骸行進

メカ

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手作り人形 その1

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これは、とある人形作家の話である。
その作家は、女性であり夫は新聞記者をしていた。

手作りの人形を作ってはネットで販売を行っていたのだという。

そんなある日の事だ。
朝、夫が寝室から起きて来ると不思議な夢を見たという。

「どこかの草原で男の子の人形とパーティを開いていた。」

人形作家の彼女は、その話に興味を持ち
夫からその「人形」の特徴を詳しく聞き取り
試作する為、夜も遅くまで作業に取り掛かった。

オーバーオールの似合う可愛らしい男の子の人形。
パッと見で分かるモチーフとなったキャラクターは「ピノキオ」だ。

夫の見立ても合わせ
思考錯誤した結果、生まれた人形。
名を「ジャン人形」というらしい。

草原でパーティを行っていたというイメージも含め
靴は小さなスニーカー。
そして、青いリュックサックを背負わせたその人形は夫婦の間では力作だったそうだ。

そうして、「彼」を量産する為
再び、作家は徹夜を繰り返したという。

だが・・・ネットで「彼等」が売られる一方で
その夫婦の間では少しずつ異変が起きていたのだ。

ある日の事だ。
夫が朝、寝室から起きて来ると一言

「今日は雨が降るんだろう?」

妻は驚いた。昨日の時点では「晴れ」だった天気予報だが
今朝になってその予報は大きく変わり、降水確率が40%となっていたのだ。
勿論、つい先ほどの事であり、夫が知っているはずもない。
それについて、言及すると夫は

「夢でな、ジャン君に教えて貰ったんだけど・・・まさかなw」

その日、午後から雨が降ったという。

そして、それから数日後
再び夫が

「ジャン君一人にしたら可哀想だぞ?」

今朝方、アトリエの椅子に座らせておいたジャン人形を片手に
夫が起きて来たというのだ。
これについても妻は驚いた。
その日の夜、妻はアトリエで寝てしまった為
夫とは別行動であった。それ故、人形を何処に置いてあるかなど夫が知る由もないのだ。
これについても夫は

「夢でジャンが寂しがってたんだよ。」

詳しく話を聞いた所
草原の中、見慣れた椅子に座るジャン人形が語り掛けて来たという。

不思議な事が続く。
「彼」は生きているのだ。と夫婦は子供の様に可愛がったという。

だが、そんな平和は長くは続かなかった。

日が経つに連れ、夫の様子が徐々に変わっていくのだ。
最初は子供の様に可愛がっていたジャン人形を少しずつ恐れるようになったのだという。

夢の中で、夫はジャン人形に監視されるようになり
その日、起きる出来事を夢の中で的中させていくのだという。
しかも、悪い方向の予言ばかり・・・。

最初は仕事の些細なミスを指摘していたという。
だが、とうとう夫は通勤中の事故に見舞われ、しかもそれは
夢の中でジャン人形によって予言されていたというのだ。

それ以降、二人の生活にゆっくりと影を落とす事になるのだ。
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