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EP 46
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最後の切り札と終焉の爆炎
「はぁ……はぁ……」
リーシャの回復魔法を受けながら、勇太はサーモグラフィーの記憶を反芻していた。
ヒュドラの心臓部は、三つの首の付け根――胴体の中心にある。
だが、そこは鋼鉄の鱗と、超高温の再生エネルギーに守られている。
生半可な火力では、再生速度に追いつけない。
(再生を上回るには……細胞ごと消し飛ばすしかない)
勇太はボードを展開した。
ポイントは17,955P(ノマド号購入後、少し減っている)。
この状況を打開できる「切り札」を買う。
「リーシャ。……あいつを倒す算段がついた」
「本当?」
「ああ。だが、準備に10秒かかる。その間、あいつの動きを完全に止めなきゃならない」
勇太の真剣な眼差しに、リーシャは静かに頷いた。
彼女の碧眼に、覚悟の炎が灯る。
「……分かったわ。私の全魔力と引き換えに、10秒の『永遠』を作ってみせる」
「リーシャ?」
「イグニス! キャルル! 離れて!!」
リーシャが叫び、杖を地面に突き刺した。
彼女の銀髪が逆立ち、大気中のマナが渦を巻いて収束していく。
「大地の枷よ、巌(いわお)の腕となりて罪人を捕らえよ! 古代精霊召喚・『アース・ギガント』!!」
ズゴゴゴゴゴ……ッ!!
地面が爆ぜ、岩石の巨人が上半身だけ姿を現した。
巨人は咆哮と共にヒュドラに組み付き、その太い腕で三つの首と胴体をまとめて羽交い締めにした。
「グギャアアアッ!?」
ヒュドラが暴れる。ミシミシと岩が砕ける音がする。
リーシャの鼻からツーッと血が流れた。精神力で巨人を維持しているのだ。
「ぐっ……ぅぅぅ……! 急いで、ユウタ……!」
「今だッ!!」
勇太は飛び出した。
手には、『液体窒素タンク(噴射ノズル付き)』と、粘土のような白い塊――『C4プラスチック爆薬(時限・遠隔起爆式)』。
勇太はヒュドラの懐に滑り込み、心臓部へ液体窒素を全開で噴射した。
ブシュウウウウウウウッ!!!
-196℃の極低温。
灼熱の再生エネルギーを帯びた鱗が、熱衝撃で悲鳴を上げる。
パキパキパキッ!
鋼鉄の硬度が失われ、白く凍りついていく。
「そこだ!」
勇太は凍りついた胸部に、C4爆薬の塊を叩きつけ、セットした。
量は1kg。ビルの一室を吹き飛ばせる量だ。
「任務完了(ミッション・コンプリート)!」
勇太は反転し、全力でダッシュした。
「リーシャ! 解除だ! 逃げるぞ!」
「……っ、はぁ!」
リーシャが力を抜くと、石の巨人が崩れ落ちた。
拘束を解かれたヒュドラが、怒り狂って勇太の背中を睨む。
だが、その時にはもう遅い。
「イグニス! リーシャを頼む!」
「おうよッ!」
イグニスが崩れ落ちるリーシャをひっ担ぎ、キャルルが勇太の手を引いて岩陰へ飛び込む。
ノマド号の分厚い装甲の陰へ。
「……さよならだ、化け物」
勇太はポケットから起爆スイッチを取り出し、親指で押し込んだ。
カチッ。
一瞬の静寂。
そして――。
ズドオオオオオオオオオオオオオオンッッッ!!!!!
世界が揺れた。
爆心からオレンジ色の閃光が膨れ上がり、衝撃波が霧を吹き飛ばす。
ヒュドラの断末魔すら聞こえない。
凍結して脆くなった心臓部は、C4の爆発速度(秒速8000メートル)の衝撃に耐えられず、細胞レベルで粉砕されたのだ。
爆風が収まり、土煙が晴れていく。
そこには、巨大なクレーターと、首と胴体がバラバラに吹き飛んだヒュドラの残骸だけが転がっていた。
再生の兆候はない。完全なる沈黙。
「……すっげぇ……」
イグニスが呆然と呟く。
キャルルは震えながら勇太にしがみついている。
リーシャはイグニスの背中で、薄目を開けて微笑んだ。
「……勝った、のね……」
「ああ。僕たちの勝ちだ」
勇太がガッツポーズを作ると、雲の切れ間から朝日が差し込んできた。
霧が晴れていく。
それは、彼らの前途を祝福するような、美しい光景だった。
【ピンポンパンポーン♪】
【賞金首:三つ首の毒蛇(トライ・ヒュドラ)を撃破しました! 8000 P 加算!】
【『霧降りの谷』の封鎖を解除しました! 4000 P 加算!】
【合計 12000 P 加算。現在 29955 P です】
勇太は画面を見て、ふっと息を吐いた。
これで南への道が開いた。
そして、この最強のパーティなら、世界のどこへだって行ける。
「さあ、行こうか。……まずは朝ごはんにしよう」
勇太の言葉に、仲間たちの腹の虫が、爆音に負けないくらい元気に鳴り響いた。
「はぁ……はぁ……」
リーシャの回復魔法を受けながら、勇太はサーモグラフィーの記憶を反芻していた。
ヒュドラの心臓部は、三つの首の付け根――胴体の中心にある。
だが、そこは鋼鉄の鱗と、超高温の再生エネルギーに守られている。
生半可な火力では、再生速度に追いつけない。
(再生を上回るには……細胞ごと消し飛ばすしかない)
勇太はボードを展開した。
ポイントは17,955P(ノマド号購入後、少し減っている)。
この状況を打開できる「切り札」を買う。
「リーシャ。……あいつを倒す算段がついた」
「本当?」
「ああ。だが、準備に10秒かかる。その間、あいつの動きを完全に止めなきゃならない」
勇太の真剣な眼差しに、リーシャは静かに頷いた。
彼女の碧眼に、覚悟の炎が灯る。
「……分かったわ。私の全魔力と引き換えに、10秒の『永遠』を作ってみせる」
「リーシャ?」
「イグニス! キャルル! 離れて!!」
リーシャが叫び、杖を地面に突き刺した。
彼女の銀髪が逆立ち、大気中のマナが渦を巻いて収束していく。
「大地の枷よ、巌(いわお)の腕となりて罪人を捕らえよ! 古代精霊召喚・『アース・ギガント』!!」
ズゴゴゴゴゴ……ッ!!
地面が爆ぜ、岩石の巨人が上半身だけ姿を現した。
巨人は咆哮と共にヒュドラに組み付き、その太い腕で三つの首と胴体をまとめて羽交い締めにした。
「グギャアアアッ!?」
ヒュドラが暴れる。ミシミシと岩が砕ける音がする。
リーシャの鼻からツーッと血が流れた。精神力で巨人を維持しているのだ。
「ぐっ……ぅぅぅ……! 急いで、ユウタ……!」
「今だッ!!」
勇太は飛び出した。
手には、『液体窒素タンク(噴射ノズル付き)』と、粘土のような白い塊――『C4プラスチック爆薬(時限・遠隔起爆式)』。
勇太はヒュドラの懐に滑り込み、心臓部へ液体窒素を全開で噴射した。
ブシュウウウウウウウッ!!!
-196℃の極低温。
灼熱の再生エネルギーを帯びた鱗が、熱衝撃で悲鳴を上げる。
パキパキパキッ!
鋼鉄の硬度が失われ、白く凍りついていく。
「そこだ!」
勇太は凍りついた胸部に、C4爆薬の塊を叩きつけ、セットした。
量は1kg。ビルの一室を吹き飛ばせる量だ。
「任務完了(ミッション・コンプリート)!」
勇太は反転し、全力でダッシュした。
「リーシャ! 解除だ! 逃げるぞ!」
「……っ、はぁ!」
リーシャが力を抜くと、石の巨人が崩れ落ちた。
拘束を解かれたヒュドラが、怒り狂って勇太の背中を睨む。
だが、その時にはもう遅い。
「イグニス! リーシャを頼む!」
「おうよッ!」
イグニスが崩れ落ちるリーシャをひっ担ぎ、キャルルが勇太の手を引いて岩陰へ飛び込む。
ノマド号の分厚い装甲の陰へ。
「……さよならだ、化け物」
勇太はポケットから起爆スイッチを取り出し、親指で押し込んだ。
カチッ。
一瞬の静寂。
そして――。
ズドオオオオオオオオオオオオオオンッッッ!!!!!
世界が揺れた。
爆心からオレンジ色の閃光が膨れ上がり、衝撃波が霧を吹き飛ばす。
ヒュドラの断末魔すら聞こえない。
凍結して脆くなった心臓部は、C4の爆発速度(秒速8000メートル)の衝撃に耐えられず、細胞レベルで粉砕されたのだ。
爆風が収まり、土煙が晴れていく。
そこには、巨大なクレーターと、首と胴体がバラバラに吹き飛んだヒュドラの残骸だけが転がっていた。
再生の兆候はない。完全なる沈黙。
「……すっげぇ……」
イグニスが呆然と呟く。
キャルルは震えながら勇太にしがみついている。
リーシャはイグニスの背中で、薄目を開けて微笑んだ。
「……勝った、のね……」
「ああ。僕たちの勝ちだ」
勇太がガッツポーズを作ると、雲の切れ間から朝日が差し込んできた。
霧が晴れていく。
それは、彼らの前途を祝福するような、美しい光景だった。
【ピンポンパンポーン♪】
【賞金首:三つ首の毒蛇(トライ・ヒュドラ)を撃破しました! 8000 P 加算!】
【『霧降りの谷』の封鎖を解除しました! 4000 P 加算!】
【合計 12000 P 加算。現在 29955 P です】
勇太は画面を見て、ふっと息を吐いた。
これで南への道が開いた。
そして、この最強のパーティなら、世界のどこへだって行ける。
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