スキル『100円ショップ』で異世界暮らし。素材回収でポイント貯めて、美味しいご飯と便利グッズで美少女たちとスローライフを目指します

月神世一

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第四章 新たな秩序

EP 9

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鉄と炎の咆哮、そして死者の行進
【太郎国・正門前防衛ライン】
地平線を埋め尽くす黒い影。
魔王グレンデル率いる10万の魔獣軍団が、地響きと共に迫りくる。
普通の国なら、その光景だけで戦意を喪失し、降伏を選ぶだろう。
だが、城壁の上に立つ太郎の瞳に恐怖はなかった。
「……来たか」
太郎は静かに手を挙げ、隣に立つ指揮官へ合図を送った。
「準備はいいな? ライザ」
「えぇ。いつでも抜けますわ」
第二夫人にして総司令官、ライザが剣を掲げ、凛とした声で号令を発した。
「総員、構えッ!! 兵器『魔導カノン』、照準固定!」
城壁にズラリと並んだのは、マルスと職人たちが不眠不休で作り上げた、巨大な金属の筒。
装填されているのは、太郎の『必殺の矢』の弾頭部分を巨大化させ、魔石で増幅させた特製砲弾だ。
「引き付けろ……まだだ……今だッ!!」
ライザが剣を振り下ろす。
「放てぇぇぇぇッ!!」
ドォン! ドォン! ドォン!!
腹に響く発射音と共に、砲弾が唸りを上げて飛翔する。
それらは魔獣軍団の前衛部隊――オークやオーガの密集地帯へと吸い込まれた。
ドガガガガアアアアアアアアンンッ!!!!
着弾した瞬間、戦場に太陽が落ちたかのような閃光が走った。
直径数百メートルに及ぶ巨大な爆炎が上がり、数千の魔物が悲鳴を上げる間もなく蒸発する。
「な、なんだあの威力は!?」
「前衛が消し飛んだぞ!?」
後続の魔獣たちが恐怖で足を止める。
「休ませるな! 次は空だ!」
ライザが空を指差す。
爆煙の上空から、グリフィンやガーゴイルの群れが急降下しようとしていた。
「対空部隊! 『必殺のバリスタ』、斉射!!」
城壁の各所に設置された巨大な石弓が火を噴く。
放たれたのは矢ではない。追尾機能を付与された爆裂杭だ。
シュバババババッ!!
ドチュン! ドチュン!!
「ギャァッ!?」
空中で杭に貫かれたグリフィンたちが、次々と花火のように爆散していく。
空を覆っていた黒い雲が、一瞬で晴れた。
「物理攻撃の次は魔法ですわ! サリー!」
「はい! 魔法兵団、詠唱開始!」
第一夫人サリーが、数百人の魔導師部隊を指揮する。
彼女たちは一糸乱れぬ動きで杖を掲げた。
「我等の王土を汚す者共に、浄化の炎を! 合成魔法……」
サリーの杖の先に、巨大な魔法陣が展開される。
「『プロミネンス・シュート(紅蓮の豪雨)』!!」
空から無数の火球が降り注ぐ。
それは砲撃を生き延びた魔物たちを正確に捉え、その体を灰へと変えていく。
圧倒的な火力。近づくことすら許さない鉄壁の防御。
「よし! 敵陣形、崩壊しました!」
ライザが好機を見逃すはずがない。
「騎士団、抜刀! 突撃ぃぃッ!! 一匹残らず狩り尽くせ!!」
「「「ウオオオオオオッ!!」」」
城門が開き、全身をミスリル装備で固めた太郎国騎士団が雪崩れ込んだ。
彼らは全員がAランク冒険者クラスの実力者。混乱した魔獣など敵ではない。
ズバッ! ザシュッ!
「弱い! 弱すぎるぞ!」
「これが太郎国の力だ!」
騎士団が魔王軍を蹂躙していく。
10万の軍勢は、またたく間に半減し、死体の山が築かれていった。
「勝てる……! デューク達がいなくても、僕たちだけで!」
城壁の兵士たちが勝利を確信し、歓声を上げようとした。
しかし。
戦場の奥深く、禍々しい玉座のような輿(こし)に乗った巨人が、低い笑い声を上げた。
「フハハハ……。勝ったつもりか? 人間風情が」
暴虐王グレンデル。
彼は自軍が虐殺されている光景を見ても、眉一つ動かさなかった。
「所詮は雑兵。道具(コマ)など、幾らでも作れるのだよ」
グレンデルが指を鳴らした。
すると、地面に転がっていたオークの死体、グリフィンの羽、爆散した肉片が、ドロリとした黒い液体となって動き出した。
ズズズズズ……グチャリ……
「な、なんだ!?」
突撃していた騎士たちが足を止める。
「融合せよ。再生せよ。そして喰らい尽くせ」
グレンデルの号令と共に、死体同士が不気味に絡み合い、融合していく。
オークの体にグリフィンの翼が生え、オーガの腕が三本生えた、醜悪な肉の塊。
死すら超越した**「合成不死魔獣(キメラ・ゾンビ)」**が、次々と起き上がった。
「ア……アァ……コロ……ス……」
先ほど倒したはずの敵が、より強く、より醜い姿で蘇る。
物理的な痛みを感じず、斬っても斬っても再生する悪夢の軍団。
「ひっ……!?」
「し、死なないぞコイツら!」
「フハハハ! さぁ第二ラウンドだ。我が『玩具』たちよ、存分に踊れ!」
戦況が一変する。
太郎たちの兵器は「生物」には効く。だが、「死なない怪物」を相手に、弾薬と魔力は持つのか。
本当の地獄は、ここからだった。
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