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十六、喧嘩の仲裁 二
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「田沼親子といえども、生霊を使えば大いに驚いてすぐ段取りを立てるでしょう」
ろくろ首が、うまく話をしめた。
「じゃあ、改心した田沼親子が八岐大蛇の封印を処理したら、この件はめでたく落着なんだな」
『そうだ』
「青女房も、どこへかは知らんがここからでていくんだな」
「銅吉よ。我々はすでに、赤い糸で……」
ろくろ首が、またこほんと咳をした。青女房は黙り、銅吉は辛うじて信用する気になった。
『段取りが理解できたなら、さっそく……』
猫又がいいおわらない内に、ばぁんっと戸口をぶっ叩く音がした。銅吉は全身をびくっと震わせた。
「あやかしか。あな恐ろしや。銅吉、私を守って……」
どさくさ紛れににじりよったきた青女房と銅吉の間に、ろくろ首がにゅーっと首を伸ばして割りこんだ。
「あやかしではなさそうですので、銅吉さんでお願いします」
伸ばしたままの首をねじ曲げて、ろくろ首は願った。
「ど、どうしてそれが分かるんだ」
銅吉の質問に、ろくろ首が答えようと口を開いた直後、太助の悪態が戸口越しに聞こえた。
「じゃあいってくる」
裏長屋の揉め事は裏長屋で解決する。銅吉なりの、ささやかな自尊心である。草鞋をはいて、戸を開けた瞬間、一塊になった太助と左門次が広くもない裏長屋の路地で取っくみあいをしている。他の住民達は、遠巻きに眺めていた。
「銅吉さん、良かった。あの二人を何とかしておくれよ」
二人の喧嘩を見守っていた人々の中から、おたみがやってきて銅吉に願った。
いわれずともそのつもりではあった。彼女の小袖のたもとが、土で汚れている。二人の仲裁を試みて、突きとばされるか何かしたのだろう。銅吉は、もはや二人を勘弁できなくなった。
「おいっ、いい加減にしろっ」
転げまわる二人につかつか近より、銅吉はまず一声かけた。
「うるせぇっ、ほっとけ」
太助が、左門次の襟元を締めあげながら喚いた。
「ケガしたくなけりゃ、すっこんでろ」
左門次が、太助の両手首を握りながら叫んだ。
二人はそろって、立ってはおらず横倒しになっている。そこで、まず金左の股間を尻の側から蹴りあげた。
「痛ぇっ」
左門次は太助から手を離し、下顎を突きだして目をつぶった。その首筋に、赤い手形がついている。
銅吉の右手の中に、小判が浮かびでてきた。それを握りしめ、左門次の脇にしゃがんで頬を殴った。手形はあっさりと消え、左門次はぐったりして気絶した。なおも掴みかかろうとする太助に、銅吉は正面から彼の股間を右足の爪先で蹴りつけ、怯んだ隙に彼の首筋を確かめた。やはり、手形がついている。同じ要領で消すと、左門次に覆いかぶさるようにして倒れた。こちらも手形は消え、直後に小判も消えた。傍目には、ただ銅吉が二人を殴って大人しくさせたようにしか見えないだろう。
「さぁ、これで喧嘩は終わりだ。みんな、仕事にもどってくれ」
銅吉が裏長屋の衆に呼びかけると、一同はいっせいに引きあげた。
「銅吉さん、ありがとう」
おたみが、彼らとは正反対に、銅吉へ駆けよった。
「おたみさんこそ。大変だったでしょう。その、お仕事じゃないんですか」
我ながら不粋な台詞になってしまった。
「あたし、今日は非番だから。太助さんと左門次さん、手当てしないで大丈夫かな」
こんなときでも、おたみは二人を気遣った。
「かまやしません。二、三日は小便に困るでしょうが、いい薬です」
銅吉は二人を見おろした。こんなみっともない喧嘩をやらかした原因は、もはや察するまでもない。お淀と秀秋が警告を実行したのは、火を見るより明らかだった。
「おしっこがね、うふふ」
おたみはようやく笑った。決して上品な題材ではないが、それでも、ようやく一区切りがついたような雰囲気になった。
「それより、おたみさんこそ、たもとが……」
「ああ、これね。洗えばすむから」
気丈に振るまいつつも、おたみは顔を赤らめていた。いつも身ぎれいにしていた手前、恥ずかしいのだろう。
「喧嘩の原因に心当たりはありますか」
「ううん、あたしが外にでたらもう始まっていたから」
どのみち、本人達に聞いても要領を得ないに決まっていた。
「そういえば、上坪さんは……」
こんなときに上坪がいれば、丸腰でも二人を引き離すくらいは簡単にできた。
「さぁ。あたしも見かけてない」
「そうですか。ふだんから仲がいい奴らですし、陽気が強くなってきたせいでしょう」
銅吉は、何でもいいから喧嘩の妥当な理由を挙げておかねばならなかった。
直接には、というより表面的には、二人が仲直りすればすむ。あとで裏長屋中に挨拶せねばならないかもしれないが、そこから根に持ったり持たれたりするようなことはない。ただし、それは喧嘩の原因がはっきりしている場合だ。
そうでないと、いつまた喧嘩が再開されるか不安になる。三槌屋の耳にそんな不安が届くと、最悪の場合は喧嘩両成敗で二人とも追放になりかねない。
銅吉は、こんなことで大事な友人二人を失いたくはなかった。まだ明かすことはできないが、お淀と秀秋に対しては一線を越えたと判断せざるを得ない。小判をぶつけるどころか、喉が詰まるまで何枚流しこんでやっても飽きたりない。
「おはよう」
いかにもな口調と声音が横からして、銅吉とおたみは共に振りむいた。上坪が返事を待っているところだ。
「おはようございます」
二人は異口同音にお辞儀した。
「どうしたんだ、二人そろって……待て、太助と左門次か。ケガでもしたのか」
「上坪さん。ちょうどよかった。俺と二人で、こいつらを家にもどしてください」
こういうときに、銅吉からでも気安く頼めるのが、上坪の人柄だった。
「良くは存ぜぬが、いいだろう」
「おたみさんは家で休んでいてください」
「いや、上坪さんにもあたしから説明しときたい」
おたみとしては、喧嘩も終わったのだし、一刻も早くたもとの汚れをどうにかしたいはずだ。にもかかわらず、銅吉や上坪のために残るのは、事情を早く共有するのが裏長屋全体のためだと判断したからに他ならない。
「それなら、立ち話もなんだし、俺の家にくるか。大したもてなしはできないが」
上坪にせよ銅吉にせよ、一人暮らしなのは差し引くとしても、女性の家に気安く上がることは遠慮せねばならない。それに、上坪は世話になったばかりの銅吉に気を遣わねばならない。だからこそ、上坪は素早く提案せねばならず、銅吉もすぐにそれと察した。
「私は構いませんが、おたみさんは」
「あのう……情けないことなんですけど、着物が汚れてしまって」
「ああ、こっちの方がよほど汚れている。だから、気にするな」
上坪からの、冗談を装った気配りだった。いかにも不器用だが、それだけに彼らしい。
「おたみさん、私としても早くいきさつが知りたいです」
銅吉も、上坪に調子をあわせた。
「それなら、まあ……。お二人が一仕事する間に、ちょっとだけ洗っておきます」
路地の端には井戸がある。何もしないよりはましだろう。
「決まりだな。さっそくかかろう」
「はい」
銅吉は太助を、上坪は左門次を、それぞれ担いだ。
そこからは、単純な作業ですんだ。二人が二人を家にもどし、すんだらおたみと合流して上坪の家にいく。あっという間に終わった。
「良く来てくれた。あいにくと、水しか出せぬが勘弁してくれ」
「いえ、とんでもない」
上坪の弁明に、銅吉とおたみは口をそろえて首を横に振った。
「すまん」
上坪は、自分のも含めて三つの湯のみに水を満たして出した。銅吉達は、ごく当たり前に礼を述べて湯のみを受けとった。
「頂きます」
「うむ」
銅吉とおたみは湯のみに口をつけた。上坪も、ちびりと一口飲んだ。
「では、いきさつを聞こう」
上坪が促すと、おたみはそれまで持っていた湯のみを自分の前に置いた。中身はほぼ空になっていた。
ろくろ首が、うまく話をしめた。
「じゃあ、改心した田沼親子が八岐大蛇の封印を処理したら、この件はめでたく落着なんだな」
『そうだ』
「青女房も、どこへかは知らんがここからでていくんだな」
「銅吉よ。我々はすでに、赤い糸で……」
ろくろ首が、またこほんと咳をした。青女房は黙り、銅吉は辛うじて信用する気になった。
『段取りが理解できたなら、さっそく……』
猫又がいいおわらない内に、ばぁんっと戸口をぶっ叩く音がした。銅吉は全身をびくっと震わせた。
「あやかしか。あな恐ろしや。銅吉、私を守って……」
どさくさ紛れににじりよったきた青女房と銅吉の間に、ろくろ首がにゅーっと首を伸ばして割りこんだ。
「あやかしではなさそうですので、銅吉さんでお願いします」
伸ばしたままの首をねじ曲げて、ろくろ首は願った。
「ど、どうしてそれが分かるんだ」
銅吉の質問に、ろくろ首が答えようと口を開いた直後、太助の悪態が戸口越しに聞こえた。
「じゃあいってくる」
裏長屋の揉め事は裏長屋で解決する。銅吉なりの、ささやかな自尊心である。草鞋をはいて、戸を開けた瞬間、一塊になった太助と左門次が広くもない裏長屋の路地で取っくみあいをしている。他の住民達は、遠巻きに眺めていた。
「銅吉さん、良かった。あの二人を何とかしておくれよ」
二人の喧嘩を見守っていた人々の中から、おたみがやってきて銅吉に願った。
いわれずともそのつもりではあった。彼女の小袖のたもとが、土で汚れている。二人の仲裁を試みて、突きとばされるか何かしたのだろう。銅吉は、もはや二人を勘弁できなくなった。
「おいっ、いい加減にしろっ」
転げまわる二人につかつか近より、銅吉はまず一声かけた。
「うるせぇっ、ほっとけ」
太助が、左門次の襟元を締めあげながら喚いた。
「ケガしたくなけりゃ、すっこんでろ」
左門次が、太助の両手首を握りながら叫んだ。
二人はそろって、立ってはおらず横倒しになっている。そこで、まず金左の股間を尻の側から蹴りあげた。
「痛ぇっ」
左門次は太助から手を離し、下顎を突きだして目をつぶった。その首筋に、赤い手形がついている。
銅吉の右手の中に、小判が浮かびでてきた。それを握りしめ、左門次の脇にしゃがんで頬を殴った。手形はあっさりと消え、左門次はぐったりして気絶した。なおも掴みかかろうとする太助に、銅吉は正面から彼の股間を右足の爪先で蹴りつけ、怯んだ隙に彼の首筋を確かめた。やはり、手形がついている。同じ要領で消すと、左門次に覆いかぶさるようにして倒れた。こちらも手形は消え、直後に小判も消えた。傍目には、ただ銅吉が二人を殴って大人しくさせたようにしか見えないだろう。
「さぁ、これで喧嘩は終わりだ。みんな、仕事にもどってくれ」
銅吉が裏長屋の衆に呼びかけると、一同はいっせいに引きあげた。
「銅吉さん、ありがとう」
おたみが、彼らとは正反対に、銅吉へ駆けよった。
「おたみさんこそ。大変だったでしょう。その、お仕事じゃないんですか」
我ながら不粋な台詞になってしまった。
「あたし、今日は非番だから。太助さんと左門次さん、手当てしないで大丈夫かな」
こんなときでも、おたみは二人を気遣った。
「かまやしません。二、三日は小便に困るでしょうが、いい薬です」
銅吉は二人を見おろした。こんなみっともない喧嘩をやらかした原因は、もはや察するまでもない。お淀と秀秋が警告を実行したのは、火を見るより明らかだった。
「おしっこがね、うふふ」
おたみはようやく笑った。決して上品な題材ではないが、それでも、ようやく一区切りがついたような雰囲気になった。
「それより、おたみさんこそ、たもとが……」
「ああ、これね。洗えばすむから」
気丈に振るまいつつも、おたみは顔を赤らめていた。いつも身ぎれいにしていた手前、恥ずかしいのだろう。
「喧嘩の原因に心当たりはありますか」
「ううん、あたしが外にでたらもう始まっていたから」
どのみち、本人達に聞いても要領を得ないに決まっていた。
「そういえば、上坪さんは……」
こんなときに上坪がいれば、丸腰でも二人を引き離すくらいは簡単にできた。
「さぁ。あたしも見かけてない」
「そうですか。ふだんから仲がいい奴らですし、陽気が強くなってきたせいでしょう」
銅吉は、何でもいいから喧嘩の妥当な理由を挙げておかねばならなかった。
直接には、というより表面的には、二人が仲直りすればすむ。あとで裏長屋中に挨拶せねばならないかもしれないが、そこから根に持ったり持たれたりするようなことはない。ただし、それは喧嘩の原因がはっきりしている場合だ。
そうでないと、いつまた喧嘩が再開されるか不安になる。三槌屋の耳にそんな不安が届くと、最悪の場合は喧嘩両成敗で二人とも追放になりかねない。
銅吉は、こんなことで大事な友人二人を失いたくはなかった。まだ明かすことはできないが、お淀と秀秋に対しては一線を越えたと判断せざるを得ない。小判をぶつけるどころか、喉が詰まるまで何枚流しこんでやっても飽きたりない。
「おはよう」
いかにもな口調と声音が横からして、銅吉とおたみは共に振りむいた。上坪が返事を待っているところだ。
「おはようございます」
二人は異口同音にお辞儀した。
「どうしたんだ、二人そろって……待て、太助と左門次か。ケガでもしたのか」
「上坪さん。ちょうどよかった。俺と二人で、こいつらを家にもどしてください」
こういうときに、銅吉からでも気安く頼めるのが、上坪の人柄だった。
「良くは存ぜぬが、いいだろう」
「おたみさんは家で休んでいてください」
「いや、上坪さんにもあたしから説明しときたい」
おたみとしては、喧嘩も終わったのだし、一刻も早くたもとの汚れをどうにかしたいはずだ。にもかかわらず、銅吉や上坪のために残るのは、事情を早く共有するのが裏長屋全体のためだと判断したからに他ならない。
「それなら、立ち話もなんだし、俺の家にくるか。大したもてなしはできないが」
上坪にせよ銅吉にせよ、一人暮らしなのは差し引くとしても、女性の家に気安く上がることは遠慮せねばならない。それに、上坪は世話になったばかりの銅吉に気を遣わねばならない。だからこそ、上坪は素早く提案せねばならず、銅吉もすぐにそれと察した。
「私は構いませんが、おたみさんは」
「あのう……情けないことなんですけど、着物が汚れてしまって」
「ああ、こっちの方がよほど汚れている。だから、気にするな」
上坪からの、冗談を装った気配りだった。いかにも不器用だが、それだけに彼らしい。
「おたみさん、私としても早くいきさつが知りたいです」
銅吉も、上坪に調子をあわせた。
「それなら、まあ……。お二人が一仕事する間に、ちょっとだけ洗っておきます」
路地の端には井戸がある。何もしないよりはましだろう。
「決まりだな。さっそくかかろう」
「はい」
銅吉は太助を、上坪は左門次を、それぞれ担いだ。
そこからは、単純な作業ですんだ。二人が二人を家にもどし、すんだらおたみと合流して上坪の家にいく。あっという間に終わった。
「良く来てくれた。あいにくと、水しか出せぬが勘弁してくれ」
「いえ、とんでもない」
上坪の弁明に、銅吉とおたみは口をそろえて首を横に振った。
「すまん」
上坪は、自分のも含めて三つの湯のみに水を満たして出した。銅吉達は、ごく当たり前に礼を述べて湯のみを受けとった。
「頂きます」
「うむ」
銅吉とおたみは湯のみに口をつけた。上坪も、ちびりと一口飲んだ。
「では、いきさつを聞こう」
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