骸行進

メカ

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長編特集

ツキマトウ 2 「不運」

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私が「菊池」から聴き及んだ彼の「更なる不運」は

彼がその後、交通事故で骨折した事。
その中で、甲状腺系の病気が見つかった事。
そして、その病気が元で「拒食状態」に陥った事。
凡そ一ヶ月で20㎏も体重が落ちてしまった事。
立て続けに起きたトラブルによって、長期的に休んでいた仕事場からクビを言い渡された事。

など、さまざまだった。

そして・・・その話を聞いている最中
私は
「あぁ・・・そうだろうなぁ・・・。」と一人納得をしていた。

と、いうのも・・・。
彼の傍で「男が2人」会話をしているのだ。

『どこで拾って来たんだ、こいつ・・・。』
そう思い、彼に直接問い質したのだ。

「お前、変な所行った?」

「何だよ・・・俺が、そんな変な所行くわけねぇだろ。」

彼は学生時代、マジメな男だった。
ただ、心霊については関心が無かった様で
周囲が「私の体質」について騒ぐ中で唯一、彼だけはその蚊帳の外側にいる
数少ないクラスメートだった。

ここで、私は彼に憑く二人の男の会話の中で
ある単語を耳にした。

「ホイールが・・・。」

実際にはもっと長い事会話をしているのだが
私に聞き取れた単語はそれだけだった。

「なぁ菊池。お前ってさ、仕事何してたんだっけ?」

「俺?工場だけど?」

「・・・何の?・・・まさか車関係じゃないよな?」

「そう。自動車整備の工場。」

『やっぱりか・・・。』的中して欲しくなかった心の呟きが漏れた瞬間だ。

恐らく、菊池は職場で「男二人」を拾ってしまったのだろう。

実はこの自動車整備工場は、後の調べで分かった事がある。
それが、男性職員二人が不慮の事故で亡くなっていた事。
一度に二人ではなく、亡くなった時期、タイミングは別々だったそうだ。

「お前の体調が良い日にさ、その職場に連れて行ってくれよ。」

「はぁ?俺、もうクビになってるんだぞ?今更行っても迷惑だろう。」

「なぁ・・・頼むよ!」

「・・・分かった。けど、前を通りかかる程度だぞ。」

公園での話し合いから三日後、我々は件の工場の前に来ていた。

だが、その工場は私の想像の斜め上を行っていた。
・・・一人、二人なんてもんじゃない・・・。
何十人も、工場の中に居るのが分かる。
・・・まるで、鮨詰め状態の電車だ。

正直な所、耳栓が欲しかった位である。

これは完全な私見なのだが、その工場の立地条件に問題があったのだろうと
私は考えている。

平屋建ての建物、その横には作業用スペースであるガレージ。
そして、その周囲を囲む様に建てられたマンションや雑木林。

吹いた風すら吹き溜まりそうな建物・・・。

間違いなく、ここだ。
菊池は此処で「彼等」を「拾って」しまい、「不運」に見舞われ続けたのであろう。

事故死してしまった「彼等」の無念は推し量っても余りあるものだろう。

私は、本腰を入れて調べるべく
お世話になっているX氏へ連絡を取る事にしたのだ。
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