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二十三、謝罪行脚 一
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銅吉は、夢の中でおみなと会った。場所は松森寺の中庭で、白昼かそれに近い時間帯だ。おみなが意識を取りもどした上に立って歩くとは、本来なら銅吉としても踊りあがって喜ぶところながら、夢の中の彼は無反応だった。薄情なのではなく、ただ一方的に夢の進行につきあわされているだけのことだ。
そのくせ、寺の中庭もおみなもまさに本物として夢に登場していた。十五歳にさえなってないこともあるが、おみなはあいかわらず細く折れそうな手足に窪んだ頬をしている。
「銅吉さん、私のためにお骨折り下さって、とても申し訳なく思います」
上坪の薫陶よろしく、おみなはいつも礼儀正しい。
「いや、まだ何も解決してないし。おみなちゃんこそ、良く頑張ってるじゃないか」
銅吉は、この細く軽い身体が何日も眠ったままなのを、純粋に生きる意志の強さだと確信していた。
「私は、早く起きて父の手伝いをしたいです。父は、一人でご飯にも難儀していることでしょう」
「君のお父さんは、とても頼もしくて立派な人だよ」
「ありがとうございます。でも、父は煮炊きも裁縫も、私に頼りきりなんです」
上坪の意外な……または、想像できそうな……一面を知り、銅吉はつい吹きだしかけた。おたみが食事に招いたのは、案外そうした不得手を見こしてのことかもしれなかった。
「まさか、飢え死にはするまい。それより、自分が誰にこんなことをされたのか、見当はつくかい」
「はっきりとは致しません。ただ、狩衣の後ろ姿だけは覚えております」
これまでの経緯からして、秀秋以外に当てはまる存在はなかろう。
「もうすぐ目が覚めるようにするから、頑張って耐えてくれ」
「こんな風にですか」
おみなの首が細長く真上にのびた。かと思うとすぐに縮み、ろくろ首の顔になった。首から下はおみなのまま。
「わーっ」
自分の悲鳴で、銅吉は目を覚ました。自分の部屋で、布団に入っており、枕元には青女房とろくろ首と猫又が雁首そろえて座っている。
黄昏時だった。残光が室内に大きな影をつけており、あやかし達が日中よりも妙に濃く姿を見せている。
『あたしに感謝しろ』
猫又が、尻尾をゆらゆら振った。
『感謝とは』
『この前にも増していびきがうるさいのに、黙認してやった』
『いや、それは……』
自宅でどれほど大きないびきをかこうと、当人の勝手だろう。
「先ほどは、驚かせて失礼しました」
ろくろ首が軽く頭を下げた。
「そ、そうだ。天井からぶら下がるだなんて悪趣味だし、どんな狙いがあって……」
『ただの冗談に決まっている、おこの痴れ者』
おこの痴れ者とは、愚かな薄ら馬鹿というくらいな意味である。当然ながら、銅吉にも理解できる表現だ。
『そんな冗談を……』
「魂消たのでおじゃる。魂が消えたのどすぇ。だから、私の元に来てたもれ」
青女房は、隙あれば話題を脱魂につなげたがった。
「違うわっ。悪趣味な冗談をやめろって話だ」
「でも、私達は大笑いしました」
ろくろ首が真面目くさって反論した。
「俺は全然面白くない」
『当たり前だ。あれで面白かったら医者に見せねば』
『だったら最初から……』
「銅吉さん、あやかし達を怒らないであげて」
いきなりおみなの声がして、銅吉はぎょっとした。猫又が、顔だけおみなになっている。
「なっ、何なんだ」
「転ばぬ先の魂でおじゃる。おみなちゃんの魂を、一瞬だけ猫又に移したのどす」
「おみなちゃんの魂をおもちゃにするな」
銅吉の抗議に、あやかし達はげらげら笑った。
「何がおかしいっ」
『これら全てが、お淀どもを寄せつけないための仕かけだ』
猫又が、銅吉の……より正確には彼の怒りの……足元をすくった。
『い、一体どんな仕組みなんだ』
『悪霊どもは笑い声や笑顔が苦手だ。だから、笑ったり喜んだりするのは悪霊避けにうってつけだ』
『だからって、あんな連中と張りあえるのか』
『一定の期間、遠ざけ易くはなる。いっておくが、嘲笑ったり、虚仮にしたり、おかしくもないのにわざと笑ったりするのは駄目だ』
『俺は虚仮にされたじゃないか』
『人間とあやかしでは、虚仮の基準が異なる場合もある。だから、気にするな』
気にするなといわれても、いいようにダシにされるのは面白くない。もっとも、本気で腹をたてているのかというと、そうでもない。どちらかというと、疲れているときに小さな子どもにまとわりつかれ、困っているような雰囲気だ。
「おみなの魂は、ちゃんと私が守っているからご安心たもれ」
「俺は立腹したもれたよ」
『まともな言葉を喋れ』
「もういい。そもそも、和尚様が忍びに襲われたときに、さっさと皆で助けたら話は早かっただろ」
「私達のことは、最後まで、なるべく知られないようにしておきたかったのです」
ろくろ首は、改まった口調でいった。
「あの忍びのせいで、状況が大幅に変わりました。もう、絵や生霊でどうにかなることではありません」
続くろくろ首の説明は明快だが、ますます話がややこしくなったようだ。
「どう変わったんだ」
「なるべく八岐大蛇を刺激しない形で、再封印をせねばなりません。ぎりぎりまであやかし同士の干渉はなしです」
「どうせ化け物同士なんだし、お互い干渉しあってるのははなから承知してるんじゃないのか」
『ところがそうでもない。八岐大蛇はまだ封印が解かれたばかりだし。寝ぼけているような状態だから、あたし達が人間に味方していることをはっきりとは知らない』
『それで、八岐大蛇はいまだにお前達がかかわってないと踏んでいる旨を、お前達は確信しているのか』
『今のところはな』
『もしバレたら』
『お淀と秀秋と例の忍びがあたし達と対決する。どっちが勝っても、そのときには、勝ったとしても深手を負わされている』
『つまり、八岐大蛇の再封印どころではなくなるわけか』
「そういうことです」
ろくろ首が、銅吉の見たてに短く賛同した。
確かに、猫又が小判を食べたのは忍びが逃げたあとではある。
「そうだ、あの忍び、小判が当たっていたら手形が消えたんだろう」
いささか間の抜けたずれになったが、銅吉は非常に重要な推察を……正確にはそれをあやかし達に告げるという仕事を……果たした。
『いいや、無理だ。それは、あたしからも二人に伝えた』
『どういうことなんだ。効き目がなくなったのか』
ある意味で、上坪と互角の力だと踏んでいただけに、困惑を隠せなかった。
『あのとき、お前は必死ではあったが動揺もしていた。だから、力が弱まった。そして、あの忍びはお淀や秀秋より強い力を授かっている』
『強い……授かる』
その言葉に、銅吉はより凶悪な可能性を想像せずにはいられなかった。
『八岐大蛇は、お淀や秀秋には、わざと少し弱めた力を預けた。しょせんは亡霊だからだ。あの忍びは、生身の人間だし、ずば抜けて強い。だから、強い力を帯びさせた』
『すると……八岐大蛇の力は無限大じゃないってことか』
無限大なら、誰に対しても最高の力を与えればすむ。
『当たり前だ。それに加えて、目覚めて間もないという事情だってある。こうなるとお淀や秀秋は、小手調べのかませ犬だ』
『なら、そう教えてくれといたらよかったじゃないか』
「私達の調べる力もまた、無限大ではないということですよ」
ろくろ首が、穏やかに銅吉の疑念を癒やした。
『お前達のおかげで、お淀ら以外に八岐大蛇の配下がいるとはっきりした。そこは、認めておく』
『待て。じゃあ、お前はそれをあぶりだしたくて俺達をつけていたのか』
『今ごろ気づいたか』
「ダシは干物に限りますぇ」
青女房は、茶碗にいれた味噌汁を一口すすった。ご丁寧にも膳まで構えている。茶碗も膳も銅吉の物だ。
「い、いつの間に」
「話が長引きそうだから、ここのお味噌と煮干しを使わせてもらったでおじゃる。素朴ながらも美味なり」
「ふざけるな。人の貯えを……」
「青女房、銅吉の立場にかけてダシを使った駄洒落はつまらなかったです」
ろくろ首が容赦なく裁定した。
「うたてしやな」
情けないというくらいな意味だ。青女房は、茶碗を膳に置いてから嘆息した。
「猫又がついていると知ってしまったら、銅吉さんが余計な緊張をして、忍びに感づかれたかもしれないでしょう」
ろくろ首の説明に、銅吉はしぶしぶながらも納得し、それはしばしの沈黙をもたらした。
そのくせ、寺の中庭もおみなもまさに本物として夢に登場していた。十五歳にさえなってないこともあるが、おみなはあいかわらず細く折れそうな手足に窪んだ頬をしている。
「銅吉さん、私のためにお骨折り下さって、とても申し訳なく思います」
上坪の薫陶よろしく、おみなはいつも礼儀正しい。
「いや、まだ何も解決してないし。おみなちゃんこそ、良く頑張ってるじゃないか」
銅吉は、この細く軽い身体が何日も眠ったままなのを、純粋に生きる意志の強さだと確信していた。
「私は、早く起きて父の手伝いをしたいです。父は、一人でご飯にも難儀していることでしょう」
「君のお父さんは、とても頼もしくて立派な人だよ」
「ありがとうございます。でも、父は煮炊きも裁縫も、私に頼りきりなんです」
上坪の意外な……または、想像できそうな……一面を知り、銅吉はつい吹きだしかけた。おたみが食事に招いたのは、案外そうした不得手を見こしてのことかもしれなかった。
「まさか、飢え死にはするまい。それより、自分が誰にこんなことをされたのか、見当はつくかい」
「はっきりとは致しません。ただ、狩衣の後ろ姿だけは覚えております」
これまでの経緯からして、秀秋以外に当てはまる存在はなかろう。
「もうすぐ目が覚めるようにするから、頑張って耐えてくれ」
「こんな風にですか」
おみなの首が細長く真上にのびた。かと思うとすぐに縮み、ろくろ首の顔になった。首から下はおみなのまま。
「わーっ」
自分の悲鳴で、銅吉は目を覚ました。自分の部屋で、布団に入っており、枕元には青女房とろくろ首と猫又が雁首そろえて座っている。
黄昏時だった。残光が室内に大きな影をつけており、あやかし達が日中よりも妙に濃く姿を見せている。
『あたしに感謝しろ』
猫又が、尻尾をゆらゆら振った。
『感謝とは』
『この前にも増していびきがうるさいのに、黙認してやった』
『いや、それは……』
自宅でどれほど大きないびきをかこうと、当人の勝手だろう。
「先ほどは、驚かせて失礼しました」
ろくろ首が軽く頭を下げた。
「そ、そうだ。天井からぶら下がるだなんて悪趣味だし、どんな狙いがあって……」
『ただの冗談に決まっている、おこの痴れ者』
おこの痴れ者とは、愚かな薄ら馬鹿というくらいな意味である。当然ながら、銅吉にも理解できる表現だ。
『そんな冗談を……』
「魂消たのでおじゃる。魂が消えたのどすぇ。だから、私の元に来てたもれ」
青女房は、隙あれば話題を脱魂につなげたがった。
「違うわっ。悪趣味な冗談をやめろって話だ」
「でも、私達は大笑いしました」
ろくろ首が真面目くさって反論した。
「俺は全然面白くない」
『当たり前だ。あれで面白かったら医者に見せねば』
『だったら最初から……』
「銅吉さん、あやかし達を怒らないであげて」
いきなりおみなの声がして、銅吉はぎょっとした。猫又が、顔だけおみなになっている。
「なっ、何なんだ」
「転ばぬ先の魂でおじゃる。おみなちゃんの魂を、一瞬だけ猫又に移したのどす」
「おみなちゃんの魂をおもちゃにするな」
銅吉の抗議に、あやかし達はげらげら笑った。
「何がおかしいっ」
『これら全てが、お淀どもを寄せつけないための仕かけだ』
猫又が、銅吉の……より正確には彼の怒りの……足元をすくった。
『い、一体どんな仕組みなんだ』
『悪霊どもは笑い声や笑顔が苦手だ。だから、笑ったり喜んだりするのは悪霊避けにうってつけだ』
『だからって、あんな連中と張りあえるのか』
『一定の期間、遠ざけ易くはなる。いっておくが、嘲笑ったり、虚仮にしたり、おかしくもないのにわざと笑ったりするのは駄目だ』
『俺は虚仮にされたじゃないか』
『人間とあやかしでは、虚仮の基準が異なる場合もある。だから、気にするな』
気にするなといわれても、いいようにダシにされるのは面白くない。もっとも、本気で腹をたてているのかというと、そうでもない。どちらかというと、疲れているときに小さな子どもにまとわりつかれ、困っているような雰囲気だ。
「おみなの魂は、ちゃんと私が守っているからご安心たもれ」
「俺は立腹したもれたよ」
『まともな言葉を喋れ』
「もういい。そもそも、和尚様が忍びに襲われたときに、さっさと皆で助けたら話は早かっただろ」
「私達のことは、最後まで、なるべく知られないようにしておきたかったのです」
ろくろ首は、改まった口調でいった。
「あの忍びのせいで、状況が大幅に変わりました。もう、絵や生霊でどうにかなることではありません」
続くろくろ首の説明は明快だが、ますます話がややこしくなったようだ。
「どう変わったんだ」
「なるべく八岐大蛇を刺激しない形で、再封印をせねばなりません。ぎりぎりまであやかし同士の干渉はなしです」
「どうせ化け物同士なんだし、お互い干渉しあってるのははなから承知してるんじゃないのか」
『ところがそうでもない。八岐大蛇はまだ封印が解かれたばかりだし。寝ぼけているような状態だから、あたし達が人間に味方していることをはっきりとは知らない』
『それで、八岐大蛇はいまだにお前達がかかわってないと踏んでいる旨を、お前達は確信しているのか』
『今のところはな』
『もしバレたら』
『お淀と秀秋と例の忍びがあたし達と対決する。どっちが勝っても、そのときには、勝ったとしても深手を負わされている』
『つまり、八岐大蛇の再封印どころではなくなるわけか』
「そういうことです」
ろくろ首が、銅吉の見たてに短く賛同した。
確かに、猫又が小判を食べたのは忍びが逃げたあとではある。
「そうだ、あの忍び、小判が当たっていたら手形が消えたんだろう」
いささか間の抜けたずれになったが、銅吉は非常に重要な推察を……正確にはそれをあやかし達に告げるという仕事を……果たした。
『いいや、無理だ。それは、あたしからも二人に伝えた』
『どういうことなんだ。効き目がなくなったのか』
ある意味で、上坪と互角の力だと踏んでいただけに、困惑を隠せなかった。
『あのとき、お前は必死ではあったが動揺もしていた。だから、力が弱まった。そして、あの忍びはお淀や秀秋より強い力を授かっている』
『強い……授かる』
その言葉に、銅吉はより凶悪な可能性を想像せずにはいられなかった。
『八岐大蛇は、お淀や秀秋には、わざと少し弱めた力を預けた。しょせんは亡霊だからだ。あの忍びは、生身の人間だし、ずば抜けて強い。だから、強い力を帯びさせた』
『すると……八岐大蛇の力は無限大じゃないってことか』
無限大なら、誰に対しても最高の力を与えればすむ。
『当たり前だ。それに加えて、目覚めて間もないという事情だってある。こうなるとお淀や秀秋は、小手調べのかませ犬だ』
『なら、そう教えてくれといたらよかったじゃないか』
「私達の調べる力もまた、無限大ではないということですよ」
ろくろ首が、穏やかに銅吉の疑念を癒やした。
『お前達のおかげで、お淀ら以外に八岐大蛇の配下がいるとはっきりした。そこは、認めておく』
『待て。じゃあ、お前はそれをあぶりだしたくて俺達をつけていたのか』
『今ごろ気づいたか』
「ダシは干物に限りますぇ」
青女房は、茶碗にいれた味噌汁を一口すすった。ご丁寧にも膳まで構えている。茶碗も膳も銅吉の物だ。
「い、いつの間に」
「話が長引きそうだから、ここのお味噌と煮干しを使わせてもらったでおじゃる。素朴ながらも美味なり」
「ふざけるな。人の貯えを……」
「青女房、銅吉の立場にかけてダシを使った駄洒落はつまらなかったです」
ろくろ首が容赦なく裁定した。
「うたてしやな」
情けないというくらいな意味だ。青女房は、茶碗を膳に置いてから嘆息した。
「猫又がついていると知ってしまったら、銅吉さんが余計な緊張をして、忍びに感づかれたかもしれないでしょう」
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