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第六章 鬼神龍魔呂、ハーレムをしてしまう
EP 3
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ルナのマウントと頭ポンポン
地下3階、『BAR 煉獄』。
カランカランとドアベルを鳴らして入ってきたのは、元聖女であり、今は勇者の妻として家計と育児に奔走するセーラだった。
「あら……混んでるのね」
セーラが帰ろうとした瞬間、龍魔呂が素早く動き、席を用意した。
その流れるようなエスコートに、カウンターに陣取っていたルチアナ、ラスティア、フレア、ヴァルキュリアの「独身美女連合」に緊張が走った。
(……来たわね、既婚者)
(……纏っているオーラが違うわ。あれは『所帯じみた色気』よ)
彼女たちは直感した。
自分たちにはない「生活感」という武器を持つセーラは、家庭的な龍魔呂と相性が良すぎる、と。
「……セーラ様、こちらへ。温かいハーブティーでもいかがですか?」
龍魔呂の声が優しい。
セーラは疲れた笑顔で席に座った。
「ありがとう、龍魔呂さん。……家じゃリュウもアレンも手がかかって、ゆっくりお茶も飲めないのよ」
「……心中お察しする。リュウ殿は今頃、コンビニでおにぎりを買い占めている頃だろう」
「まあ、あのアホ夫……! 帰ったら説教だわ」
セーラがため息をつく。
その「愚痴をこぼす人妻」と「聞き上手なマスター」の構図は、もはや熟年夫婦のような安定感を醸し出していた。
†
その空気に耐えられなかったのが、端の席でメロンソーダを飲んでいたエルフのルナだ。
「むぅぅ……! 面白くありませんわ!」
ルナがストローを噛みながら声を上げた。
「皆さん、大人ぶって! 私も混ぜてください! 私だって数千年生きてるレディなんですのよ!」
「はいはい、ルナちゃんは静かにしててねー」
ルチアナが手で追い払うしぐさをする。
「そうよ。ここは『修羅場』という名の大人の戦場なの。お子様はあっちで積み木でもしてなさい」
ラスティアも余裕の笑みだ。
子供扱い。
ルナのプライドが傷ついた。
彼女はドンッとグラスを置き、龍魔呂を睨みつけた。
「龍魔呂! 私にも『大人なお酒』をくださいな! 一番苦くて、一番キツいやつを!」
「……ダメだ」
龍魔呂は即答した。
「未成年に酒は出さん」
「私はエルフですのよ!? 還暦なんて何十回も過ぎてますわ!」
「……見た目が子供なら、俺にとっては子供だ」
龍魔呂の鉄の掟。
ルナは「うわぁぁぁん!」と泣き出した。
「酷いですわ! 私も酔っ払って龍魔呂に絡みたいのに! 甘えたいのに!」
店内に響くルナの号泣。
ルチアナたちが「あらあら」と呆れ顔で見ていると、龍魔呂が小さく溜息をついた。
「……やれやれ。仕方ない」
龍魔呂は冷蔵庫から、カイト農場特製の「完熟マンゴー」と「高級生クリーム」を取り出した。
ナイフが閃き、マンゴーが花のように飾り切りされる。
シェイカーでクリームを泡立て、器に盛る。
「……ほら、食え」
ドン。
出されたのは、宝石のように輝く『特製マンゴーパフェ(金箔乗せ)』だった。
「えっ……?」
ルナが泣き止む。
「……酒は出せんと入ったが、甘いものは別だ。カイト殿が『ルナちゃんには内緒で』と残しておいてくれた最高級品だ」
「カイト様が……! それに龍魔呂の手作り……!」
ルナの目がハートになった。
彼女はスプーンでパフェを頬張る。
とろける甘さ。
「ん~っ! 美味しいですわ~!」
ルナが口の周りにクリームをつけながら満面の笑みになる。
それを見た龍魔呂は、カウンター越しに手を伸ばした。
「……ついてるぞ」
龍魔呂の親指が、ルナの唇についたクリームを拭い取った。
そして、そのまま彼女の銀髪を、ポンポンと優しく撫でた。
「……よく似合っている。やはりお前には、酒より笑顔の方がいい」
ドクンッ!!
ルナの時間が止まった。
クリームを拭われる(接触)。
頭を撫でられる(接触)。
そして、「笑顔がいい」という殺し文句。
†
「…………」
ルナはゆっくりと、勝利の笑みを浮かべてカウンターの女性陣を振り返った。
「……ふふ。……ふふふふふ!」
「な、なによその顔は」
ルチアナが嫌な予感を覚える。
ルナはスプーンをマイクのように突きつけた。
「見ましたか、おば……お姉様方!!」
彼女は叫んだ。
「龍魔呂は! 私にだけ! 『お触り』しましたわーッ!!」
「ぶっ!?」
全員が飲み物を吹き出した。
「クリームを拭うという高等テクニック! そして頭ポンポン! これは私が『守ってあげたい存在No.1』であるという証明! つまり実質的な本命ですわーッ!」
ルナの強引な三段論法。
だが、その物理的接触(スキンシップ)の多さは事実だ。
「キィィィッ! 生意気よこのチビっ子!」
「龍魔呂! 私の口にもクリームつけなさいよ! わざとつけるから拭きなさい!」
「私なんて全身クリームまみれになってもいいわよ!」
ルチアナ、ラスティア、フレアが殺気立ってクリームを要求する。
店内は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。
その騒ぎの中、セーラだけが静かに紅茶を啜りながら、微笑んでいた。
「ふふ……。龍魔呂さんって、本当に子供好きで面倒見がいいのね。……いいパパになりそう」
その一言が、龍魔呂の「父性(オカン属性)」を刺激することになるとは、まだ誰も気づいていなかった。
次回、人妻セーラのターン!
「聖女セーラ、人妻のときめき」へ続く!
地下3階、『BAR 煉獄』。
カランカランとドアベルを鳴らして入ってきたのは、元聖女であり、今は勇者の妻として家計と育児に奔走するセーラだった。
「あら……混んでるのね」
セーラが帰ろうとした瞬間、龍魔呂が素早く動き、席を用意した。
その流れるようなエスコートに、カウンターに陣取っていたルチアナ、ラスティア、フレア、ヴァルキュリアの「独身美女連合」に緊張が走った。
(……来たわね、既婚者)
(……纏っているオーラが違うわ。あれは『所帯じみた色気』よ)
彼女たちは直感した。
自分たちにはない「生活感」という武器を持つセーラは、家庭的な龍魔呂と相性が良すぎる、と。
「……セーラ様、こちらへ。温かいハーブティーでもいかがですか?」
龍魔呂の声が優しい。
セーラは疲れた笑顔で席に座った。
「ありがとう、龍魔呂さん。……家じゃリュウもアレンも手がかかって、ゆっくりお茶も飲めないのよ」
「……心中お察しする。リュウ殿は今頃、コンビニでおにぎりを買い占めている頃だろう」
「まあ、あのアホ夫……! 帰ったら説教だわ」
セーラがため息をつく。
その「愚痴をこぼす人妻」と「聞き上手なマスター」の構図は、もはや熟年夫婦のような安定感を醸し出していた。
†
その空気に耐えられなかったのが、端の席でメロンソーダを飲んでいたエルフのルナだ。
「むぅぅ……! 面白くありませんわ!」
ルナがストローを噛みながら声を上げた。
「皆さん、大人ぶって! 私も混ぜてください! 私だって数千年生きてるレディなんですのよ!」
「はいはい、ルナちゃんは静かにしててねー」
ルチアナが手で追い払うしぐさをする。
「そうよ。ここは『修羅場』という名の大人の戦場なの。お子様はあっちで積み木でもしてなさい」
ラスティアも余裕の笑みだ。
子供扱い。
ルナのプライドが傷ついた。
彼女はドンッとグラスを置き、龍魔呂を睨みつけた。
「龍魔呂! 私にも『大人なお酒』をくださいな! 一番苦くて、一番キツいやつを!」
「……ダメだ」
龍魔呂は即答した。
「未成年に酒は出さん」
「私はエルフですのよ!? 還暦なんて何十回も過ぎてますわ!」
「……見た目が子供なら、俺にとっては子供だ」
龍魔呂の鉄の掟。
ルナは「うわぁぁぁん!」と泣き出した。
「酷いですわ! 私も酔っ払って龍魔呂に絡みたいのに! 甘えたいのに!」
店内に響くルナの号泣。
ルチアナたちが「あらあら」と呆れ顔で見ていると、龍魔呂が小さく溜息をついた。
「……やれやれ。仕方ない」
龍魔呂は冷蔵庫から、カイト農場特製の「完熟マンゴー」と「高級生クリーム」を取り出した。
ナイフが閃き、マンゴーが花のように飾り切りされる。
シェイカーでクリームを泡立て、器に盛る。
「……ほら、食え」
ドン。
出されたのは、宝石のように輝く『特製マンゴーパフェ(金箔乗せ)』だった。
「えっ……?」
ルナが泣き止む。
「……酒は出せんと入ったが、甘いものは別だ。カイト殿が『ルナちゃんには内緒で』と残しておいてくれた最高級品だ」
「カイト様が……! それに龍魔呂の手作り……!」
ルナの目がハートになった。
彼女はスプーンでパフェを頬張る。
とろける甘さ。
「ん~っ! 美味しいですわ~!」
ルナが口の周りにクリームをつけながら満面の笑みになる。
それを見た龍魔呂は、カウンター越しに手を伸ばした。
「……ついてるぞ」
龍魔呂の親指が、ルナの唇についたクリームを拭い取った。
そして、そのまま彼女の銀髪を、ポンポンと優しく撫でた。
「……よく似合っている。やはりお前には、酒より笑顔の方がいい」
ドクンッ!!
ルナの時間が止まった。
クリームを拭われる(接触)。
頭を撫でられる(接触)。
そして、「笑顔がいい」という殺し文句。
†
「…………」
ルナはゆっくりと、勝利の笑みを浮かべてカウンターの女性陣を振り返った。
「……ふふ。……ふふふふふ!」
「な、なによその顔は」
ルチアナが嫌な予感を覚える。
ルナはスプーンをマイクのように突きつけた。
「見ましたか、おば……お姉様方!!」
彼女は叫んだ。
「龍魔呂は! 私にだけ! 『お触り』しましたわーッ!!」
「ぶっ!?」
全員が飲み物を吹き出した。
「クリームを拭うという高等テクニック! そして頭ポンポン! これは私が『守ってあげたい存在No.1』であるという証明! つまり実質的な本命ですわーッ!」
ルナの強引な三段論法。
だが、その物理的接触(スキンシップ)の多さは事実だ。
「キィィィッ! 生意気よこのチビっ子!」
「龍魔呂! 私の口にもクリームつけなさいよ! わざとつけるから拭きなさい!」
「私なんて全身クリームまみれになってもいいわよ!」
ルチアナ、ラスティア、フレアが殺気立ってクリームを要求する。
店内は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。
その騒ぎの中、セーラだけが静かに紅茶を啜りながら、微笑んでいた。
「ふふ……。龍魔呂さんって、本当に子供好きで面倒見がいいのね。……いいパパになりそう」
その一言が、龍魔呂の「父性(オカン属性)」を刺激することになるとは、まだ誰も気づいていなかった。
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