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第二章 邪と天然と鬼の温泉地
EP 6
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赤ん坊の夜泣きと、殺意の波動
夜の帳が下りたカイト農場。
昼間の喧騒が嘘のように静まり返る中、ログハウスの一角にある『BAR 煉獄』だけは、静かな灯りをともしていた。
カウンターに座るのは、この世界の頂点に立つ三人の美女たち。
女神ルチアナ、魔王ラスティア、不死鳥フレアだ。
「マスター、何か作って。今日の私は強いのが飲みたい気分なの」
ラスティアが頬杖をついてオーダーする。
バーテンダーの鬼神龍魔呂は、無言で頷いた。
「良いだろう。……魔王の喉を焼くには、これくらいがいい」
龍魔呂の手が流れるように動く。
氷をステアする音だけが店内に響き、あっという間に美しい透明な液体がグラスに注がれた。カクテルの王様、マティーニだ。
「マスター、私にもお願い!」
「私も!」
フレアとルチアナも便乗する。龍魔呂は面倒くさそうな顔も見せず、手際よく三人分を用意して差し出した。
「どうぞ」
彼女たちはグラスを傾け、一口飲んだ。
「……んっ、美味しい」
ルチアナがため息をつく。
「本当に。キリッとしてて、でも後味は甘い……。昼間のラーメンもいいけど、夜はやっぱりこれね」
「好きな味だわ。マスター、腕がいいのね」
ラスティアとフレアも絶賛する。
龍魔呂はグラスを拭きながら、ふっと口元を緩めた。
(平和なものだ……)
かつて、血と暴力にまみれた世界で生きてきた。
安らぎなど、死ぬまで訪れないと思っていた。
だが今、俺はこうしてシェイカーを振り、客の笑顔を見ている。
悪くない。こんな余生も――。
その時だった。
「おぎゃあ! おぎゃあ! うあぁぁぁん!」
静寂を切り裂く、赤ん坊の泣き声。
近くの宿舎で、オークたちが育てている元兵士の赤子が、夜泣きをしたのだ。
ガチャンッ!!
龍魔呂の手からグラスが落ち、粉々に砕け散った。
「――!?」
龍魔呂の瞳孔が開く。
心臓が早鐘を打ち、視界が歪む。
泣き声。子供の悲鳴。
それがトリガーとなり、封印していた地獄の記憶がフラッシュバックする。
『にいちゃん、たすけて!』
『ははは! 殺せ! 殺さなきゃ弟の命はないぞ!』
地下闘技場の湿った空気。血の匂い。動かなくなった弟ユウの冷たさ。
「や、やめろ……。ユウ……」
龍魔呂はカウンターに崩れ落ちた。
彼の意志とは裏腹に、制御できない力が溢れ出す。
ゴゴゴゴゴゴゴ……ッ!!
赤黒い闘気。
それは魔力でも神気でもない、純粋な殺意の塊。
『DEATH4』と呼ばれた処刑人のオーラが、店内の空気を凍りつかせ、ボトルに亀裂を入れる。
「な、なによこれ……!?」
「マスター!? 落ち着いて!」
ラスティアたちが青ざめて立ち上がる。
彼女たちほどの強者でさえ、肌が粟立つほどのプレッシャー。
このままでは、彼は暴走し、この店ごと全てを破壊してしまう。
(違う……これは……俺は……殺したくない……!)
龍魔呂は必死に理性を繋ぎ止めようとするが、震えが止まらない。
誰か、止めてくれ。俺を処刑してくれ。
そうでなければ俺は――。
カランコロン♪
軽やかなドアベルの音が、殺意の渦を断ち切った。
「こんばんはー。龍魔呂さん、ちょっと仕入れの話があるんだけど」
入ってきたのは、エプロン姿のカイトだった。
彼は店内に充満する「死の闘気」に気づかないのか、あるいはそれが彼には通用しないのか、普段どおりの足取りでカウンターへ近づいてくる。
「!? カイト、か……」
龍魔呂は荒い呼吸で顔を上げた。
カイトは、汗だくで震えている龍魔呂を見て、キョトンとした。
「どうしたの? 顔色が悪いよ」
「……何でも、ない……。少し、目眩がしただけだ」
龍魔呂は必死に虚勢を張った。
だが、カイトはカウンター越しに手を伸ばした。
「疲れてるんですか? ……はい」
カイトの手のひらに乗っていたのは、一粒の白い結晶。
角砂糖だった。
「これ、食べてください」
「……」
龍魔呂は震える指でそれをつまみ、口に放り込んだ。
ガリッ。
甘い。
強烈な甘みが脳髄に走り、血の味を洗い流していく。
過去の悪夢が遠ざかり、目の前にいるカイトの優しい顔が焦点を結ぶ。
「……ふぅ」
龍魔呂の体から力が抜け、赤黒い闘気が霧散した。
彼はようやく、いつもの冷静なバーテンダーの顔に戻った。
「旨いな」
「でしょ? 疲れた時は特別ですよね、働いた後とか」
カイトはニコニコと笑った。
「僕も、夜疲れた時はホットミルクに角砂糖を入れて飲むんです。ホッとするんですよね」
龍魔呂はカイトを見た。
この男は、俺の殺気に気づいていなかったのか? いや、気づいた上で、それを「ただの疲れ」として処理し、俺を救ってくれたのか。
どちらにせよ、この男は俺の「光」だ。
「ふん……。ミルクもいいが、酒の味も覚えろ」
龍魔呂はフッと笑い、新しいグラスを取り出した。
氷を入れ、コーヒーリキュールと、カイトの農場で採れた特濃ミルクを注ぐ。
「俺からの奢りだ」
カイトの前に、二層に分かれた美しいカクテルが置かれた。
「わあ、綺麗! これ、お酒?」
「カルーア・ミルクだ。甘くて飲みやすい。お前のような子供舌には丁度いいだろう」
「子供舌って……僕もう大人だよ!」
カイトは口を尖らせながら、グラスに口をつけた。
「……ん! 美味しい! コーヒー牛乳みたいだけど、ちゃんと大人の味がする!」
「だろうな」
龍魔呂は満足げに頷いた。
カウンターの端では、ラスティアたちが呆然とその様子を見ていた。
(あの一触即発の空気を……角砂糖一個で鎮めた?)
(カイト様……やっぱり只者じゃないわ……)
店内に、穏やかな時間が戻る。
遠くでまた赤ん坊が泣いたが、龍魔呂の手はもう震えなかった。
目の前に、守るべき日常と、甘いカクテルを飲む友人がいる限り、彼は二度と「鬼」には戻らないだろう。
この夜の出来事は、龍魔呂にとっての誓いとなった。
そして物語は、店の地下深くから忍び寄る「本当の邪悪」へとシフトしていく。
――次回、地下から湧き出る「黒い泥」が、農場をパニックに陥れる!
夜の帳が下りたカイト農場。
昼間の喧騒が嘘のように静まり返る中、ログハウスの一角にある『BAR 煉獄』だけは、静かな灯りをともしていた。
カウンターに座るのは、この世界の頂点に立つ三人の美女たち。
女神ルチアナ、魔王ラスティア、不死鳥フレアだ。
「マスター、何か作って。今日の私は強いのが飲みたい気分なの」
ラスティアが頬杖をついてオーダーする。
バーテンダーの鬼神龍魔呂は、無言で頷いた。
「良いだろう。……魔王の喉を焼くには、これくらいがいい」
龍魔呂の手が流れるように動く。
氷をステアする音だけが店内に響き、あっという間に美しい透明な液体がグラスに注がれた。カクテルの王様、マティーニだ。
「マスター、私にもお願い!」
「私も!」
フレアとルチアナも便乗する。龍魔呂は面倒くさそうな顔も見せず、手際よく三人分を用意して差し出した。
「どうぞ」
彼女たちはグラスを傾け、一口飲んだ。
「……んっ、美味しい」
ルチアナがため息をつく。
「本当に。キリッとしてて、でも後味は甘い……。昼間のラーメンもいいけど、夜はやっぱりこれね」
「好きな味だわ。マスター、腕がいいのね」
ラスティアとフレアも絶賛する。
龍魔呂はグラスを拭きながら、ふっと口元を緩めた。
(平和なものだ……)
かつて、血と暴力にまみれた世界で生きてきた。
安らぎなど、死ぬまで訪れないと思っていた。
だが今、俺はこうしてシェイカーを振り、客の笑顔を見ている。
悪くない。こんな余生も――。
その時だった。
「おぎゃあ! おぎゃあ! うあぁぁぁん!」
静寂を切り裂く、赤ん坊の泣き声。
近くの宿舎で、オークたちが育てている元兵士の赤子が、夜泣きをしたのだ。
ガチャンッ!!
龍魔呂の手からグラスが落ち、粉々に砕け散った。
「――!?」
龍魔呂の瞳孔が開く。
心臓が早鐘を打ち、視界が歪む。
泣き声。子供の悲鳴。
それがトリガーとなり、封印していた地獄の記憶がフラッシュバックする。
『にいちゃん、たすけて!』
『ははは! 殺せ! 殺さなきゃ弟の命はないぞ!』
地下闘技場の湿った空気。血の匂い。動かなくなった弟ユウの冷たさ。
「や、やめろ……。ユウ……」
龍魔呂はカウンターに崩れ落ちた。
彼の意志とは裏腹に、制御できない力が溢れ出す。
ゴゴゴゴゴゴゴ……ッ!!
赤黒い闘気。
それは魔力でも神気でもない、純粋な殺意の塊。
『DEATH4』と呼ばれた処刑人のオーラが、店内の空気を凍りつかせ、ボトルに亀裂を入れる。
「な、なによこれ……!?」
「マスター!? 落ち着いて!」
ラスティアたちが青ざめて立ち上がる。
彼女たちほどの強者でさえ、肌が粟立つほどのプレッシャー。
このままでは、彼は暴走し、この店ごと全てを破壊してしまう。
(違う……これは……俺は……殺したくない……!)
龍魔呂は必死に理性を繋ぎ止めようとするが、震えが止まらない。
誰か、止めてくれ。俺を処刑してくれ。
そうでなければ俺は――。
カランコロン♪
軽やかなドアベルの音が、殺意の渦を断ち切った。
「こんばんはー。龍魔呂さん、ちょっと仕入れの話があるんだけど」
入ってきたのは、エプロン姿のカイトだった。
彼は店内に充満する「死の闘気」に気づかないのか、あるいはそれが彼には通用しないのか、普段どおりの足取りでカウンターへ近づいてくる。
「!? カイト、か……」
龍魔呂は荒い呼吸で顔を上げた。
カイトは、汗だくで震えている龍魔呂を見て、キョトンとした。
「どうしたの? 顔色が悪いよ」
「……何でも、ない……。少し、目眩がしただけだ」
龍魔呂は必死に虚勢を張った。
だが、カイトはカウンター越しに手を伸ばした。
「疲れてるんですか? ……はい」
カイトの手のひらに乗っていたのは、一粒の白い結晶。
角砂糖だった。
「これ、食べてください」
「……」
龍魔呂は震える指でそれをつまみ、口に放り込んだ。
ガリッ。
甘い。
強烈な甘みが脳髄に走り、血の味を洗い流していく。
過去の悪夢が遠ざかり、目の前にいるカイトの優しい顔が焦点を結ぶ。
「……ふぅ」
龍魔呂の体から力が抜け、赤黒い闘気が霧散した。
彼はようやく、いつもの冷静なバーテンダーの顔に戻った。
「旨いな」
「でしょ? 疲れた時は特別ですよね、働いた後とか」
カイトはニコニコと笑った。
「僕も、夜疲れた時はホットミルクに角砂糖を入れて飲むんです。ホッとするんですよね」
龍魔呂はカイトを見た。
この男は、俺の殺気に気づいていなかったのか? いや、気づいた上で、それを「ただの疲れ」として処理し、俺を救ってくれたのか。
どちらにせよ、この男は俺の「光」だ。
「ふん……。ミルクもいいが、酒の味も覚えろ」
龍魔呂はフッと笑い、新しいグラスを取り出した。
氷を入れ、コーヒーリキュールと、カイトの農場で採れた特濃ミルクを注ぐ。
「俺からの奢りだ」
カイトの前に、二層に分かれた美しいカクテルが置かれた。
「わあ、綺麗! これ、お酒?」
「カルーア・ミルクだ。甘くて飲みやすい。お前のような子供舌には丁度いいだろう」
「子供舌って……僕もう大人だよ!」
カイトは口を尖らせながら、グラスに口をつけた。
「……ん! 美味しい! コーヒー牛乳みたいだけど、ちゃんと大人の味がする!」
「だろうな」
龍魔呂は満足げに頷いた。
カウンターの端では、ラスティアたちが呆然とその様子を見ていた。
(あの一触即発の空気を……角砂糖一個で鎮めた?)
(カイト様……やっぱり只者じゃないわ……)
店内に、穏やかな時間が戻る。
遠くでまた赤ん坊が泣いたが、龍魔呂の手はもう震えなかった。
目の前に、守るべき日常と、甘いカクテルを飲む友人がいる限り、彼は二度と「鬼」には戻らないだろう。
この夜の出来事は、龍魔呂にとっての誓いとなった。
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