スキル『100円ショップ』で異世界暮らし。素材回収でポイント貯めて、美味しいご飯と便利グッズで美少女たちとスローライフを目指します

月神世一

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第四章 新たな秩序

EP 43

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雷光の剣と、最強夫婦の勝利
​【天魔窟・最下層「奈落の玉座」】
​物理攻撃には硬化し、魔法攻撃には霧散する。
攻守変幻自在のジェルゴーレムに対し、太郎は戦況を見極め、叫んだ。
​「サリー! ライザ! 奴の特性を逆手に取るんだ!」
​太郎の声がドームに響く。
​「奴は『物理無効(硬化)』の時は動けず、『魔法無効(霧散)』の時は実体がない! ……逆に言えば、硬化している時に魔法を、霧散している時に広範囲物理をぶつければいい! ……いや、もっと単純だ!」
​太郎は確信を持って指示を出した。
​「逃げ場を奪って、物理と魔法を同時に叩き込めばいい! それが勝ち筋だよ!」
​「分かりましたわ! 旦那様の策、信じます!」
​サリーが杖を高く掲げた。彼女の瞳が知的な光を宿す。
​「貴方のその『重さ』が命取りです! 大地よ、顎(あぎと)を開け! 『流砂地獄(サンド・マジック)』!」
​ズズズズズズッ……!!
​ジェルゴーレムの足元のタイルが砕け、巨大な蟻地獄のような流砂が発生した。
質量のあるジェルゴーレムは、その重さゆえに一気に膝まで沈み込む。
​「グオッ!?」
​「逃がしませんわよ! 追撃です! 『水龍の鉄槌(ウォーター・スプレッド)』!!」
​サリーの杖から、大量の水流が奔流となって流砂に注ぎ込まれた。
砂は瞬く間に重く粘り気のある「泥沼」へと変化する。
ジェルゴーレムが逃げようと分散を試みるが、泥の粘度と水圧がそれを許さない。
​「今だ! ライザ!」
「任せて!」
​ライザが大地を蹴った。
その手には、蒼く輝く『竜殺しの魔剣』。
​「私の全闘気を注ぐ!」
​ライザの体から、黄金色のオーラが噴き出し、剣へと収束していく。物理破壊力を極限まで高めた一撃。
​そこへ、サリーが援護の魔法を飛ばした。
​「おまけよ! 愛の痺れを受けなさい! 『紫電(サンダー)』!!」
​バチバチバチバチッ!!
​サリーの放った雷撃が、ライザの魔剣に纏わりついた。
物理最強の剣に、高出力の雷魔法が付与される。
さらに、足元の泥沼は水を含んでいるため、雷の伝導率は最高だ。
​「行くぞ! 必殺!」
​ライザが跳躍した。
ジェルゴーレムは迫りくる刃に対し、反射的に体を収縮させ、ダイヤモンドよりも硬く「硬質化」して防御態勢を取った。
​だが、それこそが狙いだった。
硬化した物質は、衝撃と雷撃をより良く通す!
​「剣技!! 『雷光一閃(ライトニング・ブレイク)』!!!!」
​ドガガガガガアアアアアアアアンンッ!!!!
​閃光が走った。
ライザの電光石火の踏み込み斬りが、ジェルゴーレムの硬化したボディを捉えた。
​物理的な切断力が装甲をこじ開け、そこからサリーの雷撃が内部へと侵入し、核を焼き尽くす。
硬いがゆえに衝撃を逃がせず、濡れているがゆえに雷が全身を駆け巡った。
​「グ……ガ……アァァァァッ!!」
​断末魔と共に、ジェルゴーレムの全身から黒煙が噴き出した。
核を破壊された魔人は、黒焦げの炭素の塊となり、ガラガラと崩れ落ちて消滅した。
​静寂が戻る。
​「……やったぁぁ!」
サリーが杖を掲げて歓声を上げた。
​「よし! 手応えあり!」
ライザも剣を納め、汗をぬぐってガッツポーズをする。
​太郎が二人に駆け寄った。
「流石だ、サリー、ライザ。完璧な連携だったよ」
​太郎は二人の肩を抱いた。
「やっぱり君たちは、僕の自慢の奥さんだ」
​「た、太郎様ぁ♡」
「も、勿体ないお言葉……!」
​二人が頬を赤らめて太郎に密着する。
勝利の喜びと愛の重さが心地よい。
​その背後で。
未だに服が焦げたままのフレアが、腕を組んでフンと鼻を鳴らした。
​「まぁ……まぁまぁですわね」
​フレアは煤けた顔で強がった。
「私が体を張って(物理的に)道を作ったお陰ですわ。感謝して頂きたいものです」
​「あはは、分かってるよ。フレアが一番の功労者だ」
太郎が苦笑いしてフレアも抱き寄せた。
​「ひゃっ!? ……ま、まぁ、旦那様がそう仰るなら、許してあげなくもありませんわ」
​こうして、世界最難関ダンジョン『天魔窟』は、太郎一家の絆(とフレアの犠牲)によって完全攻略されたのであった。
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