骸行進

メカ

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タクシードライバー 「藤原さん(仮名)」の話

泊まるホテル 1

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これは、タクシー会社やバス会社に勤める方には往々にして起こる出来事だそうだ。

イベントなどで、数日間を出先で過ごす時
彼等ドライバーには宿が取られる。

が、実はその宿が問題であったりする。

タクシー会社やバス会社としてはなるべくであれば
経費を抑えたい所だ。
よって、取られる部屋というのが極端に狭苦しい部屋なのか
あるいは、他と変わらないレベルなのに異常に安い部屋であったりするそうだ。

そして、そういう部屋というのは大概が「問題」がある。

それは藤原さんも例外ではなかった。

とあるライブイベントで
お客さんを乗せて、県を跨いでの大移動。
当然、出先での宿は会社が取った。

客を目的地まで乗せ、そして宿に着く。
そこは、何てことないビジネスホテルだった。
・・・だが。
彼が案内されたのは、まるで倉庫部屋なのか?と疑う様な部屋だったという。
窓はなく、テレビもない。
部屋の中央にベットがぽつん。奥には小さな冷蔵庫。
出入口横にはバスルーム。

「とにかく、作りが異質だった。」彼は後にそう語っている。

見た眼こそ小綺麗に繕われているが、長い事使われていなかったであろう
埃っぽさやカビ臭さが、若干鼻に付いたそうだ。

「あの~。非常に申し上げにくいのですが・・・ほかの部屋は無いのですか?」

「私には決めかねますので・・・上司に確認を・・・。」

荷物を持って案内をしてくれた職員が引きつった様に踵を返し去っていったという。
しかし、10分経っても20分経っても、連絡は愚か確認の為の人員も来なかったという。

痺れを切らし、フロントへ苦情の一つでも入れてやろうと内線を取ろうとしたが
ここに来て、更なる異質を目の当たりにしたという。

「内線の受話器が・・・ない。」

仮にも客室であろう部屋には、内線が用意されていなかったというのだ。
いくら何でも、ただ寝る為だけの利用とはいえ
こんな扱いは酷すぎる。藤原さんは、フロントに直接抗議に行ったそうだ。

しかし、フロントの職員から出た言葉は意外な物だった。

「お客様の会社の方からご予約が入った際に、充分にご説明差し上げた上で
問題がない。とご予約されたのでお部屋のご用意となりましたが・・・。」

「はぁ?どういう事だよ!今確認するから少し待ってくれ!」

結論から言ってしまうと
この会社の上司が「経費削減」の為に
「多少問題があっても目を瞑る」という回答がなされていた様だ。
しかも、その事は当人に話が回っていなかったのだ。

此処まで聞けば
ただ部屋の作りが可笑しい倉庫部屋に案内された話で終わってしまう。
だが、この部屋にはもっと別の・・・
とてつもなく闇の深い過去が隠されていたというのだ・・・。
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