骸行進

メカ

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霊視鑑定人X氏による鑑定など。

引っ越し先が・・・。 終

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この話の結末を、あえて先に言ってしまおう。

この話のキーマンである「吉谷」という男は、存在していないのだ。
・・・正確に言えば「既に死んでいた」のである。

X氏が、「吉谷家」周辺で聞き込みを行った所
30~40年前に「吉谷」を名乗る一家が引っ越してきた事は事実だそうだ。

が、しかし
引っ越し早々に一家の大黒柱が入院。
その原因は「PTSD」だったそうだ。

近所の住民によると
吉谷は直ぐに「欠陥住宅」である事を察し、探偵を依頼し
建築に当たった業者を調べていたそうだ。

そして・・・体調の回復した吉谷は退院。
その数週間後、自宅で命を絶ったそうだ。

詳しい事情については、近隣住民も知らなかった。

X氏は、吉谷が依頼したという探偵を探した。
幸い、探偵は直ぐに見つかったそうだ。
だが、その探偵から事情を聞くのは骨が折れたそうだ・・・。

探偵の話によれば
吉谷の死には自身が関わっている。と述べ
その真実は語ろうとはしなかった。

当然、X氏側の事情を話した所で
「冷やかしなら帰れ」と最初は取りつく島もなかった。
数ヶ月粘った先で漸く、重く塞がった口が開いたそうだ。

探偵は、欠陥住宅の証拠を集めるべく
業者や吉谷家を調べ始めた。
吉谷家が欠陥である事は、外部の職人を招く事ですぐに発覚。
その事実を元に、業者との対談を行っていた。

本来であれば、そんな事実は何処までも隠蔽したかったであろう業者サイドも
その事実をあっさりと認め、謝罪。
家は建て替えとなった。

これが、吉谷の入院中に起きた事だが・・・
探偵は、もう一つの問題を見つけてしまった。

・・・吉谷の妻が不倫をしていたのだ。
それも、最近の出来事ではない。何年も前から不倫が続いている可能性があった。

探偵は、この事実を隠す事無く吉谷に伝えてしまった。

精神疾患を患い、入院までした人間に・・・。
体調が良くなったとはいえ、その事実は「惨い」の一言に尽きる。

吉谷には娘が居た。
察しのいい皆さんなら分かるだろう。

吉谷は、その娘が「実の子」ではないかも知れない。と考えた。

そして、吉谷は妻と子を家から追い出し
その直後に自殺を図った。

・・・吉谷は調べてしまったのだろう。その「疑惑」を。
・・・吉谷は知ってしまったのだろう。その「真実」を。

これが、吉谷家で起きた悲惨な結末だ。

そして、X氏が視た「男」は・・・
「あの家」で未だ救われる事無く苦しみ続ける「無念」だったのだろう。
「あの家」に残る唯一の記憶だったのだろう。

X氏が視た「妻と娘」も吉谷によって追い出されていた事から
自宅に居ても影響がない様に写っていたのだ。

吉谷にとって「あの家」は・・・二つの意味で「居たくない場所」になってしまった。

その「一念」たるや、想像するだけでも辛い物だ・・・。
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