した。
『これからは、まずおみなを見つけた墓場の墓石を全部壊す。そうすれば、お淀と秀秋は地獄いきとなる』
『何だか、ずいぶんあっさりしてるな』
『いうはやすしだ。あたしとろくろ首が、墓石から余計な悪霊がでてこないようにするから、人間が墓石を砕くしかない』
『それを、私がやるのか』
銅吉は、自慢ではないが、筆より重いものを滅多に持ったことがない。
『誰でも良い。ノミでも金槌でも、好きな道具を使え。ただ、あたし達も悪霊をずっと抑えつづけられるわけじゃない』
ということなら、どうせ妖怪達は姿を消せるのだし、太助と左門次と上坪を連れていけば充分だろう。何があるかわからないから、輪快は寺を守った方がいい。いずれにせよ銅吉一人では、さすがに人手不足だ。
『お淀や秀秋も、お前達に任せていいのか』
『構わない。時間帯は昼の方がいい』
『そういえば、青女房はどうするんだ』
「私はここで、おみなの魂を守りながらお前様の帰りを待つ。全部終わればお前様と祝言を……」
『それで、お淀達を倒した後は』
銅吉は、意図的に議事を進行した。
『青女房が先代公方の幽霊を田沼親子に見せ、八岐大蛇の封印をかけ直すよう促す』
『できるのか、そんなことが』
『まあ、正確には、今公方の生霊をちょっと加工してそれっぽく見せる』
『か、加工って……粘土細工じゃあるまいし』
「私の絵心は朝廷一ゆえ、心配無用におじゃる」
青女房の太鼓判は、かえって銅吉の不安をかきたてた。朝廷一とは、そもそも何百年前の話か知らないし知りたくもない。
「ああ、この度、新しい仲間が……」
「このような鏡では男を取られてしまいますぇ」
ろくろ首の説明にかぶさるように、鏡を独り占めしている青単衣が不満を口にした。あいかわらず背中を向けたままだ。
「ご挨拶だな。まずこっちを向いてほしいもんだね」
さすがに、銅吉もムッときていいかえした。青単衣は、黙って鏡を両手で持ち上げた。銅吉の胸くらいな大きさだし、質素な木の台についているだけなので、子どもでも抱えられる。
鏡に写っているのは、髪の割に広い額と剃った眉、のっぺりした目鼻立ちに下ぶくれの顎といったご面相だった。
「まるで平安の御代にいた女官だな」
「失礼な。私は女官そのものどすぇ」
鏡を床に置いて、青単衣は振りかえった。肌の質感はろくろ首と同程度か。首は伸縮しないようだが。
「新しい仲間、青女房です」
ろくろ首が、改めて紹介した。かつては……特に平安の世において……女官を女房と称した。そうした意味あいを汲んだ名前なのだろう。青というのは、単衣の色もあるが、若さや未熟さをも意味する。つまり、まだ出仕しはじめたばかりの女官ということだ。
「良く考えたら、居候が一人増えるってことじゃないか」
やっと頭がはっきりしてきた銅吉。
『心配しなくとも、これで終わりだ』
猫又が、面白くもなさそうにいった。
「銅吉さんも含めて、この四人で八岐大蛇の目論見を砕かねばなりません」
首さえまともなら、ろくろ首は派手な美人である。
「鏡は安物なれど、お前様のお顔は気に入りましたぇ。女童のようで美し美し」
青女房は遠慮というものがない。古語で美しいといったら、小さな子どもや犬猫が可愛らしいという意味が強い。
「大きなお世話だ。というより、お前こそどう役に立つんだよ」
そういえば、猫又にせよろくろ首にせよ、具体的にどんな力を持つのかまだ知らない。
青女房は、一度自分の懐に手を入れた。そこからすーっと手をだすと、おみなが現れた。ただし、薄白い姿で、青女房が透けて見える。半透明なおみなは、立ったまま眠っていた。
「な、何だこれは」
自分から聞いたにもかかわらず、予想をはるかに上回る光景を目にして銅吉は開いた口が塞がらなかった。
「青女房さんは、人間の魂を一時的に抜きとることができます。ただし、赤い手形がある人間は駄目です。八岐大蛇の力がかかっていますから」
ろくろ首が律儀に説明した。
「えっ。じゃあ、松森寺にいるおみなちゃんは……」
「そこは、お寺がこれまで通りに介抱していれば問題ありません。ただ眠ったままなだけです」
「一応わかるけど、どうしてそんなことをする必要があったんだ」
「お淀は、まずおみなさんの魂を殺してから肉体を乗っとるつもりです。だから、先手を打ちました」
「最初から青女房を味方につけたら良かったじゃないか」
「青女房さんは、八岐大蛇が怖くて最初は渋っていたのです」
「あやかしのくせに、八岐大蛇が怖いのか」
「八岐大蛇はあやかしでも平気で食べます」
「なら、一晩かけて説得したのか」
「結論からいえばそうなります」
「貧しくとも私の好みにあう男子ならば、それはそれで源氏物語のような恋が期待できよう」
青女房は、どこからともなく扇子をだして自分の顔を隠した。
「それって、俺のことか」
「青女房さんの性癖は、いなせよりおぼこなのです」
ろくろ首が、いかにも二人の間を取りもとうといわんばかりの微笑で説明した。
「そんな理屈で一晩かけたのか」
「いえ、それは一瞬で終わりました。そこから、輪快さんの隙を突いておみなさんの魂を抜きだすのが一苦労でした」
「和尚様だって、夜は寝るだろう」
「それが、和尚様は念のためにお札をあちこちに貼っていて、剥がすのに手間を取りました」
「剥がしたお札は元にもどしたのか」
「はい、もちろん」
なら問題ない。取りあえずはほっとした。
「俺も、伝えておきたいことがある」
銅吉はようやく、お淀と秀秋が乱入してきた顛末を説明した。
『どうして忠告を無視した、愚か者』
猫又の第一声は、お世辞にも慰労や賞賛とはいえなかった。
『あのままほっといたら近所迷惑だろ』
銅吉も、いわれっ放しですませるつもりはない。
『そんなつまらん人づきあいで、危うく呪い殺されるところだったんだぞ』
『呪い殺される』
お淀も秀秋も、砂粒一つの弁護にも値しない不愉快な亡霊達ではあった。とはいえ、小判を額に当てられた程度であっさり退却している。
「秀秋は、お淀の力を借りて、銅吉さんの魂を殺してから肉体を奪うつもりでいたんですよ」
「ええっ。早くいえよ、そういうことは」
『いわないからこそ撃退できたんだ』
『な、何だよ、その理屈は』
『お淀達の勝手な理屈に、お前は怒ったんだろう』
『当たり前だ』
『怒ったからこそ、お前の投げた銭に相応の力がこもった。秀秋の目論見を最初から知っていたら、お前は震えあがって反撃どころではなかったろうな』
『ふ……』
ふざけるなといいかけて、銅吉は絶句した。輪快や上坪のような勇気が、最初から自分にあったとは、とうてい主張できない。それを、嫌でも思いおこしたからだ。
「おおっ、その悩ましい横顔。魂を抜きとらせてたもれ」
青女房が、座ったまま器用に膝行してきた。
「うわぁっ。やめろっ」
「こほん」
ろくろ首がわざとらしく咳払いすると、青女房は唇を尖らせながら少し下がった。
『ま、お前の力が成長したことも認めておいてはやる』
猫又は、二つに別れた尻尾を軽く左右に振った。青女房が、その喉をこちょこちょくすぐった。猫又はくすぐったそうに首を回すと、青女房の少し膨れた指を軽く噛んだ。
「痛いっ」
『成長って、どんな』
『これまでは、天井から銭が落ちてきただけだろ。それが、手の中に湧いてきた。直に手にするとは、それだけ自由に使えるってこと』
青女房に尻尾を向けて、猫又は説明した。
『自由に……』
『いっとくけど、銭を好き勝手に溢れ出させるって意味じゃない。とっさにぱっと投げたり、不自然じゃない形で人前に出せたりするって話だ』
『な、なぁんだ』
『何を期待しているか丸わかりだな。それでも戯作者か』
『う、うるさいっ』
「あぁ~もっと怒ってたも~。魂に隙が……」
「こほん」
一同は、図らずもそろって沈黙した。
『これからは、まずおみなを見つけた墓場の墓石を全部壊す。そうすれば、お淀と秀秋は地獄いきとなる』
『何だか、ずいぶんあっさりしてるな』
『いうはやすしだ。あたしとろくろ首が、墓石から余計な悪霊がでてこないようにするから、人間が墓石を砕くしかない』
『それを、私がやるのか』
銅吉は、自慢ではないが、筆より重いものを滅多に持ったことがない。
『誰でも良い。ノミでも金槌でも、好きな道具を使え。ただ、あたし達も悪霊をずっと抑えつづけられるわけじゃない』
ということなら、どうせ妖怪達は姿を消せるのだし、太助と左門次と上坪を連れていけば充分だろう。何があるかわからないから、輪快は寺を守った方がいい。いずれにせよ銅吉一人では、さすがに人手不足だ。
『お淀や秀秋も、お前達に任せていいのか』
『構わない。時間帯は昼の方がいい』
『そういえば、青女房はどうするんだ』
「私はここで、おみなの魂を守りながらお前様の帰りを待つ。全部終わればお前様と祝言を……」
『それで、お淀達を倒した後は』
銅吉は、意図的に議事を進行した。
『青女房が先代公方の幽霊を田沼親子に見せ、八岐大蛇の封印をかけ直すよう促す』
『できるのか、そんなことが』
『まあ、正確には、今公方の生霊をちょっと加工してそれっぽく見せる』
『か、加工って……粘土細工じゃあるまいし』
「私の絵心は朝廷一ゆえ、心配無用におじゃる」
青女房の太鼓判は、かえって銅吉の不安をかきたてた。朝廷一とは、そもそも何百年前の話か知らないし知りたくもない。
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