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第二章 神竜の守護者
EP 33
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魔王城の決闘、そして勇者への問い
魔王サルバロスの居城は、アルカシア大陸の北方にそびえる、天を突くかのような黒曜石の巨城だった。城の周囲には、常に禍々しい魔力の嵐が渦巻き、並の生き物では近づくことすら叶わない。
しかし、マモルたち一行は、デュラスの先導によって、その堅固な城門の前へとたどり着いた。
「――止まれ!何者だ!」
城門を守る、屈強な鬼人兵たちが、その巨大な武器を交差させ、一行の行く手を阻む。その眼窩には、敵意に満ちた赤い炎が揺らめいていた。
「道を開けろ。魔族の礼儀も知らぬのか」
デュラスが、一歩前に出て、冷ややかに言い放った。彼の身に纏うアシュフィールド家の気品と魔力に、鬼人兵たちは一瞬怯む。
「し、しかし、デュラス様……!イガロス将軍より、何人たりとも通すな、との厳命が……」
「ほう、私の主君たる魔王サルバロス様のご招待より、一介の将軍の命令を優先すると?」
デュラスの言葉に、鬼人兵はぐっと言葉に詰まる。
デュラスは、そんな彼らを見回し、ふっと笑みを浮かべた。
「まあ、そう固くなるな。貴様らとて、見たいのだろう?我が主君サルバロス様と、このマモルという男の、世紀のぶつかり合いを。歴史の証人となる、またとない機会だぞ?」
その言葉は、鬼人兵たちの、兵士としての忠誠心よりも、魔族としての闘争本能を強く刺激した。
「……分かりました、デュラス様。どうぞ、お通りください」
鬼人兵たちは、まるで示し合わせたかのように、武器を収め、道を開けた。
「デュラスさん、カッコいい~!」
「流石は貴族様ですわね。交渉術が違います」
エルミナとフィリアが、尊敬の眼差しでデュラスを見つめる。
「助かるよ、デュラス」
マモルも、素直に礼を言った。
「さて、俺に出来る事はここまでだ。ここから先は、マモル……お前の番だ」
デュラスは、そう言うと、一歩下がり、仲間たちの輪に加わった。
一行は、広大な城の廊下を進み、やがて、巨大な円形の闘技場へとたどり着いた。
観客席には、数千、いや数万を超える魔族たちが、固唾を飲んでその時を待っている。
そして、その闘技場の中央に、彼は立っていた。
魔王サルバロス。
玉座に座っているわけではない。ただ、その手に巨大な魔剣を一本携え、挑戦者が来るのを、楽しそうに、ただ楽しそうに、待っていた。
「――来たか、マモルよ。そして、勇者よ」
サルバロスの声が、闘技場全体に響き渡る。
「サルバロス」
マモルは、ただ静かに、その名で応えた。
サルバロスは、その手に持つ魔剣をゆっくりと構え、ニヤリと笑った。
「一応、聞いておくがな。俺と組まないか?マモル。俺とお前が手を組めば、退屈な秩序も、偽善の調和も、全て壊してやれる。さぞかし、楽しい世界になると思うがな」
「世界の半分をくれるってか?……冗談だろ」
マモルは、その誘いを、故郷の物語になぞらえて、あっさりと一蹴した。
その答えに、サルバロスは、心の底から満足したように、そして嬉しそうに、笑った。
「フハハハハッ!そうでなくてはな!それでこそ、勇者だ……!」
魔王の全身から、闘技場全体を震わせるほどの、凄まじい魔気が立ち昇る。
「――来い。この俺を、楽しませてみせろ!」
マモルもまた、仲間たちの想いが込められた三節棍「王帝」を、静かに構えた。
大陸最強の魔王と、異世界から来た元・一般ピーポー。
世界の運命など、今は関係ない。
ただ、己の信念と、仲間の想いを賭けた、一対一の決闘の火蓋が、今まさに、切って落とされようとしていた。
魔王サルバロスの居城は、アルカシア大陸の北方にそびえる、天を突くかのような黒曜石の巨城だった。城の周囲には、常に禍々しい魔力の嵐が渦巻き、並の生き物では近づくことすら叶わない。
しかし、マモルたち一行は、デュラスの先導によって、その堅固な城門の前へとたどり着いた。
「――止まれ!何者だ!」
城門を守る、屈強な鬼人兵たちが、その巨大な武器を交差させ、一行の行く手を阻む。その眼窩には、敵意に満ちた赤い炎が揺らめいていた。
「道を開けろ。魔族の礼儀も知らぬのか」
デュラスが、一歩前に出て、冷ややかに言い放った。彼の身に纏うアシュフィールド家の気品と魔力に、鬼人兵たちは一瞬怯む。
「し、しかし、デュラス様……!イガロス将軍より、何人たりとも通すな、との厳命が……」
「ほう、私の主君たる魔王サルバロス様のご招待より、一介の将軍の命令を優先すると?」
デュラスの言葉に、鬼人兵はぐっと言葉に詰まる。
デュラスは、そんな彼らを見回し、ふっと笑みを浮かべた。
「まあ、そう固くなるな。貴様らとて、見たいのだろう?我が主君サルバロス様と、このマモルという男の、世紀のぶつかり合いを。歴史の証人となる、またとない機会だぞ?」
その言葉は、鬼人兵たちの、兵士としての忠誠心よりも、魔族としての闘争本能を強く刺激した。
「……分かりました、デュラス様。どうぞ、お通りください」
鬼人兵たちは、まるで示し合わせたかのように、武器を収め、道を開けた。
「デュラスさん、カッコいい~!」
「流石は貴族様ですわね。交渉術が違います」
エルミナとフィリアが、尊敬の眼差しでデュラスを見つめる。
「助かるよ、デュラス」
マモルも、素直に礼を言った。
「さて、俺に出来る事はここまでだ。ここから先は、マモル……お前の番だ」
デュラスは、そう言うと、一歩下がり、仲間たちの輪に加わった。
一行は、広大な城の廊下を進み、やがて、巨大な円形の闘技場へとたどり着いた。
観客席には、数千、いや数万を超える魔族たちが、固唾を飲んでその時を待っている。
そして、その闘技場の中央に、彼は立っていた。
魔王サルバロス。
玉座に座っているわけではない。ただ、その手に巨大な魔剣を一本携え、挑戦者が来るのを、楽しそうに、ただ楽しそうに、待っていた。
「――来たか、マモルよ。そして、勇者よ」
サルバロスの声が、闘技場全体に響き渡る。
「サルバロス」
マモルは、ただ静かに、その名で応えた。
サルバロスは、その手に持つ魔剣をゆっくりと構え、ニヤリと笑った。
「一応、聞いておくがな。俺と組まないか?マモル。俺とお前が手を組めば、退屈な秩序も、偽善の調和も、全て壊してやれる。さぞかし、楽しい世界になると思うがな」
「世界の半分をくれるってか?……冗談だろ」
マモルは、その誘いを、故郷の物語になぞらえて、あっさりと一蹴した。
その答えに、サルバロスは、心の底から満足したように、そして嬉しそうに、笑った。
「フハハハハッ!そうでなくてはな!それでこそ、勇者だ……!」
魔王の全身から、闘技場全体を震わせるほどの、凄まじい魔気が立ち昇る。
「――来い。この俺を、楽しませてみせろ!」
マモルもまた、仲間たちの想いが込められた三節棍「王帝」を、静かに構えた。
大陸最強の魔王と、異世界から来た元・一般ピーポー。
世界の運命など、今は関係ない。
ただ、己の信念と、仲間の想いを賭けた、一対一の決闘の火蓋が、今まさに、切って落とされようとしていた。
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