幻・骸行進

メカ

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「堂島君」の話。

「入らずの間」 2

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「菊池」が送ってきたとされるメールについて
私は「堂島君」に回答を求めた。

菊池は、祖父母宅へ友人を招き
楽しく遊んでいた事だろう。
その結果、時間を忘れ・・・気付けば朝になっていた。など
私でも経験がある「若気の至り」というものであろう。

だが・・・「堂島君」から送られてきた回答は「違った」のだ。

「彼(菊池)が言うには、10時半ごろ。友人の一人がトイレに立ったそうだ。
その時は何ともなかったそうだが
その凡そ10分後。客間に用意されていた飲み物が底を尽きたから。と
彼はキッチンに水を汲みに行ったそうだ。
そこで、妙に外が白んでいる事に気が付いた。
リビングの時計は午前5時を指していたそうだ。
・・・彼の手元にあったスマホの時計は22時43分ごろ・・・だったそうだ。」

その不思議体験をしたのは彼一人ではなく
客間に居た彼の友人全員も同様だった。

異変に気付いた彼が客間の友人を呼び、ベランダに出た所
既に、朝日が登りかけている状態だった。

その場にいた全員が、ぽかんと口を開けたまま惚けていたという。

後日、当然の事だが
メンバーの中には我々と同じように「没頭しすぎて時間を忘れただけだ。」と
事態の鎮静化を図ろうとした子もいたらしい。

スマホの時間表示についても、何かの手違いで止まっていた。だとか
電磁波の影響で遅れていただけだ。などと宣う者も居たが・・・。

あの晩、客間にいたメンバー全員のスマホは
皆、同じ時間を刻んでいたという。

それでも、起きた出来事を認められない者と不思議体験を喜ぶ者とで
日夜議論が白熱したという。

しかし、学生がいくら議論を交わした所で
答えになど、辿り着く訳もない。

議論の熱も冷め、みんなの記憶からこの出来事が消え去ろうとしていたその時
菊池は堂島君と出会った。

あの日の出来事は一体何だったのか・・・菊池の中で疑問が再燃した。

菊池は、堂島君とメールを行いながら
この一件について知って居そうな人物を当たった。
祖父母や両親、伯父やその配偶者。

だが、これといった有力な情報は得られなかった・・・。

そして・・・行き詰まった彼らの探求は
私を巻き込む事となった。
それが、彼と再会した心霊イベントでの「最初の会話」である。

結論から言ってしまえば、その当時
私も「入らずの間」など聞いたことも無く
明確なアドバイスなどが出来た訳ではないが・・・。

「入らずの間」という「初耳ワード」に
私の好奇心を刺激するスイッチを入れるのは十分な流れであった。

とはいっても、今回唯一残念なのは
私自身が現地へ飛び、直接この目で見て肌で感じて耳で聴いて
体験を得られなかったことである。
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