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二十二、仕切り直し 二
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彼がお淀や秀秋を嫌悪するのは、これまでにも充分な根拠があった。さっきの忍びで、ついに取りかえしがきかないほどの水準に達した。もはや憎悪に近い。あの二人が、おめおめ八岐大蛇の手先になっているからだけではない。裏長屋の人々に悪影響を与えているからだけでもない。
もっとも重大なのは、とっくに過去の彼方に消えさった分際で、現在生きている人々を操ろうとしていることだ。生者が行うのさえ許しがたいのに、いわんや死者においてをや。
死者にまつわる記録を知って、当人の業績や事跡に影響されるのはごく当たり前にある。だが、死に損ないが生者の世界に干渉するのは、筋違い以外の何者でもない。
銅吉とて、今の世の中に不満がないわけではない。原因のいくばくかは、上坪が語った内容と同じだ。つまり、金にせよ、土地にせよ、持つ者だけが膨れあがっていき、持たざる者はその真反対という現実。何をどうしようが、銭あればこそだ。
彼には、そんな世間をどうこうするという気概はない。しかし、毎朝毎朝隣近所で喧嘩が起きて、その度に仲裁させられると思うとげんなりする。
決して勇ましい人間でもなければ気宇壮大でもないが、銅吉に脅しをかけるのは逆効果でしかなかった。
それを踏まえた上で、なお、銅吉はこの世界を自分で把握しているよりずっと気に入っていた。だからこそ、八岐大蛇がいようがいまいが、お淀らの目論見をくじいてやると決めている。とはいえ、忍びとは夢想だにしていなかった。あやかし達の段取りも、修正を余儀なくされそうだ。
差し当たり、茶と団子で、消耗はそれなりに収まってきた。
「念のためながら、忍びを雇った者と八岐大蛇の封印を解いた者は、一つの陣営と推定して構わないだろうか」
上坪が、輪快に尋ねた。
「問題なかろう。銭を相当蓄えている一方、今の世のあり方に何かしら不満を抱えている人々か……いや、あるいは……もっと厄介かも」
輪快は、とうに底をついた湯のみを、両手の間で揉むように動かした。
「もっと厄介とは、たとえばどんな人々でしょう」
銅吉は、はっきりさせずにはいられなかった。
「世の中をもてあそぶことで銭をもうける手あいじゃ。申しておくが、三槌屋がそうだと主張するつもりはないぞ」
「はい、存じております」
三槌屋は、いささか怪しげな印象を受けることもあるが、人道も商道も外したことはない。このご時世なだけに、大なり小なり田沼政治の末端にかかわりはするだろうが。
その時、三槌屋にもおみなと同じ影がつきまとっていたのを思いだした。三槌屋の体調や人格が急変したとは聞かない。猫又達が助けたのでもない。何もないなら、猫又の忠告通り、放っておくしかないが……。
商道といえば、銅吉は、作品のために様々な文献の内容を頭に納めてきた。彼の見識からすれば、むしろ子どものように無邪気な人間こそ、何の悪意もなく輪快が危惧したような干渉を実行したがる。いや、当人は善意とすら認識しておりかねない。
「口を割るかどうかはともかく、忍びは生け捕りにしたかった」
上坪が、珍しくも愚痴めかして残念がった。
「いやいや、足るを知るべし。一度にすべてを望むのは欲がすぎよう」
輪快が、慰労かたがたやんわりと諭した。
「あの忍びは、最後に軽く血を流していました。そこをたどるとはいかないでしょうか」
「手で抑えればすぐに止まるような程度だった。その辺のゴロツキならともかく、それほど期待できまい」
上坪は否定したが、輪快は顎を軽く右手でさすった。
「上坪殿の説明によれば、忍びは裸に近い格好になったということだな」
「その通り」
「では、そのままの姿で街へいくのは馬鹿げている。つまり、誰にもみとがめられずに身なりを整える必要がある」
「ならば、いっそ山に入って炭焼きでも襲うか」
「うむ。大雑把にかんがえて、北から北西か」
南は海、東は街、西は街道である。案外、絞られてしまうものだ。それに、輪快を狙うということは、江戸に在住する人間の可能性が高い。
「二日も三日も雇い主から隔たるのは、忍びの立場からすれば面白くないでしょう。そこを想定して……」
「追いつめようといいたいのだろうが、まずは帰るぞ」
かつての師匠なだけに、輪快は、銅吉の心理を簡単に見ぬいた。
「俺は輪快殿とお前の護衛で手がいっぱいだし、忍びの仲間がいないとも限らぬ。だから、ここは引くしかない」
上坪も、輪快の意見を補強した。
「はい、おっしゃる通りです」
素直にうなずきつつ、銅吉は確信に近い手応えを実感していた。猫又に血の臭いをたどらせればいい。忍びも多少の偽装はほどこすだろうが、方角の見当がついていれば、すぐ見破ることができるだろう。
「銅吉、具合はどうじゃ」
「お陰様で、すっかり回復しました。和尚様はいかがでしょうか」
「わしならとうに問題ない。ぼつぼつ帰ろう。あとのことは、思案をまとめておくから、明日にでも松森寺へきて欲しい」
「賛成だ」
「かしこまりました」
茶も団子も飲み食いをすませた。ここは、仕切り直しが必要だろう。
茶菓子代は、輪快がまとめて払った。銅吉も上坪も自分の分は出すつもりでいたが、助けてもらったのだからこのくらいはさせろと輪快が頼んだので甘えることになった。
こうして、銅吉は上坪や輪快とともに復路についた。
実のところ、方針が腹の中で固まったからには、別行動をとって猫又と合流して……と一人で進んでいきたい。実際にそんなことをすれば、自分の力を明確にせざるを得ない。上坪や輪快の立場は台無しになる。つまり、不可能だ。
「お淀が、お江戸全体といわず、この宿場の賑わいだけにでも触れたら、何と思ったでしょうね」
銅吉は、あいかわらず炊煙や呼びこみがひっきりない様子について二人に聞いた。
「嫉妬するだろうな。自分の力では、結局、大阪城を灰燼に帰する以外のことができなかったのだから」
上坪が答えた。夏の陣で落城した大阪城を再築したのは、二代将軍秀忠である。ちなみに大阪屈指の交易都市・堺は豊臣方の武将であった大野道犬によって焼き討ちされ、これも幕府が再建している。
「それでも、自らの過ちを直したりはしないじゃろう」
輪快が続けて述べた。確かに、そんな殊勝な心がけがあれば、悪霊になって出てきたりはしない。
「栄枯盛衰とはいえ、然るべき理由があって滅んだんですよね」
銅吉がまとめると、二人はそろってうなずいた。
お淀の伯父にあたる織田信長は、人間五十年という幸若舞の一節を好んだという。人の一生など短くもはかないものだというくらいな意味だが、お淀のそれを鑑みると皮肉な同意を禁じえない。秀秋に至っては論外である。
そこからは、帰り道をあっさりと消化できた。品川の街にさしかかると、輪快は簡潔に別れを告げて松森寺へ去り、それからすぐに銅吉と上坪も裏長屋へたどりついた。そこでも、輪快と同様、短く言葉が交わされただけだった。
「ただいま」
「お帰り」
上下逆さになったろくろ首の顔が、天井からだらーんと垂れて銅吉に挨拶した。彼は無言で戸を閉めた。
昼を少しすぎたところだし、飯でも炊くかと思ってかまどを見た。
「お前様、ご飯でおじゃるか。それとも湯浴みでおじゃるか。または……魂を抜いてほしいのどすぇ」
部屋から青女房が声をかけた。
「ぎゃあーっ」
「どうして私に驚かずに青女房に驚くんですか」
ろくろ首が、逆さになったままの顔で憤慨した。
「疲れてて、すぐにはお前のことを頭が受けつけなかったから……ぎゃあーっ」
ようやく、ろくろ首が天井に逆さにたっていることを銅吉は気づいた。
『お前、やっぱり驚くのが趣味だな』
かまどにかかった飯釜の蓋を頭で押し開けて、猫又が断定した。それだけでなく、蓋をかぶったままくねくね腰を揺らしている。
銅吉は、その場で失神し、倒れてしまった。
もっとも重大なのは、とっくに過去の彼方に消えさった分際で、現在生きている人々を操ろうとしていることだ。生者が行うのさえ許しがたいのに、いわんや死者においてをや。
死者にまつわる記録を知って、当人の業績や事跡に影響されるのはごく当たり前にある。だが、死に損ないが生者の世界に干渉するのは、筋違い以外の何者でもない。
銅吉とて、今の世の中に不満がないわけではない。原因のいくばくかは、上坪が語った内容と同じだ。つまり、金にせよ、土地にせよ、持つ者だけが膨れあがっていき、持たざる者はその真反対という現実。何をどうしようが、銭あればこそだ。
彼には、そんな世間をどうこうするという気概はない。しかし、毎朝毎朝隣近所で喧嘩が起きて、その度に仲裁させられると思うとげんなりする。
決して勇ましい人間でもなければ気宇壮大でもないが、銅吉に脅しをかけるのは逆効果でしかなかった。
それを踏まえた上で、なお、銅吉はこの世界を自分で把握しているよりずっと気に入っていた。だからこそ、八岐大蛇がいようがいまいが、お淀らの目論見をくじいてやると決めている。とはいえ、忍びとは夢想だにしていなかった。あやかし達の段取りも、修正を余儀なくされそうだ。
差し当たり、茶と団子で、消耗はそれなりに収まってきた。
「念のためながら、忍びを雇った者と八岐大蛇の封印を解いた者は、一つの陣営と推定して構わないだろうか」
上坪が、輪快に尋ねた。
「問題なかろう。銭を相当蓄えている一方、今の世のあり方に何かしら不満を抱えている人々か……いや、あるいは……もっと厄介かも」
輪快は、とうに底をついた湯のみを、両手の間で揉むように動かした。
「もっと厄介とは、たとえばどんな人々でしょう」
銅吉は、はっきりさせずにはいられなかった。
「世の中をもてあそぶことで銭をもうける手あいじゃ。申しておくが、三槌屋がそうだと主張するつもりはないぞ」
「はい、存じております」
三槌屋は、いささか怪しげな印象を受けることもあるが、人道も商道も外したことはない。このご時世なだけに、大なり小なり田沼政治の末端にかかわりはするだろうが。
その時、三槌屋にもおみなと同じ影がつきまとっていたのを思いだした。三槌屋の体調や人格が急変したとは聞かない。猫又達が助けたのでもない。何もないなら、猫又の忠告通り、放っておくしかないが……。
商道といえば、銅吉は、作品のために様々な文献の内容を頭に納めてきた。彼の見識からすれば、むしろ子どものように無邪気な人間こそ、何の悪意もなく輪快が危惧したような干渉を実行したがる。いや、当人は善意とすら認識しておりかねない。
「口を割るかどうかはともかく、忍びは生け捕りにしたかった」
上坪が、珍しくも愚痴めかして残念がった。
「いやいや、足るを知るべし。一度にすべてを望むのは欲がすぎよう」
輪快が、慰労かたがたやんわりと諭した。
「あの忍びは、最後に軽く血を流していました。そこをたどるとはいかないでしょうか」
「手で抑えればすぐに止まるような程度だった。その辺のゴロツキならともかく、それほど期待できまい」
上坪は否定したが、輪快は顎を軽く右手でさすった。
「上坪殿の説明によれば、忍びは裸に近い格好になったということだな」
「その通り」
「では、そのままの姿で街へいくのは馬鹿げている。つまり、誰にもみとがめられずに身なりを整える必要がある」
「ならば、いっそ山に入って炭焼きでも襲うか」
「うむ。大雑把にかんがえて、北から北西か」
南は海、東は街、西は街道である。案外、絞られてしまうものだ。それに、輪快を狙うということは、江戸に在住する人間の可能性が高い。
「二日も三日も雇い主から隔たるのは、忍びの立場からすれば面白くないでしょう。そこを想定して……」
「追いつめようといいたいのだろうが、まずは帰るぞ」
かつての師匠なだけに、輪快は、銅吉の心理を簡単に見ぬいた。
「俺は輪快殿とお前の護衛で手がいっぱいだし、忍びの仲間がいないとも限らぬ。だから、ここは引くしかない」
上坪も、輪快の意見を補強した。
「はい、おっしゃる通りです」
素直にうなずきつつ、銅吉は確信に近い手応えを実感していた。猫又に血の臭いをたどらせればいい。忍びも多少の偽装はほどこすだろうが、方角の見当がついていれば、すぐ見破ることができるだろう。
「銅吉、具合はどうじゃ」
「お陰様で、すっかり回復しました。和尚様はいかがでしょうか」
「わしならとうに問題ない。ぼつぼつ帰ろう。あとのことは、思案をまとめておくから、明日にでも松森寺へきて欲しい」
「賛成だ」
「かしこまりました」
茶も団子も飲み食いをすませた。ここは、仕切り直しが必要だろう。
茶菓子代は、輪快がまとめて払った。銅吉も上坪も自分の分は出すつもりでいたが、助けてもらったのだからこのくらいはさせろと輪快が頼んだので甘えることになった。
こうして、銅吉は上坪や輪快とともに復路についた。
実のところ、方針が腹の中で固まったからには、別行動をとって猫又と合流して……と一人で進んでいきたい。実際にそんなことをすれば、自分の力を明確にせざるを得ない。上坪や輪快の立場は台無しになる。つまり、不可能だ。
「お淀が、お江戸全体といわず、この宿場の賑わいだけにでも触れたら、何と思ったでしょうね」
銅吉は、あいかわらず炊煙や呼びこみがひっきりない様子について二人に聞いた。
「嫉妬するだろうな。自分の力では、結局、大阪城を灰燼に帰する以外のことができなかったのだから」
上坪が答えた。夏の陣で落城した大阪城を再築したのは、二代将軍秀忠である。ちなみに大阪屈指の交易都市・堺は豊臣方の武将であった大野道犬によって焼き討ちされ、これも幕府が再建している。
「それでも、自らの過ちを直したりはしないじゃろう」
輪快が続けて述べた。確かに、そんな殊勝な心がけがあれば、悪霊になって出てきたりはしない。
「栄枯盛衰とはいえ、然るべき理由があって滅んだんですよね」
銅吉がまとめると、二人はそろってうなずいた。
お淀の伯父にあたる織田信長は、人間五十年という幸若舞の一節を好んだという。人の一生など短くもはかないものだというくらいな意味だが、お淀のそれを鑑みると皮肉な同意を禁じえない。秀秋に至っては論外である。
そこからは、帰り道をあっさりと消化できた。品川の街にさしかかると、輪快は簡潔に別れを告げて松森寺へ去り、それからすぐに銅吉と上坪も裏長屋へたどりついた。そこでも、輪快と同様、短く言葉が交わされただけだった。
「ただいま」
「お帰り」
上下逆さになったろくろ首の顔が、天井からだらーんと垂れて銅吉に挨拶した。彼は無言で戸を閉めた。
昼を少しすぎたところだし、飯でも炊くかと思ってかまどを見た。
「お前様、ご飯でおじゃるか。それとも湯浴みでおじゃるか。または……魂を抜いてほしいのどすぇ」
部屋から青女房が声をかけた。
「ぎゃあーっ」
「どうして私に驚かずに青女房に驚くんですか」
ろくろ首が、逆さになったままの顔で憤慨した。
「疲れてて、すぐにはお前のことを頭が受けつけなかったから……ぎゃあーっ」
ようやく、ろくろ首が天井に逆さにたっていることを銅吉は気づいた。
『お前、やっぱり驚くのが趣味だな』
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