骸行進

メカ

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手作り人形 終

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ジャン人形がネットで売られていく中
夫はとうとう、精神を壊してしまった。

その当時の夫が言うには
夢の中のジャン人形が、メリーさんの様に
毎夜毎夜、近付いて来ているというのだ。

夢の中、日増しに見慣れた景色に変わっていく背景に
夫は恐怖し仕事を休むようになり、引きこもり出したのだ。

それを見兼ねた妻は病院へと受診する事を勧めた。

診断の結果は「抑鬱」

夫は正式に、職場へ長期休暇を申し出たという。
これで症状は改善に向かうと思われたが
その実、夫は夢と現実の区別がつかなくなり始めたという。

寝ても醒めても、ジャン人形に脅かされる様になった夫は
妻が買い物に出かけた隙を見計らい
庭で、ジャン人形を燃やしたという。

しかし・・・。
妻は、アトリエに余っていた「在庫」を密かに飾り
ジャン人形を可愛がっていたという。

生活圏内から人形が消えた事で、少しの間
夫は落ち着きを取り戻したというが、その凡そ一か月後
彼は奇声を上げながら、家から飛び出し姿を消した。

「ジャンが来る!殺される!」

そう言いながら、妻の制止を振り切り何処かへ走り去ったそうだ。

数日後
彼は、病院にて発見される。

自宅近くの歩道橋から身を投げ、自殺を図ったそうだ。
しかし、運よく病院で治療を受け大事には至らなかった。

血相を変えて病室へ駆け込んだ妻が見たもの
それは、まるで廃人の様に生気を失った顔の夫だった。

たった数日で、彼は窶れ、床頭台に仕舞われていた衣類も汚れが酷かったという。

妻がここ数日の事を聞いても、目線一つ動かさず
斜め下の床を一点に見つめているだけだった。

だが、異変はこれだけでは終わらない。
ネット販売した人形の持ち主達からも、クレームが殺到するようになったそうだ。

「夜な夜な笑い声がする」
「気付けば、配置が変わっている」
など、どれも気のせいや誰かのせいに出来そうな陳腐なクレームではあったが
それは日増しに増えていったそうだ。

だが、最愛の夫がこんな状態だ。
どんなに陳腐なクレームであったとしても嫌な連想が出来てしまうものだ。

ジャン人形は、自主回収とされ
現在は、人形作家の妻によって廃棄されたそうだ。

ただ一つ。
アトリエに隠された一体を遺して・・・。

・・・後日、夫は退院したそうだが
妻は迎えに来なかったそうだ。
忙しいのか?と一人で帰宅を急いだそうだ。

だが、自宅に帰った夫が目にしたのは
リビングで首を吊った最愛の妻の姿だったそうだ。

それ以降、夫は
「恐ろしくてアトリエには入れない」そうで
当時のまま、物が遺されているそうだ。
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