異世界転生×ユニークスキル 地球ショッピングで無双する!?【感謝!第四章 大陸への戦火 開幕!】

月神世一

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第二章 マルシア帝国へ

EP 18

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英雄たちの報酬と新たな階梯

グリフィンの巨体が完全に沈黙し、その首がイグニスの戦斧によって断ち切られた瞬間、森にはしばしの静寂が訪れた。そして、それを破るかのように、四人の若者たちの歓喜の雄叫びが響き渡った。

「やった……! やったぞ、みんな!」

勇太は、まだ硝煙の匂いが残るグロック20を握りしめたまま、仲間たちと顔を見合わせ、満面の笑みを浮かべた。

「ユウタさん、すごかったです! あの最後の連携!」

「リーシャさんの魔法と、イグニスさんの突進も!」

リーシャとキャルルは、興奮と安堵感からか、両側から勇太に抱きついた。柔らかい感触と、それぞれの良い香りに包まれ、勇太は顔を真っ赤にして照れるしかなかった。

「お、おい、二人とも……!」

「へっへっへ! 俺様のイグニス・ブレイクも伊達じゃねえってことだ! ま、ユウタのあの鉄砲と、キャルルのファインプレーが無けりゃ、どうなってたか分からねえがな!」

イグニスは、二人の様子をニヤニヤと見ながらも、素直に仲間たちの活躍を認めている。

「さ、さてと、いつまでもこうしてはいられない。素材を集めないとな」

勇太は、気を取り直すように咳払いをし、現実的な作業を促した。グリフィンほどの魔獣だ、きっと貴重な素材が取れるはずだ。

勇太達は素材を集め始めた。グリフィンの巨大な風切羽、鋭い爪や嘴、そして体内に残っていたであろう魔石。ゴールドゴブリンはグリフィンの下敷きになってほとんど潰れてしまっていたが、彼が持っていた奇妙な笛や、いくつかの金目の装飾品は見つかった。

「これだけあれば、かなりの量ですね」

キャルルが、山積みになった素材を見て目を丸くする。

「ふふん、ポーチのお陰で楽ちん楽ちんですよ!」

彼女は、先日手に入れたばかりのマジックボックスに、次々と素材を収納していく。あれだけ嵩張っていた素材が、小さなポーチの中に吸い込まれていく様は、何度見ても不思議だ。

「金貨7枚か……。あっという間に元は取れたな、こりゃ」

イグニスが、グリフィンの素材の価値を思い浮かべ、満足そうに頷く。

「ええ、これだけの素材なら、ギルドも高く買い取ってくれるでしょう。さぁ、街に帰りましょう。報告と、それから……ちゃんとしたベッドで眠りたいわ」

リーシャも、疲労の色を隠せずに微笑んだ。

帝都アウストラの冒険者ギルド「ラックギオン」に勇太達が帰還し、カウンターに山のようなグリフィンの素材(と、ついでにゴブリン討伐の証拠品である耳をいくつか)をドサリと置いた時、ギルド内は再び水を打ったような静けさに包まれた。そして次の瞬間、爆発的な喧騒が巻き起こった。

「お、おい、あれは……グリフィンの羽じゃないか!?」

「まさか、あの若造たちがグリフィンを……!?」

「ゴールドゴブリンだけでも手に余るって話だったのに……」

受付のフォミナは、最初は何事かと目を丸くしていたが、勇太が淡々と討伐の経緯(仲間たちとの華麗な連携を強調して)を報告し、リーシャがグリフィンの魔石をカウンターに置くと、その顔から血の気が引いていくのが分かった。

「ゴールドゴブリンだけじゃなく、グリフィン迄!? し、少々お待ちください! すぐに鑑定長とギルドマスターに報告いたします!」

彼女は慌てて奥へと駆け込んでいった。

その後は、前回同様、ギルドを挙げての大騒ぎとなった。鑑定士たちが素材の質の高さに唸り、調査隊が(念のため)討伐現場の確認に向かい、そして数時間後、ついにフォミナが正式な結果を持って勇太たちの元へやってきた。その顔は、興奮と畏敬の念で上気している。

「ホープ・クローバーズの皆様! この度は、筆舌に尽くしがたい大手柄、誠に……誠に、お見事でございました!」

フォミナは深々と頭を下げた。

「ギルドの裁定が出ました! ゴールドゴブリン及び魔獣グリフィンの討伐は、Dランクの範疇を遥かに超える、特A級の功績と認定されました! よって、パーティーランクをDランクから、一気に特進の……Cランクへと昇格させていただきます!」

「「「おおっ!」」」

「さらに! 今回の討伐報酬、及び素材の高額買い取りを含めまして……金貨50枚をお支払いいたします!」

「き、金貨50枚ぃ!?」

イグニスが目を剥き、キャルルは嬉しさのあまり勇太の腕に再び抱きついた。リーシャも、その金額にはさすがに驚きを隠せないようだ。

勇太達は、その破格の報酬と予想以上のランクアップに、しばらく言葉も出ないほど喜んだ。金貨50枚といえば、ルナキャロット村が数年かけても稼げるかどうかという大金だ。

「これで……『家を買う』っていう目標に、大きく近づいたな……!」

勇太は、ずっしりと重い金貨の袋を手に、仲間たちの笑顔を見つめた。帝都アウストラでの冒険は、まだ始まったばかり。だが、彼らは確かに、大きな一歩を踏み出したのだった。

その夜、イージーブロンズ亭の一室では、ささやかな、しかし達成感に満ちた祝勝会が開かれたのは言うまでもない。

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