骸行進

メカ

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長編特集

雪国の怪 終 「ヤツ」

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写真のお祓いをする事、半年。
念は殆ど無くなったと見える。
漸くその時がきた。

X氏は、いよいよ踏切へ向かう決心をした。

そして、その夜
正装に身を纏い、踏切へ。

だが、その日「ヤツ」は姿を見せなかった。

念が弱まったせいなのか、それとも偶然か。
その日からしばらくの間、姿を見なかったという。

そして、X氏は職場の寺にて、その写真を職員に見せた所
青ざめたそうだ。
理由を聞いても、その職員は答えず
その日の内に辞めていったというのだ。

無理もない。
亡くなった禰宜や市の職員が写っているのだ。
気分が悪くなるのも頷ける。

しかし・・・後日辞めた職員との話し合いの席で
全ての謎が解ける。

飲みの席
先に口を開いたのは辞めた職員だった。

「・・・確かに、亡くなった二人が写っていた事も衝撃だった・・・。
でも、本当に怖いのはこの真ん中の男だ。」

「どういう事です?」

「この男・・・最初に寺に依頼にきた市の職員なんですよ!」

「・・・え?」

「だから、この人。最初に依頼にきた中年の男なんです。」

それを聞いた時、一瞬時が止まった様だったという。

X氏は、最初に依頼がなされた時
誰が来たのかは知らなかったのだという。
よって、自殺を図った女性職員によって話が進められていたものだとばかり思っていたそうだ。

数日後、改めて
市役所に出向き、依頼の際に名乗って居たという名前を出し所在を確認した。

市役所から出された回答は
「○○はもう働いていませんが・・・。」という言葉だったそうだ。

だが、諦めず
手がかりとなりそうな場を調べていくと・・・。
その中年の男は、5年前に亡くなっていた事が分かったのだ。

しかも、あの踏切で・・・。
飛び込み自殺を図っていたそうだ。

それ以降、事故が多発していたのだ。

「ヤツ」は自分でお祓いを頼んでおきながら
関わった物を次々に引きずり込んでいたのだ。

そして、何より・・・。
ここでも分かるように、霊感の有る無しによって
目の前に対峙している者が「亡者」であるかどうか
判断の付かない事例がある事を、十分気を付けて欲しい。とX氏は語る。

そして、X氏が写真に感じた違和感
それこそが、写真に写る「ヤツ」の顔が真顔であった事だそうだ。

「表情が・・・変わっている。」

最初は、嫌なにやけ面で映っていた写真だったそうだ。
だが、X氏が言うには「生きた念」だと感じたようだ。
「生きた念」の映った写真とは、往々にしてそういう事が起こるそうだ。


現在、その踏切は
正式なお祓いを終え、事故なども激減しているという・・・。
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