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長編特集
旅館 8 リトライ
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大広間にて、これまでの出来事や人形喪失についての議論が白熱する中
皆一様に、私の探索については「不満が残る」という回答だった。
無理もない。
本来、この旅館は3階建てであり
しかも、アーケードコーナーにおいては素通りも等しい。
その上、私が探索していた時間は、ものの10分程度であり
本来予定していた30分にも満たないのだ。
全てが中途半端となってしまったこの検証は、総意もあって
「リトライ」する事になったのだ。
しかし、今度の検証では懐中電灯の使用を許され
行動は格段とやりやすくなる事だろう。
更に、やや体調が回復した絢女も同行してくれることになった。
5分の休憩の後、探索は再開となったのだ。
先ほどと同様のルートで進み、アーケードコーナー。
入り口から中へ一歩踏み込んだ時
『温い。』
そう感じた。
満員電車で感じる「温さ」そのものだ。
どこか湿度を帯びたその「温さ」が、呼吸のしにくさに繋がっているのだろう。
それと同時に
『此処に集まっているんだな・・・。』と即座に理解できる。
外で感じる「気配」と内側で感じる「気配」の「距離感」が
全くの別物なのだ。
それは絢女も同様であっただろう。
息が詰まると同時に、言葉にも詰まる。
「皆?やっぱさ、アーケードはダメだぁ・・・。長く居られない。」
「分かった、じゃあ3階に行ってくれる?」
我々は、直ぐに踵を返し、3階へと向かった。
念のため、二階の廊下を通り
反対側に位置する階段から3階へ上る事にしたが
やはりと言うべきか、絢女の顔色は優れないままだ。
恐らく「言わないだけ」で多くのものを視ているに違いない。
「絢女?・・・三階行けそう?」
「何とかね。」
そんなやり取りをしつつ、到着した三階は・・・
アーケードコーナーと打って変わり
「ひんやりしていた」のだ。
全体的に寒くなるのなら、まだ分かる。
寒さを感じたのが「膝下まで」なのだ。
「・・・マズいな、これ。」
「マズイなんてもんじゃないよ!・・・もぉぉ!アレ見て!!」
絢女は私の顔を両手で掴み、足元に向いていた視線を強引に逸らした。
其処には、浴衣姿の男が一人。
後ろ向きに立っていた。
男の浴衣は旅館のものだった。
「・・・あれって・・・失踪したペアの人じゃん・・・。」
「アレ、ダメだよぉ・・・もう戻ろう!」
絢女は異常に怯えていた。
普段からそういうものに耐性のある彼女が・・・だ。
私の袖を引っ張り、階段へ戻ろうとする。
「あ、あのぉ!」
なぜ声を掛けてしまったのか、分からない。
でも、放っておく訳にも行かないと・・・思ってしまったのだ。
皆一様に、私の探索については「不満が残る」という回答だった。
無理もない。
本来、この旅館は3階建てであり
しかも、アーケードコーナーにおいては素通りも等しい。
その上、私が探索していた時間は、ものの10分程度であり
本来予定していた30分にも満たないのだ。
全てが中途半端となってしまったこの検証は、総意もあって
「リトライ」する事になったのだ。
しかし、今度の検証では懐中電灯の使用を許され
行動は格段とやりやすくなる事だろう。
更に、やや体調が回復した絢女も同行してくれることになった。
5分の休憩の後、探索は再開となったのだ。
先ほどと同様のルートで進み、アーケードコーナー。
入り口から中へ一歩踏み込んだ時
『温い。』
そう感じた。
満員電車で感じる「温さ」そのものだ。
どこか湿度を帯びたその「温さ」が、呼吸のしにくさに繋がっているのだろう。
それと同時に
『此処に集まっているんだな・・・。』と即座に理解できる。
外で感じる「気配」と内側で感じる「気配」の「距離感」が
全くの別物なのだ。
それは絢女も同様であっただろう。
息が詰まると同時に、言葉にも詰まる。
「皆?やっぱさ、アーケードはダメだぁ・・・。長く居られない。」
「分かった、じゃあ3階に行ってくれる?」
我々は、直ぐに踵を返し、3階へと向かった。
念のため、二階の廊下を通り
反対側に位置する階段から3階へ上る事にしたが
やはりと言うべきか、絢女の顔色は優れないままだ。
恐らく「言わないだけ」で多くのものを視ているに違いない。
「絢女?・・・三階行けそう?」
「何とかね。」
そんなやり取りをしつつ、到着した三階は・・・
アーケードコーナーと打って変わり
「ひんやりしていた」のだ。
全体的に寒くなるのなら、まだ分かる。
寒さを感じたのが「膝下まで」なのだ。
「・・・マズいな、これ。」
「マズイなんてもんじゃないよ!・・・もぉぉ!アレ見て!!」
絢女は私の顔を両手で掴み、足元に向いていた視線を強引に逸らした。
其処には、浴衣姿の男が一人。
後ろ向きに立っていた。
男の浴衣は旅館のものだった。
「・・・あれって・・・失踪したペアの人じゃん・・・。」
「アレ、ダメだよぉ・・・もう戻ろう!」
絢女は異常に怯えていた。
普段からそういうものに耐性のある彼女が・・・だ。
私の袖を引っ張り、階段へ戻ろうとする。
「あ、あのぉ!」
なぜ声を掛けてしまったのか、分からない。
でも、放っておく訳にも行かないと・・・思ってしまったのだ。
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