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バックレ
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朝8時。
集合の時刻を過ぎても尚、俺達の班が全員集まる事は無かった。
それは、他の班も同様である。
「ねぇ、リーダーぁ。そろそろ出発しないと間に合わないよぉ。」
木島沙耶の圧力にも近い訴えは鼓膜にちゃんと届いている。
が、この状況を良くないと判断した俺は一人の世界に浸っていた。
「虹色!」
「うぇ!?あ、あぁ・・・時間も勿体ないし行きましょう。」
正春に強く肩を引かれて漸く戻って来る始末だ。
だが、無理もない。
この半年間、緊張を張りっぱなしで生活してきたんだ。
ゾンビの一件から夜も眠れない。そんな人たちが居たって不思議じゃない。
所が、ゾンビ襲撃には条件があり、その条件とは気温が関係していると分かれば
人々の緊張は一瞬で切れてしまうさ。
現に、俺達の班は20人中15人しか集まっていない。
それでも多い方なのだ。
その理由は、俺が探索を午前中で切り上げ、午後は自由時間としている事で
彼らも納得して来てくれているからだ。
「なぁ、正春?」
「なんだ?」
「このまま、探索してる意味ってあるのかなぁ・・・。」
「は?」
「だって、この半年間ずっと、俺達は学校周辺を探ってるだろ?」
「まぁな。」
「ほかの班だって、同じじゃん?だったら調べ尽くした後ってどうするんだろうか。」
「・・・。」
「そもそも、何を調べるの?」
「そ、そりゃ・・・。食料調達とかさ・・・。」
「そんなの1か月もありゃ調べ尽くしちゃうでしょうよ。総勢200人近くで荒らしてたんだしさ。」
「・・・確かに。」
最初の2~3か月もあれば、食料調達や周囲の環境把握など概ね終わってしまう。
赤い雨の発生条件が不明だった分、どの班も行動範囲は狭めていたし
そんな中、お互いが鉢合わせない方が可笑しい・・・。
「!」
その理屈に至った時、俺はある事に気付いた。
そう、今まで俺達はどの班にも鉢合わせっていない。
つまり、外の探索が始まった傍からバックレている連中が居るという事だ。
そもそも、地球がこんな高温環境で食料が傷まない訳がない。
そんな中、新鮮な食料など転がっているとも思えない。非常食を備えた家など早々見つかる物でもない。
俺達がクソ真面目にやっていた事は唯の散歩だ。
いや、それよりも酷いものかもしれない。
「皆!すぐ学校に戻るよ!他に散った班員も集めて!」
「どうしたんだよ、虹色。」
「いいから。早く!」
一同は、学校に戻り俺はこれまで探索を共にしてくれた15人に仮説を話す事にした。
「皆、急にゴメン。でも重要な事が分かったかもしれない。」
「黙っててやるから、すぐ話せよ。虹色。」
「おう。」
最近、探索人員にバックレが多い事、そしてそれが探索開始時から一定数居たかもしれない事
そして、俺達が探索していた事がほぼ無価値である事
それだけではなく、最悪なパターンとしてゾンビの撒き餌にされていた事を俺は語った。
「そ、それって・・・。」
「おい、リーダー。俺達がゾンビの餌って・・・どういう事だよ。」
一人の青年が立ち上がり叫ぶように訴えかけてきた。
『山崎 勝司』
これまで、俺達の班を陰で支えていた功労者だ。
彼の気配りで班の探索を午前中のみで切り上げる事を提案するに至った。
彼がメンバーの意見を聞き出していなければ、こうは出来なかった。
「ここからは更に俺の独断と偏見で仮説を語る事になる・・・。それでも聞きたければ残ってくれ。
聞きたくない人は、教室をでて昼食へ・・・。」
だが、ここまで聞いて出て行く者など居なかった。
集合の時刻を過ぎても尚、俺達の班が全員集まる事は無かった。
それは、他の班も同様である。
「ねぇ、リーダーぁ。そろそろ出発しないと間に合わないよぉ。」
木島沙耶の圧力にも近い訴えは鼓膜にちゃんと届いている。
が、この状況を良くないと判断した俺は一人の世界に浸っていた。
「虹色!」
「うぇ!?あ、あぁ・・・時間も勿体ないし行きましょう。」
正春に強く肩を引かれて漸く戻って来る始末だ。
だが、無理もない。
この半年間、緊張を張りっぱなしで生活してきたんだ。
ゾンビの一件から夜も眠れない。そんな人たちが居たって不思議じゃない。
所が、ゾンビ襲撃には条件があり、その条件とは気温が関係していると分かれば
人々の緊張は一瞬で切れてしまうさ。
現に、俺達の班は20人中15人しか集まっていない。
それでも多い方なのだ。
その理由は、俺が探索を午前中で切り上げ、午後は自由時間としている事で
彼らも納得して来てくれているからだ。
「なぁ、正春?」
「なんだ?」
「このまま、探索してる意味ってあるのかなぁ・・・。」
「は?」
「だって、この半年間ずっと、俺達は学校周辺を探ってるだろ?」
「まぁな。」
「ほかの班だって、同じじゃん?だったら調べ尽くした後ってどうするんだろうか。」
「・・・。」
「そもそも、何を調べるの?」
「そ、そりゃ・・・。食料調達とかさ・・・。」
「そんなの1か月もありゃ調べ尽くしちゃうでしょうよ。総勢200人近くで荒らしてたんだしさ。」
「・・・確かに。」
最初の2~3か月もあれば、食料調達や周囲の環境把握など概ね終わってしまう。
赤い雨の発生条件が不明だった分、どの班も行動範囲は狭めていたし
そんな中、お互いが鉢合わせない方が可笑しい・・・。
「!」
その理屈に至った時、俺はある事に気付いた。
そう、今まで俺達はどの班にも鉢合わせっていない。
つまり、外の探索が始まった傍からバックレている連中が居るという事だ。
そもそも、地球がこんな高温環境で食料が傷まない訳がない。
そんな中、新鮮な食料など転がっているとも思えない。非常食を備えた家など早々見つかる物でもない。
俺達がクソ真面目にやっていた事は唯の散歩だ。
いや、それよりも酷いものかもしれない。
「皆!すぐ学校に戻るよ!他に散った班員も集めて!」
「どうしたんだよ、虹色。」
「いいから。早く!」
一同は、学校に戻り俺はこれまで探索を共にしてくれた15人に仮説を話す事にした。
「皆、急にゴメン。でも重要な事が分かったかもしれない。」
「黙っててやるから、すぐ話せよ。虹色。」
「おう。」
最近、探索人員にバックレが多い事、そしてそれが探索開始時から一定数居たかもしれない事
そして、俺達が探索していた事がほぼ無価値である事
それだけではなく、最悪なパターンとしてゾンビの撒き餌にされていた事を俺は語った。
「そ、それって・・・。」
「おい、リーダー。俺達がゾンビの餌って・・・どういう事だよ。」
一人の青年が立ち上がり叫ぶように訴えかけてきた。
『山崎 勝司』
これまで、俺達の班を陰で支えていた功労者だ。
彼の気配りで班の探索を午前中のみで切り上げる事を提案するに至った。
彼がメンバーの意見を聞き出していなければ、こうは出来なかった。
「ここからは更に俺の独断と偏見で仮説を語る事になる・・・。それでも聞きたければ残ってくれ。
聞きたくない人は、教室をでて昼食へ・・・。」
だが、ここまで聞いて出て行く者など居なかった。
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