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EP 49
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再びダンジョンの前で、立場逆転の舌戦
S級クエストの受注を正式に済ませた真守たちは、万全の態勢で再び「妖精女王の悪戯」の入り口へとやってきた。そこには、やはりというか、エルドラド王国騎士団「獅子心隊」が、前回よりもさらに物々しい雰囲気で陣を敷いていた。
真守たちの姿を認めると、一人の騎士が慌てて報告に走り、すぐにレオパルド隊長が苦虫を噛み潰したような顔で現れた。
しかし、彼の態度は前回とは明らかに違っていた。内心の悔しさを押し殺し、作り笑いを浮かべて近づいてくる。
「いやいや、マモル殿。皆様もお揃いで。この度は、Cランクへの御昇級、誠におめでとうございます。さすがはプラチナ商人と、その仲間たちですな」
その言葉は丁寧だが、棘があるのは誰の目にも明らかだった。
「どうも、レオパルド隊長」真守は、臆することなく応じた。「ところで、隊長殿は随分とお忙しいようだ。ずっと、このダンジョンの前で門番でもなさっているのですか?」
純粋な疑問を装った、しかし痛烈な皮肉。レオパルドの額にピクリと青筋が浮かぶ。
「……我々は、このS級ダンジョンの安全管理と、内部の調査を王国から任されているのだ!貴殿らのような新米冒険者が軽々しく足を踏み入れる場所ではない!」
「ほう? であれば、勇敢なる獅子心隊の皆様が、我々に先んじてダンジョンを攻略されてもよろしいのでは?」
デュラスが、追い打ちをかけるように冷ややかに言った。
「くっ……!」レオパルドは言葉に詰まる。「そ、それは……!内部の構造やモンスターの生態など、万全の調査を行い、兵士たちの安全を確保した上でなければ、無闇な突入はできん!それが民を守る騎士団の務めだ!」
大義名分を並べ立てるが、その声には焦りの色が隠せない。
デュラスは、その様子を見て、ふっと鼻で笑った。
「なるほど、流石は隊長殿だ。部下たちの安全……そして何より、ご自身の安全を守ることには、随分と熱心でいらっしゃるようだ」
その言葉は、レオパルドの騎士としてのプライドを、的確に、そして深く抉った。
「……では、レオパルド隊長」
今度は真守が、とどめを刺すように言った。
「我々は、あなた方が『万全の調査』を終えるのを待っていると、いつまで経ってもダンジョンに入れないようですので。お先に、次のお宝を頂きに参ります。引き続き、入り口の『安全管理』のほど、よろしくお願いいたしますよ」
真守はそう言うと、レオパルドににっこりと人の良い笑みを向け、仲間たちに合図した。
「さあ、行こうか、みんな」
「はい、マモル様!」
「ええ!」
「ふん、始めるとしようか」
真守たちは、悔しさに顔を引きつらせ、何も言い返せないレオパルド隊長とその部下たちを尻目に、悠々とダンジョンの入り口へと足を踏み入れていった。
その背中に、一部の若い騎士たちから、羨望とも畏敬ともつかぬ視線が送られていることに、真守は気づいていたかもしれない。
――ダンジョン内部、最初の広間。
ひんやりとした空気に包まれ、真守たちが一息つくと、フィリアがクスクスと笑い出した。
「ふふっ。マモル、なんだか最近、デュラスさんみたいに少し毒舌になってきたわね」
「本当ですわ。ですが……正直、少しだけ、スカッといたしました」
エルミナも、聖騎士らしからぬ本音をぽろりとこぼし、はにかんだ。
真守は、やれやれといった表情で頭を掻いた。
「いやいや、俺はデュラスほど性格悪くないって。でも、やられっぱなしで黙ってるのは、性に合わないんでね」
「ふん、私に似てきたとは心外だが、あれくらいの駆け引きができなければ、この先、出過ぎた杭として立っていくことはできんぞ」
デュラスは満足げにそう言った。
前回の遭遇とは、明らかに違う。
実績と、地位と、そして何より揺るぎない仲間との絆。それらが、真守に理不尽な権力と対等に渡り合うための自信を与えていた。
「さて、と」真守は、新たな相棒「王帝」を構え直し、未知なる第二階層へと続く通路を見据えた。「おしゃべりはここまでだ。騎士団のお偉いさんたちが諦めて帰る前に、さっさとクリアして、また度肝を抜いてやろうぜ!」
その言葉に、三人の仲間たちは力強く頷き返した。
彼らの新たな冒険が、今、再び始まる。
S級クエストの受注を正式に済ませた真守たちは、万全の態勢で再び「妖精女王の悪戯」の入り口へとやってきた。そこには、やはりというか、エルドラド王国騎士団「獅子心隊」が、前回よりもさらに物々しい雰囲気で陣を敷いていた。
真守たちの姿を認めると、一人の騎士が慌てて報告に走り、すぐにレオパルド隊長が苦虫を噛み潰したような顔で現れた。
しかし、彼の態度は前回とは明らかに違っていた。内心の悔しさを押し殺し、作り笑いを浮かべて近づいてくる。
「いやいや、マモル殿。皆様もお揃いで。この度は、Cランクへの御昇級、誠におめでとうございます。さすがはプラチナ商人と、その仲間たちですな」
その言葉は丁寧だが、棘があるのは誰の目にも明らかだった。
「どうも、レオパルド隊長」真守は、臆することなく応じた。「ところで、隊長殿は随分とお忙しいようだ。ずっと、このダンジョンの前で門番でもなさっているのですか?」
純粋な疑問を装った、しかし痛烈な皮肉。レオパルドの額にピクリと青筋が浮かぶ。
「……我々は、このS級ダンジョンの安全管理と、内部の調査を王国から任されているのだ!貴殿らのような新米冒険者が軽々しく足を踏み入れる場所ではない!」
「ほう? であれば、勇敢なる獅子心隊の皆様が、我々に先んじてダンジョンを攻略されてもよろしいのでは?」
デュラスが、追い打ちをかけるように冷ややかに言った。
「くっ……!」レオパルドは言葉に詰まる。「そ、それは……!内部の構造やモンスターの生態など、万全の調査を行い、兵士たちの安全を確保した上でなければ、無闇な突入はできん!それが民を守る騎士団の務めだ!」
大義名分を並べ立てるが、その声には焦りの色が隠せない。
デュラスは、その様子を見て、ふっと鼻で笑った。
「なるほど、流石は隊長殿だ。部下たちの安全……そして何より、ご自身の安全を守ることには、随分と熱心でいらっしゃるようだ」
その言葉は、レオパルドの騎士としてのプライドを、的確に、そして深く抉った。
「……では、レオパルド隊長」
今度は真守が、とどめを刺すように言った。
「我々は、あなた方が『万全の調査』を終えるのを待っていると、いつまで経ってもダンジョンに入れないようですので。お先に、次のお宝を頂きに参ります。引き続き、入り口の『安全管理』のほど、よろしくお願いいたしますよ」
真守はそう言うと、レオパルドににっこりと人の良い笑みを向け、仲間たちに合図した。
「さあ、行こうか、みんな」
「はい、マモル様!」
「ええ!」
「ふん、始めるとしようか」
真守たちは、悔しさに顔を引きつらせ、何も言い返せないレオパルド隊長とその部下たちを尻目に、悠々とダンジョンの入り口へと足を踏み入れていった。
その背中に、一部の若い騎士たちから、羨望とも畏敬ともつかぬ視線が送られていることに、真守は気づいていたかもしれない。
――ダンジョン内部、最初の広間。
ひんやりとした空気に包まれ、真守たちが一息つくと、フィリアがクスクスと笑い出した。
「ふふっ。マモル、なんだか最近、デュラスさんみたいに少し毒舌になってきたわね」
「本当ですわ。ですが……正直、少しだけ、スカッといたしました」
エルミナも、聖騎士らしからぬ本音をぽろりとこぼし、はにかんだ。
真守は、やれやれといった表情で頭を掻いた。
「いやいや、俺はデュラスほど性格悪くないって。でも、やられっぱなしで黙ってるのは、性に合わないんでね」
「ふん、私に似てきたとは心外だが、あれくらいの駆け引きができなければ、この先、出過ぎた杭として立っていくことはできんぞ」
デュラスは満足げにそう言った。
前回の遭遇とは、明らかに違う。
実績と、地位と、そして何より揺るぎない仲間との絆。それらが、真守に理不尽な権力と対等に渡り合うための自信を与えていた。
「さて、と」真守は、新たな相棒「王帝」を構え直し、未知なる第二階層へと続く通路を見据えた。「おしゃべりはここまでだ。騎士団のお偉いさんたちが諦めて帰る前に、さっさとクリアして、また度肝を抜いてやろうぜ!」
その言葉に、三人の仲間たちは力強く頷き返した。
彼らの新たな冒険が、今、再び始まる。
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