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EP 69
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港街のギルド、S級の来訪と海魔クラーケン
ポートセーリの最高級宿屋で、極上の朝食とふかふかのベッドを堪能した翌朝。
太郎は伸びをしながら、窓から活気ある港を見下ろした。
「さて……。せっかくだからさ、この街の冒険者ギルドに顔を出してみようよ」
「まぁ、太郎様ったら。バカンスに来ても冒険者としての血が騒ぐのですか?」
サリーがクスクスと笑う。
「ふふ、良いではありませんか。訛った体を動かすには丁度いい機会かもしれません。腕が鳴りますわ」
ライザは既にやる気満々で、腰の長剣を確認している。
こうして、お忍び(?)のS級パーティーは、潮の香りが漂うポートセーリの冒険者ギルドへと足を運んだ。
カランカラン♪
扉を開けると、そこは荒くれ者の船乗りや海の男たちで溢れていた。
カウンターに向かうと、けだるげな受付嬢が愛想笑いを浮かべた。
「はい、いらっしゃいませぇ。初めてのご依頼ですか? こちらに、お名前のご記入を~」
彼女は羊皮紙と羽根ペンを差し出した。
「えぇっと……佐藤太郎、っと」
太郎はサラサラと署名し、ギルドカードを添えて渡した。
「はい、確認いたしますね~。……えーっと、サトウタロウ様……」
受付嬢の動きが止まった。
彼女はカードの輝き(S級の証であるプラチナ色)と、書類の名前を二度見、三度見した。
「……はい? ……さ……佐藤太郎様!?」
彼女の声が裏返った。
「えっ、あのドラゴンスレイヤーの!? アルクス領主の!? S級冒険者の佐藤太郎様ぁっ!?」
ガタンッ!!
受付嬢は驚きのあまり椅子から転げ落ち、尻餅をついた。
ギルド内が一瞬で静まり返り、全員の視線が太郎に突き刺さる。
「ギ、ギルドマスターあああああ!! 大変ですぅぅぅ!!」
彼女は髪を振り乱しながら、奥の部屋へと駆け込んでいった。
数分後。
太郎たちは、ギルドの奥にある豪華な応接室に通されていた。
向かいには、冷や汗を拭いながら揉み手をする恰幅の良い男、ギルドマスターが座っていた。
「いやはや……こんな田舎ギルドに、今をときめく英雄・太郎様御一行がいらっしゃるとは……! 事前にご連絡いただければ、レッドカーペットをご用意しましたものを!」
「いやいや、お気遣いなく。プライベートで遊びに来ただけですから」
太郎は出された茶を啜った。
「それで、どうせなら何か手伝おうかと思ってね。面白い依頼、ないかな?」
S級冒険者が自ら依頼を聞いてくれる。
ギルドマスターにとって、これほどの僥倖はない。彼は表情を引き締め、一枚の依頼書をテーブルに出した。
「そうですねぇ……。我々の手に余る、緊急かつ最重要案件がございます。……**『クラーケン』**の討伐依頼です」
「クラーケンですか」
ライザが眉をひそめた。
巨大なイカやタコの姿をした海魔。海中においてはドラゴンすら絡め取るという厄介なモンスターだ。
「はい。ここ数日、沖に出た漁船や商船が相次いで沈められておりまして……。海の中に逃げられると手出しができず、困っているのです」
「海の中か……。足場はどうするんですか? 私達は空を飛べますけど、戦うなら船の手配が必要ですわ」
サリーが実務的な質問をする。
「はい! もちろん、こちらで最も頑丈な軍船をご用意させて頂きます! 囮となる船で誘き出し、そこを叩いていただければ……!」
「海上戦か……面白い」
太郎はニヤリと笑った。
彼の脳裏には、またしても「食欲」が鎌首をもたげていた。
(クラーケン……つまり、超巨大なイカだよな? あの足を焼いて、醤油を垂らして……**『イカ焼き』**にしたら、死ぬほど食えるんじゃないか?)
天ぷら、刺身ときて、次は屋台の味だ。
「この依頼を受けます。街の平和と、僕の……いや、皆の安全のために」
「おぉぉ! 流石は英雄様! ありがとうございます!」
ギルドマスターは涙ぐんで感謝した。
まさか太郎が、巨大なイカリングとイカ焼きのことしか考えていないとは露知らず。
「よし、ライザ、サリー。今夜のおかずを釣りに行くぞ!」
「はい! 大船に乗ったつもりで任せてください!」
「腕が鳴ります!」
こうして、太郎一行対伝説の海魔クラーケン。
仁義なきグルメ海上決戦の火蓋が切られようとしていた。
ポートセーリの最高級宿屋で、極上の朝食とふかふかのベッドを堪能した翌朝。
太郎は伸びをしながら、窓から活気ある港を見下ろした。
「さて……。せっかくだからさ、この街の冒険者ギルドに顔を出してみようよ」
「まぁ、太郎様ったら。バカンスに来ても冒険者としての血が騒ぐのですか?」
サリーがクスクスと笑う。
「ふふ、良いではありませんか。訛った体を動かすには丁度いい機会かもしれません。腕が鳴りますわ」
ライザは既にやる気満々で、腰の長剣を確認している。
こうして、お忍び(?)のS級パーティーは、潮の香りが漂うポートセーリの冒険者ギルドへと足を運んだ。
カランカラン♪
扉を開けると、そこは荒くれ者の船乗りや海の男たちで溢れていた。
カウンターに向かうと、けだるげな受付嬢が愛想笑いを浮かべた。
「はい、いらっしゃいませぇ。初めてのご依頼ですか? こちらに、お名前のご記入を~」
彼女は羊皮紙と羽根ペンを差し出した。
「えぇっと……佐藤太郎、っと」
太郎はサラサラと署名し、ギルドカードを添えて渡した。
「はい、確認いたしますね~。……えーっと、サトウタロウ様……」
受付嬢の動きが止まった。
彼女はカードの輝き(S級の証であるプラチナ色)と、書類の名前を二度見、三度見した。
「……はい? ……さ……佐藤太郎様!?」
彼女の声が裏返った。
「えっ、あのドラゴンスレイヤーの!? アルクス領主の!? S級冒険者の佐藤太郎様ぁっ!?」
ガタンッ!!
受付嬢は驚きのあまり椅子から転げ落ち、尻餅をついた。
ギルド内が一瞬で静まり返り、全員の視線が太郎に突き刺さる。
「ギ、ギルドマスターあああああ!! 大変ですぅぅぅ!!」
彼女は髪を振り乱しながら、奥の部屋へと駆け込んでいった。
数分後。
太郎たちは、ギルドの奥にある豪華な応接室に通されていた。
向かいには、冷や汗を拭いながら揉み手をする恰幅の良い男、ギルドマスターが座っていた。
「いやはや……こんな田舎ギルドに、今をときめく英雄・太郎様御一行がいらっしゃるとは……! 事前にご連絡いただければ、レッドカーペットをご用意しましたものを!」
「いやいや、お気遣いなく。プライベートで遊びに来ただけですから」
太郎は出された茶を啜った。
「それで、どうせなら何か手伝おうかと思ってね。面白い依頼、ないかな?」
S級冒険者が自ら依頼を聞いてくれる。
ギルドマスターにとって、これほどの僥倖はない。彼は表情を引き締め、一枚の依頼書をテーブルに出した。
「そうですねぇ……。我々の手に余る、緊急かつ最重要案件がございます。……**『クラーケン』**の討伐依頼です」
「クラーケンですか」
ライザが眉をひそめた。
巨大なイカやタコの姿をした海魔。海中においてはドラゴンすら絡め取るという厄介なモンスターだ。
「はい。ここ数日、沖に出た漁船や商船が相次いで沈められておりまして……。海の中に逃げられると手出しができず、困っているのです」
「海の中か……。足場はどうするんですか? 私達は空を飛べますけど、戦うなら船の手配が必要ですわ」
サリーが実務的な質問をする。
「はい! もちろん、こちらで最も頑丈な軍船をご用意させて頂きます! 囮となる船で誘き出し、そこを叩いていただければ……!」
「海上戦か……面白い」
太郎はニヤリと笑った。
彼の脳裏には、またしても「食欲」が鎌首をもたげていた。
(クラーケン……つまり、超巨大なイカだよな? あの足を焼いて、醤油を垂らして……**『イカ焼き』**にしたら、死ぬほど食えるんじゃないか?)
天ぷら、刺身ときて、次は屋台の味だ。
「この依頼を受けます。街の平和と、僕の……いや、皆の安全のために」
「おぉぉ! 流石は英雄様! ありがとうございます!」
ギルドマスターは涙ぐんで感謝した。
まさか太郎が、巨大なイカリングとイカ焼きのことしか考えていないとは露知らず。
「よし、ライザ、サリー。今夜のおかずを釣りに行くぞ!」
「はい! 大船に乗ったつもりで任せてください!」
「腕が鳴ります!」
こうして、太郎一行対伝説の海魔クラーケン。
仁義なきグルメ海上決戦の火蓋が切られようとしていた。
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