異世界転生×ユニークスキル マイホームで無双する!?【TOP10入り感謝!】

月神世一

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第二章 神竜の守護者

EP 15

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夜襲、サーモグラフィの眼、そして鉄槌
アルニア公爵領の城門前で、屈辱的な敗走を喫したドラグスとその部隊は、森の中に設営した陣地へと戻っていた。
ドラグスは、砕かれた愛用の戦斧の柄を、怒りのあまり握りつぶさんばかりにしていた。
「己(おのれ)ぇぇぇ……!人間風情が、この私を、我ら竜の民をコケにするとは……!」
彼の金色の瞳は、屈辱と憎悪の炎で燃え上がっている。
そこへ、武官の一人が進み出た。
「ドラグス様、このまま引き下がるわけには参りません!夜襲をかけましょう!我ら竜人族の真価は、夜の闇にこそあります。空から、そして海から、陸から同時に奇襲を仕掛ければ、いかに奴らの鉄砲が強力であろうと、対応できずに混乱するはず!」
「……そうだな」
ドランゴ将軍から命じられた「情報収集」という任務も、砕かれたプライドの前にはもはや意味をなさない。ドラグスは、部下の進言に、即座に飛びついた。
「そうだ、その通りだ!奴らの寝首をかく絶好の機会!今夜、決行する!全員、準備にかかれ!」
その夜。アルニア公爵領を、深い闇と静寂が包んでいた。
ドラグスの命令のもと、竜牙兵団は三手に分かれ、息を殺して城壁へと接近していた。
空からは、翼を持つ竜人兵が音もなく滑空し、海からは、水かきを持つ水棲の竜人兵が静かに上陸。そして陸からは、ドラグス自身が率いる本隊が、森の闇に紛れて進軍する。
城壁の上には見張りの姿もまばらで、街からは灯り一つ漏れてこない。
(フン、愚かな人間どもめ。勝利に浮かれて、すっかり油断しきっておるわ)
ドラグスは、勝利を確信し、口元に獰猛な笑みを浮かべた。
しかし、その時、城壁の内側にある公爵府の、地下深くにある一室――「総合司令室」では、全く異なる光景が広がっていた。
薄暗い部屋の中、壁一面に設置された巨大なモニターに、無数の光る人影が映し出されている。それは、熱源を感知する「サーモグラフィ」の映像だった。
「……面白いように引っかかりましたな、竜の使者殿は」
レオパルド隊長は、椅子に深く腰掛け、モニターに映る鮮やかな熱源の動きを、冷徹な目で見つめていた。
「全隊に通達。目標、第一波、第二波、第三波、全て補足完了。狙撃手は、目標が有効射程に入るまで待機。焦るなよ」
レオパルドの静かな命令が、魔力通信機を通じて、城壁の各所に配置された兵士たちに伝わる。彼らの手には、暗視スコープが取り付けられた、夜間戦闘仕様のマグナ・ライフルが握られていた。
やがて、竜人族の部隊が、城壁から500メートルの距離まで接近した、その瞬間。
レオパルドが、静かに告げた。
「―――撃て」
チュインチュインチュインッ!!
夜の静寂を切り裂き、無数の光条が闇の中を走った。
サイレンサー機能が追加されたマグナ・ライフルから放たれる弾丸は、音もなく、しかし正確に、空を飛ぶ竜人兵、海から這い上がる竜人兵たちの急所を次々と撃ち抜いていく。
「グッ!?」
「何だ!?どこから……ぎゃっ!」
竜牙兵団は、敵の姿すら見えぬまま、一方的に数を減らされていく。完璧な奇襲だったはずが、気づけば自分たちが一方的に狩られる側に回っていたのだ。
「くっ、臆するな!竜騎団、前へ!壁ごと奴らを駆逐せよ!」
混乱する部隊を立て直すべく、ドラグスは最後の突撃を命じた。残った兵士たちが、咆哮を上げながら城壁へと殺到する。
レオパルドは、その光景を、モニター越しに冷ややかに見つめていた。
「……愚かな。もはや、貴殿らに勝機などない」
彼は、通信機に最後の命令を下した。
「全砲台、目標、敵本隊。―――鉄槌を下せ」
次の瞬間、アルニア公爵領の城壁に設置されていた十数門の「マグナ・キャノン」と、兵士たちが構えていた「マグナ・バズーカ」が一斉に火を噴いた!
ゴオオオオオオオオオッッ!!
夜空を昼間のように照らし出し、凄まじい轟音と共に、魔力の奔流が竜人族の軍勢へと降り注ぐ。
それは、もはや戦闘ではなかった。
一方的な、蹂躙。
爆炎と衝撃波が、大地を、海を、そして空を駆け巡り、ドラグスが率いてきた誇り高き竜牙兵団を、その痕跡すら残さず、全て葬り去った。
数分後、戦場には、クレーターのように抉れた大地と、硝煙の匂いだけが残されていた。
ドラグスは、奇跡的に生き残ったものの、全身に火傷を負い、その場に呆然と立ち尽くしていた。
自慢の軍勢は、消えた。
プライドも、作戦も、全てが、あの鉄の咆哮の前に無に帰した。
彼は、闇の中に静かにそびえ立つアルニア公爵領の城壁を見上げた。
そこは、もはやただの辺境の領地などではない。
自分たちの常識が、そして竜の力が、全く通用しない、異次元の「要塞」だった。
ドラグスは、この絶望的な敗北を、主君であるドランゴ将軍にどう報告すべきか、ただ途方に暮れるしかなかった。
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