幻・骸行進

メカ

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投稿主「メカ」の話

「ヒトコワ」 : 知らぬが仏 1

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今回の話は、タイトルにある通りの「ヒトコワ」が題材の話である。

某県にあるスポットについて、調査に出向いた際の話だ。
依頼者の名前は「末野さん(仮名)」。男性だ。

彼は、友人に半ば強引に誘われる形で「スポット」に向かったそうだ。

・・・と言っても、今回語っている「スポット」は「心霊スポット」ではない。

場所の特定を避けるため多くは語れないが
歴史的背景があるにも拘わらず、打ち捨てられてしまった場所・・・。
とだけ記しておく。

一部の歴史好き・廃墟マニアは一目見ようと訪れる場所・・・だそうだ。

なぜその様な場所の依頼があったのか・・・。

その理由は・・・現場で、予期せぬ事が起きてしまったのだ・・・。

彼らは日中にその場を訪れていたという。
末野さんを含む5人のメンバーで、凡そ1時間ほど周辺を探索していたそうだ。

だが、そもそも場所が場所なだけに
何かが起こる訳もなく、帰ろうとしていた矢先の事だった。

周辺の雑木林から、複数の音を聞いたという。

それは、紛れもなく「枯葉を踏み鳴らす音」だったという。
中には、枝を踏み折る音も交じっていたとか。

場は一瞬で凍った。
そのはずだ。雑木林が広がっているとはいえ、時刻は日中だ。
軽く周囲を見渡せば、人や動物の気配は察知できる。
ましてや、複数の音だ。
必ず視界の何処かで「何かが動く」のを捉える事が適うはずだ。
しかも、人数は独りではなく5人も居る。
誰かしらが、何かを見つけられる。・・・はずだった。

十数秒の沈黙。
その間、誰一人口を開かなかった。
・・・誰も「何も見つけられなかった」からだ。

そのうちの一人がようやく口を開く。

「・・・そろそろ帰るか・・・何もねぇし。」

「そうだな。」

周囲のメンバーも皆、賛同する。

その日は何事もなく、帰路に着いたそうだが
異変は翌朝に起きた。

「・・・ない・・・。」

彼には、数年前に亡くなった兄が居たそうだ。

そして、その兄から晩年に託された遺品。それを彼はお守り代わりにと常に持ち歩いていた。

・・・その兄の遺品が・・・ないのだ。

昨日の今日だ。
心当たりは一つしかない。

大慌てで、友人へ連絡を入れたそうだが
その友人は電話に出なかったそうだ。

・・・その友人は、昨晩の内に「失踪」を遂げていた。

彼の家族の話では、5人で出かけた後
一度も家に帰ってきていなかったのだという。
家族が異変だと思い騒いだ時にはもう夜も遅く、捜索願を出しつつも
残る4人のメンバーへの連絡は朝にしようと会話していたそうだ。

その折に、末野さんは「先に」電話をかけていた訳だ。

後から、見慣れない番号から連絡が入り
それが、失踪した友人の家族であった事から事態を把握したという。

・・・そして、私に届いた依頼内容というのが

「件のスポットに行き、兄の形見を探してほしい。」という願いであった・・・。
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