骸行進

メカ

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警官の友人「荻野(仮名)」の話

遺失物は・・・。

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これは、警官の友人「荻野」が同僚から聞いた話である。
その同僚「田辺さん(仮名)」は、かつて都内の駐在に勤務していたそうだ。

繁華街から少し外れたその駐在に、ある日
落とし物が届けられる。
届けを出した者は老年の女性だったそうだ。

「失礼・・・すぐそこで、落とし物を拾いましたの。」

そういって、女性は交番内に入って来たそうだ。
見た目からも、裕福そうであるその女性は足を悪くしていたのか
杖を突いて歩行していたそうだ。
しかし、女性の足取りはしっかりしたもので
交番内のカウンターまでツカツカと歩いてきたそうだ。

そして、女性がカウンターへ落とし物を乗せる。

落としてから間もないのであろうか
その遺失物は淡い水色の巾着袋で汚れなどはなかったそうだ。

女性は、椅子に腰かけると
「さっき(数十分前)まで雨が降ってたでしょう?でもその巾着は濡れてないの
だから、近くに落とし主が居たはずよ。すぐやって来るんじゃないかしら?」

そう語りながら、遺失物届けの書類作成に協力していたそうだ。
だが・・・
一同はその書類作成の最中、絶句する事となる。

後のトラブル回避の為、巾着の中身を拾い主の女性と共に確認した時だ。

巾着の中には、小銭入れとポケットティッシュ、そして鍵が入っていたそうだ。

小銭入れの中身を確認しようと覗いた所・・・
中に入っていたのは、麻紐で8の字に縛られた毛束と人の歯が二本入っていた。

「な、なんだよ!これ・・・気持ち悪いなぁ!」
上司の巡査部長が一声上げると、一同も挙って不快の声を上げた。
直後、交番内は一瞬にして停電した。

「おい、ブレーカー。」
巡査部長の一言を聞き、田辺さんはブレーカーの下へ。
しかし、いくらブレーカーを戻しても灯りは付かなかったそうだ。

宿直室の懐中電灯を手に上司の元に戻った田辺さんは
自身の目を疑ったそうだ。

其処には、上司の他に「2人」立っていたのだ。

「え・・・。」

「ダメか?困ったなぁ。ちょっとそのライト貸して。書類を書いてもらわにゃ。」

上司の手が懐中電灯に延び、その光の筋は流れる様に書類へ注がれた。

「ここにね、奥さんの署名を頂きたいんですよ。」

「分かりました。」

いや、待てよ。もう一人居るだろ・・・なんで気付かないんだよ。
田辺さんは、上司に声を掛けるべきか迷っていた。

すると、停電が復旧。
その場に居たのは、田辺さんを含め「3人」だけだったという。

この話を、私の友人「荻野」が聞いた際
彼は田辺さんにある疑問をぶつけた。

「なぜ、もう一人居る事を言わなかったのか。」

すると、こう回答が返って来た。

「ライトが照らしてたのは丁度、女性の胴体部で
その隣に立つ不審な人物は体の半分も光に当たってなかった。
・・・でも、分かっちゃったんだよ。
あぁ、この人『頭』がないな。ってさ。」
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