骸行進

メカ

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大親友「遠藤」の話

アパートで。 1

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今日、お話するのは
私の体験談や長編でもちょくちょく登場する唯一の親友「遠藤」に纏わる話である。

彼は私とセットでそういった(心霊)経験をする事が多いので
あえて、これまで「章」として扱ってこなかったのだが・・・。

実の所、私の知らない所でも
幾つかの経験がある事が、最近になって分かった。

その真実の始まりとなるのが、この「アパートで。」である。

事は遡る事、3か月前になる。
彼から電話が来たのだ。
普段はLINEで全てを済ませてしまう我々だっただけに
彼から電話が来た事は、驚きである。

「クポー、ちょっと話があるんだけど。」

「珍しいな、いきなり電話とは・・・。」

余談だが彼の言う「クポー」とは私の事である。
学生時代の友人達は、皆一様に「メカ」というあだ名で呼ぶ中
彼だけは昔から「クポー」である。
彼に言わせると、私はゲーム「FF」に登場する「モーグリ」である。そうだ。
(姿が似ている訳ではなく、雰囲気が・・・との事)『解せぬッ・・・。』

彼から詳しく話を聞くと、数日前から家で奇妙な声を聞くのだという。

だが、私の体験談などを見てくれた方なら存じていると思うが
彼には霊感の類は一切ない。

だが、これについては少しばかり心当たりがあった。

「・・・どうせ電車の音だろ?」

「いや、違うんだって!・・・決まった時間に女の叫び声みたいなのが・・・。」

「ブレーキ音だろ?」

「いや、そうかも知れないけどさぁ!今まで聞いた事ねぇぞ!?」

彼の家は、とある駅の沿線の目の前に立つアパートである。
昼夜を問わず、決まった時間には電車の音が良く聞こえる。
防音加工のお陰で、室内ではその音がほぼ聞こえてはこないものの
やなり、電車が行き交う時間帯には、窓がやや「カタカタ」と音を立てる。

そういった音を聞き間違えているのだろうと、私は思っていた。

事実、私は何度か彼の家に遊びに行った事があるが異変を感じた事は無い。

「夜の決まった時間にだけ聞こえるんだよ!」

「・・・へぇ。」

正直な話、私は彼のこの発言をあまり本気にしていなかった。
と言うのも、私が原因と考えたのが「電車」であり
そして、日中は仕事で家に居ない彼は、仕事終わりも夜遅くまで出歩いている。
健康の為にと始めたウォーキングで夜中12時を過ぎても歩き回っていたのだ。

それ故に、最近になるまでその異変に気が付かなかったのだろう。
・・・そう思っていたのだ。

実際、彼は去年の夏ごろから
体の不調が続き、仕事を休職。病院に入院していた事も有る。

今にして思えば、彼の不調が起き出した時から
その現象は起きていたのかもしれない。

私は、試しに彼のアパートに泊まる事にした。

夜11時頃、それは起きた。

ぎゃぁぁぁぁぁぁ!という金切声を上げ、走り去るように消え入る何者かの声。
電車の急ブレーキ音だとも言い切れそうなその金属音に近い悲鳴。

だが、その時間、ホームは愚か彼のアパートの前には
そのような電車の姿は何処にもなかった。

その現象を認識した時、私は只事でない事を再認識したのだ。
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