田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一

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第十四章 熱闘!男達の炒飯対決

EP 2

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【乱入】競馬場メシの財務卿 vs 竜王の火力
「甘いな、リュウ。貴様のラード使いは、まだ理性のブレーキがかかっている」
黒いスーツの男――財務卿ルーベンスが、不敵な笑みを浮かべて厨房に足を踏み入れた。
彼は懐から、怪しげな「銀色の小袋(謎の白い粉)」を取り出した。
「な、何だそれは……?」
リュウが手を止める。
「これは、帝都の競馬場の横にある、薄汚い中華屋台だけで流通している『魔法の粉(中毒性調味料)』だ」
「ま、魔法の粉ぉ!?」
カイトが震え上がる。
ルーベンスは遠い目をした。
「負けた日の競馬場帰り……。懐も心も寒い時に食べる、あの店の炒飯。古米の臭みを消すために大量に投入される胡椒、具材の少なさを誤魔化すための濃い味付け、そして脳髄を直撃するこの白い粉……!」
ルーベンスが、カイトの用意した中華鍋を奪い取る。
「それこそが、私の求める『背徳の炒飯』だ!」
ジュワァァァァッ!!
ルーベンスは、リュウ以上の油を鍋に注ぎ、さらに「魔法の粉」をドサッ! と投入した。
厨房に、食欲をそそると同時に、少し頭がクラクラするような刺激臭が広がる。
「くっ……! なんてジャンクな香りだ! 財務卿のくせに、舌が庶民すぎるぞ!」
リュウが驚愕する。
「黙れ! ストレス社会を生き抜くには、この『毒』が必要なのだよ!」
ルーベンスが鍋を振る。
ラードと謎の粉が舞い踊る、財務卿渾身のインモラル・クッキング。
だが、その時。
「――笑止!!」
ドォォォォォンッ!!!
厨房の奥から、凄まじい熱波が吹き荒れた。
あまりの熱さに、カイトの前髪がチリチリと焦げる。
「熱っ!? なに!?」
「炒飯の『炒』は、火偏に少ないと書く。……つまり、水分を飛ばし、極限まで火を通すことこそが真髄!」
黄金のオーラを纏って現れたのは、竜王デュークだった。
彼は腕組みをしたまま、第三のコンロの前に立った。
「貴様らの火力は、所詮ガスコンロの火遊びに過ぎん。……見せてやる。竜の『火力』というものを」
デュークがカッ! と口を開いた。
喉の奥で、赤熱した光が収束していく。
「え、ちょ、デュークさん!? ここ屋内だよ!?」
カイトが叫ぶが遅い。
「『竜王爆炎覇(ドラゴン・ブレス・フライ)』ッ!!!」
ゴォォォォォォォォッ!!!
超高熱のブレスが、中華鍋の米を一瞬で包み込んだ。
数千度。
鉄鍋が赤く発光し、米の水分が一瞬で気化する。
「おおお! 米が……米が空中で踊るどころか、浮いている!?」
リュウが実況する。
「爆発的な熱対流で、米粒が重力から解放されているのだ! ……これぞ、究極のパラパラ炒飯!」
デュークは鍋を振らない。
ただブレスの風圧と熱だけで、米をコントロールしている。
もはや料理ではない。製鉄所の光景だ。
「くっ……! 負けてたまるか!」
リュウがラードを追加投入する。
「この粉を食らえぇぇ!」
ルーベンスがさらに白い粉を振りかける。
「燃えろぉぉぉ!!」
デュークが火力を上げる。
カイト農場の厨房は、地獄の業火と、ラードの煙と、謎のスパイス臭が入り混じる、カオスな空間へと変貌した。
「けほっ……けほっ……! 目が、目がぁぁ!」
カイトは煙の中で涙目になっていた。
(僕の作りたかった、平和な黄金炒飯はどこへ……?)
だが、男たちの戦いは止まらない。
そこに、最強にして最恐の「料理番長」が、静かに包丁を研いで近づいてくることを、彼らはまだ知らない。
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