骸行進

メカ

文字の大きさ
58 / 336
掲示板やネットユーザーからの投稿

来訪者

しおりを挟む
これは、とあるマンションの一室に住んだ男の話だ。
「マンション」に「来訪者」と聞くと
誰もが、インターホン絡みである事は想像できるであろう。
そして、そのインターホンに応える為、外に出向いても誰も居ない。
挙句の果てには、ソレが昼夜を問わなくなり
ふと振り返った時、そこに誰かが居た。
なんて話は定番中の定番である。

だが、その男の場合
「来訪者」はそんな定番な客ではなかったそうだ。

男の名は「白木(仮名)」。
転勤の都合で、北海道から愛媛へ引っ越しとなった。

住み始めてから10日が立とうとした時の事だったらしい。
仕事終わりにテレビを見ながら晩酌をしていた彼の部屋に
ある「来訪者」が来た。

自称「霊能力者」を語る女だ。

時刻は夜の11時。
そんな時間に、一人とはいえ訳の分からない女が突然やって来た。
その時点で、恐怖でしかない。

「勧誘なら結構です。」

白木は、不愛想にあしらい扉を閉めようとした。

女は、どこぞの悪徳セールスの様に足をドアに挟み込み
無理やりこじ開けようとしてきたそうだ。

「警察呼ぶぞ!」

「危険なんです!」

白木の「警察」という言葉に反応したのか、女はそう叫んだという。

その問答を続ける事20分。
警察が2人。現場に到着、女を引き離し連行していったという。

これで一安心だ。
変に酔いが覚めた白木は、シャワーを浴びた。
脱衣所で体を拭いていると

コンコンコンコン!と素早いノック音が聞こえたそうだ。

この時、白木はなぜか「先ほどの警官か?」と思ったそうだ。
モニターで確認するも、誰も居なかった。

白木は飲み直す為に席に戻り、ビールに手を伸ばした。

それから1時間後。
先ほどと同じく

コンコンコンコン!

先ほどよりは勢いのある音が響いたという。

この時点で、白木は怯えたという。
普通であればイタズラ云々を疑い怒り出しそうなものだが
なぜ、彼が怯えたのか・・・。

それは、そのノック音が
玄関のドアからではなく、耳元で鮮明に聞こえたから。だそうだ。
当然、周囲にはそのような音の出るものなどない。

白木は恐怖から、布団を引っ張り出し
即座に寝る事にした。

そして、うとうとと意識は飛びかけた時、
それは起きた。

床下から突き上げる様に
「ドンッ!」と鈍い衝撃が伝わったそうだ。

慌てて飛び起きたが何もない。

それ以降、変わった事は起こらず
数日が経過したが・・・
その数日の間で、白木は体長を崩し入院した。

・・・後日
入院中、あの女がやって来たという。

「アンタッ!この間の!捕まったんじゃないのかよ!」

「どうしても聞いてほしい事があるんです!」

白木の拒絶などお構いなしに、女は椅子に座り、語り出した。

「このままだと、貴方が危ないんですよ。」

「新手の勧誘ならやめてくれ!」

「違うんです!・・・あの部屋で貴方が寝ている位置。・・・人が亡くなってるんですよ。」

その一言で、白木の脳内はパニックでショートした。

「正確には、あの上で首を吊った後、体重に耐えられなかった縄が切れて、遺体が・・・。」

「ふざけるな!出てってくれよ!」

白木は即座にナースコールを押し、看護師に頼み女を帰した。

だが・・・

その3日後。
とんでもない事実が発覚した。

入院中の白木の元に、女を連行した警官の片割れが来たそうだ。

「白木さん。貴方が住まわれてるお部屋なんですけどね・・・。」

警官の語った話は
とある女性の自殺について。だった。
そして、その話は女の語っていた内容とドンピシャだったそうだ。

「取り調べの際、異変を感じ取った女が危ないから!としつこく騒ぎ立てるものだから
こっちで色々と調べまして・・・。あまり報道されてない件なのに
やたら話がぴったり一致するもんで、僕も怖くなっちゃって・・・。」

警官はそう語ると、見舞いの品を残し去っていったそうだ。

残念ながら、それ以降
白木さんがその部屋をどのようにしたか。は分かっていない。

だが、その女はなぜ
白木さんの住所や寝ている位置、そして入院先の病院が分かったのだろうか・・・。

もしかすると、その女こそが・・・。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

(ほぼ)5分で読める怖い話

涼宮さん
ホラー
ほぼ5分で読める怖い話。 フィクションから実話まで。

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】

絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。 下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。 ※全話オリジナル作品です。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...