骸行進

メカ

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警官の友人「荻野(仮名)」の話

悪夢の追体験

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これは、我々が22歳ごろの話だ。

私の友人「荻野」が警官になって、漸く独り立ちを始めた頃。
彼は、私にある相談を持ち掛けて来た。

「ここ一、二ヶ月くらい悪夢に魘されて居る。どうにかならないか?」
というものだ。

悪夢の内容は以下の通りだ。

気付くと、彼は森の中に居る。
視界がやけに低い。
自分が子供の様な背丈になっているからだ。
それに意識が追い付いて来ると、後ろの方から男数人の声で
怒鳴る様にこちらに迫って来る音がするのだという。

彼は慌てて、走る。
丸太で出来た階段を只管に駆ける。
「もうだめだ」そう思った所で、小さな小屋が見えて来るのだという。

最初はそこで目が覚めていたそうだ。
だが、日を追うごとに「その先」まで進んでしまうようになった。

小屋には自分と同じ様な子供たちが先に身構え
「こっちだ!こっちにこい!」と誘導するのだという。
その誘導に従って小屋に逃げ込み、事情を聞こうと振り返ると誰もいない。
外は既に、追って来た男達が「何処だ、クソガキ!」と自分を探し回っている。

「怖い」そう感じた時、後ろから小声で
「何してるんだよ!早くこっちにこいよ!」と呼ぶ声がする。
その声を追うと、小屋の裏口に出るのだという。
「早くしろ!逃げろ!!」と背中を押され、走り出す。

無我夢中で走り続けた先
彼は木の根に躓き、転んでしまう。
「マズい、早く起きなきゃ!」焦りつつも顔を上げた先には
大きなクレーターのような穴がある。
・・・その穴の中に、大量の子供の死体があった。

というのが、彼の見た悪夢だそうだ。

そして、荻野がこの夢を見るきっかけとなった出来事がある。

とある児童養護施設からの通報だ。

施設の中で見慣れない少年が発見された。
その少年は、自分の名前以外の事を覚えていないそうだ。
名前以外の情報を聞こうとすると、途端に震え出し会話にならないのだという。

察しの良い方ならお分かりいただけるかもしれないが
荻野の見た悪夢は、この少年の追体験である。

病院で診断を受けた結果、少年はPTSDを発症し
その症状が想像以上に重く
まともに話せる状態ではなかったそうだ。

少年の身元を調べた結果
彼は身内によって捜索願が出されていた。

・・・彼は誘拐されていたのだ。

その事実が分かった時点で、その少年の一件は本部に回され
その後、事件がどうなったのか
荻野は知らないそうだ。
だが、関係者の噂話から、彼が保護された児童養護施設の付近に山があり
その山中から子供の遺体が見つかった事だけは確かだそうだ。

森の中で、彼が見た子供たちとは
・・・無残に殺された子供たちの無念が形を成したものなのかも知れない・・・。
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