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呪物
手紙と敵意 終
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望月さんの語った「過去」
それは、彼女に且つて「子供」が居た事。
・・・若気の至りだった。
彼女は17にして、子供を授かる。
だが、周囲には出産を猛反対された。
それでも、彼女は「子供」を諦めなかった。
・・・が、当然と言うべきか
「子供」が生まれた後、彼女は「子供」の世話をロクにできない生活だった。
当然だ。
本来、朝から晩まで学業に勤しむ学生だったのだから。
学校の合間「子供」を見ていたのは両親だった。
・・・そんなある日。
学校から帰った彼女の目には「悲劇」が映った。
自宅に帰ると、そこはもぬけの殻。
リビングに残された机には、両親からの手紙。
「子供は然るべき場に預けます。貴方には愛想が尽きました。これからは自由に生きなさい。」
あまりにも突然の事だった。
それからの彼女の生活は荒れに荒れた。
自宅は競売に出されていた為、住む場所を失い
バイトの給料が入るまでは、知り合いの家を転々としたという。
当然、学費など工面できる訳もなく、卒業を間近に控えながら
彼女は退学せざるを得なかった。
それから十数年。
「子供」にはあった事が無いという。
だが・・・そんな彼女に「思わぬ知らせ」が舞い込む。
それは、市役所を訪れていた時の事。
そこで対応した役員が「当時、子供を施設へ入れるように手続きした張本人」だった。
なぜ、そんな事が分かったのか。
それは役員が「ある理由」から、彼女を探していたからだ。
「・・・望月さん。この後、お時間よろしいでしょうか?」
暫くして通された応接間で、衝撃の事実を知る。
「実は、お子さんの事で報告が・・・。」
「・・・なんですか?」
「・・・その、非常に申し上げにくい事なのですが・・・
お子さん、亡くなられました・・・。」
「・・・はぁ。」
産まれてからずっと、会っても居ない子供の事だ。
急に亡くなったなどと言われても実感など無かった。
「・・・自殺だったようで。」
「何が理由で?」
「はい・・・お子さん、ご結婚の予定があったそうなのですが
急に、お相手側から破談を・・・。」
「・・・。」
「どうにも、施設育ちであった事をお相手のご両親が良く思わなかった様で。」
「・・・で、それが私に何の関係が?」
言ってから、しまったと思ったそうだ。
「え?」
役員も目を丸くし、こちらを見る。
「あ、いえ・・・すみません。手の届かない子へ支援も出来ず報告だけ聞くのも忍びなくて・・・。」
言葉を発せば発すほど墓穴を掘っていく感覚だった。
だが、職員の怒りを含む次の発言で
望月さんの心臓は凍り付いた。
「貴方が理由で、亡くなってるんですよ!?」
「・・・え。」
「彼、亡くなる前に役所で何度も『親』について尋ねていたそうです。
それも、すごい剣幕で。」
「・・・。」
「当然ですよ・・・理由があったとはいえ手放された事がきっかけで
婚姻が破談になった訳ですから・・・。恨みの一つ二つ言いたかった気持ちも分かります。」
これが、彼女の語った「過去」である。
そして、同時に「あり得ない」と放った理由も頷ける。
だって、彼は「とっくに亡くなっていた」のだから。
だが・・・私は納得していた。
「あぁ、これは彼からの・・・何十年越しの報復なのだ。」と。
その後もしばらくは、望月さんとやり取りは続いていたが
ある時期を境に、彼女からの連絡はパッと途絶えたままだ・・・。
それは、彼女に且つて「子供」が居た事。
・・・若気の至りだった。
彼女は17にして、子供を授かる。
だが、周囲には出産を猛反対された。
それでも、彼女は「子供」を諦めなかった。
・・・が、当然と言うべきか
「子供」が生まれた後、彼女は「子供」の世話をロクにできない生活だった。
当然だ。
本来、朝から晩まで学業に勤しむ学生だったのだから。
学校の合間「子供」を見ていたのは両親だった。
・・・そんなある日。
学校から帰った彼女の目には「悲劇」が映った。
自宅に帰ると、そこはもぬけの殻。
リビングに残された机には、両親からの手紙。
「子供は然るべき場に預けます。貴方には愛想が尽きました。これからは自由に生きなさい。」
あまりにも突然の事だった。
それからの彼女の生活は荒れに荒れた。
自宅は競売に出されていた為、住む場所を失い
バイトの給料が入るまでは、知り合いの家を転々としたという。
当然、学費など工面できる訳もなく、卒業を間近に控えながら
彼女は退学せざるを得なかった。
それから十数年。
「子供」にはあった事が無いという。
だが・・・そんな彼女に「思わぬ知らせ」が舞い込む。
それは、市役所を訪れていた時の事。
そこで対応した役員が「当時、子供を施設へ入れるように手続きした張本人」だった。
なぜ、そんな事が分かったのか。
それは役員が「ある理由」から、彼女を探していたからだ。
「・・・望月さん。この後、お時間よろしいでしょうか?」
暫くして通された応接間で、衝撃の事実を知る。
「実は、お子さんの事で報告が・・・。」
「・・・なんですか?」
「・・・その、非常に申し上げにくい事なのですが・・・
お子さん、亡くなられました・・・。」
「・・・はぁ。」
産まれてからずっと、会っても居ない子供の事だ。
急に亡くなったなどと言われても実感など無かった。
「・・・自殺だったようで。」
「何が理由で?」
「はい・・・お子さん、ご結婚の予定があったそうなのですが
急に、お相手側から破談を・・・。」
「・・・。」
「どうにも、施設育ちであった事をお相手のご両親が良く思わなかった様で。」
「・・・で、それが私に何の関係が?」
言ってから、しまったと思ったそうだ。
「え?」
役員も目を丸くし、こちらを見る。
「あ、いえ・・・すみません。手の届かない子へ支援も出来ず報告だけ聞くのも忍びなくて・・・。」
言葉を発せば発すほど墓穴を掘っていく感覚だった。
だが、職員の怒りを含む次の発言で
望月さんの心臓は凍り付いた。
「貴方が理由で、亡くなってるんですよ!?」
「・・・え。」
「彼、亡くなる前に役所で何度も『親』について尋ねていたそうです。
それも、すごい剣幕で。」
「・・・。」
「当然ですよ・・・理由があったとはいえ手放された事がきっかけで
婚姻が破談になった訳ですから・・・。恨みの一つ二つ言いたかった気持ちも分かります。」
これが、彼女の語った「過去」である。
そして、同時に「あり得ない」と放った理由も頷ける。
だって、彼は「とっくに亡くなっていた」のだから。
だが・・・私は納得していた。
「あぁ、これは彼からの・・・何十年越しの報復なのだ。」と。
その後もしばらくは、望月さんとやり取りは続いていたが
ある時期を境に、彼女からの連絡はパッと途絶えたままだ・・・。
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