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大臣「マルタン」
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「陛下!陛下は何処か!」
「だ、大臣様!そんなに急がれて何を・・・。」
「おぉ、其方。国王陛下をお見掛けしなかったか!?」
「陛下なら、テラスで第三王子と談笑中です。」
「そうか、分かった。すまんな。」
顎髭を胸元の長さまで蓄え、杖を突きながら急ぐ老人。
彼の名は「マルタン」
この国の総務大臣である。
現王「アンドラ」の元世話係をしており、現在でも片腕として徴用されている重要人物だ。
また、唯一現王が頭の上がらない人物としても名高い。
「陛下!」
「ん?マルタン。良い処に。今、オービスに総務省の事を・・・。」
「そんな事よりも、陛下!」
「お、おぉ・・・。どうしたというのだ。マルタン。」
「第一王女ジュナ様のお世話役。どうかこのマルタン、お役目を下りとうございます!」
「なんと・・・。王家の事はマルタンが一番に思っていると信じ、任せているのだが・・・。」
「良いですか、陛下。ジュナ様がこの城にきて早一ヶ月。
ご兄弟との喧嘩の数32回、城からの脱走に至っては58回にも及びます!衛兵たちも手を焼いているのです。」
「はっはっはっは。流石は我が娘よ。」
「陛下!このマルタン。国民のため政務もあります。これ以上の厄介ごとはこの老骨には響きます。」
「マ、マルタン様ぁ!」
「ん?なんだ。陛下の御前だぞ!」
「も、申し訳ありません!し・・・しかし・・・。」
「良い、話してみよ。」
「っは!・・・先ほど、ジュナ様が・・・脱走された模様です!」
「な、何だとぉ!」
「う~む、わが娘ながら中々やりよる。」
「兵を動員しても構わん、直ぐに連れ戻すのだ。」
「っは!」
「陛下、このように毎日のように事を起こされては政務にも響きます。」
「分かった、分かった。手の空いている者を代わりにお目付け役にしよう。」
「良かった。・・・しかし陛下、手の空いて居る者に心当たりが?」
「うむ。ブレアだ。」
「な・・・ブレアですと!?」
「あ奴であれば、打ってつけだろう。」
「しかし、陛下!あの者、一時は騎士公まで上り詰め、ある時を境に武術大会でも最弱として
名を馳せた男ですよ!?」
「あの者、知恵者ではあるが如何せん、腕に難ありと聞き及んでいる。」
「そんな者を護衛につけるなど・・・反対です。姫様にもしもの事があれば・・・。」
「まぁ、待て。マルタン。あ奴とて能力はある者なのだ。少し様子を見よう。」
「・・・陛下がそれで良いと申されるなら・・・マルタン、黙認としましょう。」
「すまんな。じぃ。」
そして、マルタンは国王の元から離れ政務へと向かうのであった。
「だ、大臣様!そんなに急がれて何を・・・。」
「おぉ、其方。国王陛下をお見掛けしなかったか!?」
「陛下なら、テラスで第三王子と談笑中です。」
「そうか、分かった。すまんな。」
顎髭を胸元の長さまで蓄え、杖を突きながら急ぐ老人。
彼の名は「マルタン」
この国の総務大臣である。
現王「アンドラ」の元世話係をしており、現在でも片腕として徴用されている重要人物だ。
また、唯一現王が頭の上がらない人物としても名高い。
「陛下!」
「ん?マルタン。良い処に。今、オービスに総務省の事を・・・。」
「そんな事よりも、陛下!」
「お、おぉ・・・。どうしたというのだ。マルタン。」
「第一王女ジュナ様のお世話役。どうかこのマルタン、お役目を下りとうございます!」
「なんと・・・。王家の事はマルタンが一番に思っていると信じ、任せているのだが・・・。」
「良いですか、陛下。ジュナ様がこの城にきて早一ヶ月。
ご兄弟との喧嘩の数32回、城からの脱走に至っては58回にも及びます!衛兵たちも手を焼いているのです。」
「はっはっはっは。流石は我が娘よ。」
「陛下!このマルタン。国民のため政務もあります。これ以上の厄介ごとはこの老骨には響きます。」
「マ、マルタン様ぁ!」
「ん?なんだ。陛下の御前だぞ!」
「も、申し訳ありません!し・・・しかし・・・。」
「良い、話してみよ。」
「っは!・・・先ほど、ジュナ様が・・・脱走された模様です!」
「な、何だとぉ!」
「う~む、わが娘ながら中々やりよる。」
「兵を動員しても構わん、直ぐに連れ戻すのだ。」
「っは!」
「陛下、このように毎日のように事を起こされては政務にも響きます。」
「分かった、分かった。手の空いている者を代わりにお目付け役にしよう。」
「良かった。・・・しかし陛下、手の空いて居る者に心当たりが?」
「うむ。ブレアだ。」
「な・・・ブレアですと!?」
「あ奴であれば、打ってつけだろう。」
「しかし、陛下!あの者、一時は騎士公まで上り詰め、ある時を境に武術大会でも最弱として
名を馳せた男ですよ!?」
「あの者、知恵者ではあるが如何せん、腕に難ありと聞き及んでいる。」
「そんな者を護衛につけるなど・・・反対です。姫様にもしもの事があれば・・・。」
「まぁ、待て。マルタン。あ奴とて能力はある者なのだ。少し様子を見よう。」
「・・・陛下がそれで良いと申されるなら・・・マルタン、黙認としましょう。」
「すまんな。じぃ。」
そして、マルタンは国王の元から離れ政務へと向かうのであった。
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