廻・骸行進

メカ

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廻・霊視鑑定人「X氏」の話

「洞穴で啼く女」 終

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X氏らが発見したこの「洞穴」についてだが・・・。
X氏の霊視鑑定によっていくつかの事が分かった。

前述した通り、この「洞穴」は戦前「防空壕」の代わりとして使われた小さな洞窟だったはずだ。と。
当初、この洞穴はワンルームサイズの部屋程の規模しかなかったはずだ。
しかし、その時X氏らの眼前に広がっていたのは、それを優に超える広さで
奥はライトなしにはどこまで続いているのか分からない程だった。

X氏は言う。

「元々は、防空壕の代わりとして15人程度が入れれば良い程度の穴だったんだろうね。
でもね・・・この洞穴は正式に防空壕として認知されてなかったんじゃないかな。
当時、その近辺を拠点にしていた軍人が、倉庫程度に使ってただけの穴だったんだろうね。
それ故に、戦後は兵士が撤退し・・・その洞穴は住民達には忘れ去られていたはずだ。
戦後しばらくしてから、とある新興宗教の団体によってその洞穴は発見され
これは都合がいい。と手彫りで広さを確保していった結果だろう。
恐らく、何らかの会合(ミサ)や儀式の場として使われていたに違いない。
それも、一部の過激派にしか知らされていなかったことだろうね。」

その洞穴は歴史的にも怪しい部分を孕んだまま、使われる事が無くなった。

だが・・・X氏は続けて言う。

「ここで・・・女性が亡くなっているのが見えた。」

その声のトーンは、珍しく暗いものを感じた。

無理もない。
その女性の死にざまを聞いた私ですら、その惨状に目を覆いたくなる思いだ。

「女性には交際していた男が居た。
彼(大橋)らと同じように、肝試しでトンネルに来た道中で
女性がこの洞穴を見つけたようだ。
それからというもの・・・あまり宜しくない使い方をしていたようだね・・・。
・・・その・・・プレイの一環として。」

そこまで聞けば、大体は想像が付く。

心霊スポットに行くと、結構な割合でそういった・・・いわば興奮を別の形で発散する輩が居る。

そして、どうやら
亡くなった女性も、男性とそういった行為に及んでいたようだ。

だが・・・その興奮は長くは続かなかった。

男性側の唐突な裏切り・・・。

殆ど誰も来ない、人目にもつかない。叫んでも人通りすらない・・・そんな場所。

ある日、女性は複数の男性に待ち伏せされ、付き合っていた男によって売春を強要させられた。

抵抗すれば暴行され、我に返った時には地べたに這い蹲っている。

誰かに話せば、仲間と共有している証拠をばらまくと脅され従う他なかった。

行為はどんどんエスカレートしていき
最初は2~3人程度だった相手が、気付けば二桁を相手にすることがザラになった。

金を受け取り行為を眺め、ほくそ笑む男に殺意が湧く。

・・・そうして、我慢の限界を迎えた女性は大暴れ。
・・・しかし、抵抗むなしく彼女は袋叩きにされ両足を折られ
発覚を恐れた男によって半死状態のまま、その洞穴に捨てられた。

・・・そして、その女性は無念の言葉を吐き続け息絶える。

これが「洞穴」に纏わる真実である。

それを聞いた大橋らは顔面が真っ青だったそうだ。

・・・そう、入院を余儀なくされた友人もまた・・・「女癖」の悪い「悪友」だったのだ。
彼らはそれを以前から知っていた。
だからこそ・・・「女の怨み」をモロに受けたであろう「友人」の末路に

「次は自分たちかもしれない。」と恐れ慄いた。

幸い、彼らは生真面目な部類だった。

X氏からの「恥じない生き方を」という教えの元、今でも元気に過ごしている事だろう・・・。
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