骸行進

メカ

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長編特集

旅館 終 見ちゃった。

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絢女が私の事を引っ張りつつも、私は
懐中電灯に照らされた男を見つめる。

「ダメだって!逃げるよ!」

体調が優れない中、必死で私を静止する絢女。
だが、その力は私を止めるには至らなかった。

「○○(グループでのあだ名)さん!?・・・聞こえてないんですか?」

再度の呼びかけにも、男はピクリとも動かなかった。

すると、受話器から状況を問う声が聞こえて来る。

「どうしたの?○○さん見つかったの⁉」

事情を説明するべく、携帯を持つ手を挙げた時
絢女はその手にしがみ付き、さらにきつく引っ張る。

そこで初めて我に返る。
最後に彼に目を向けると、ゆっくりと・・・徐々にこちらに振り向いているのだ。

「絢女、行こう!」

急いで駆け下りた怪談。
二階につくなり、、私は携帯越しに状況を伝えた。

「ど、どーしよ!アレ、変だよ!」

「落ち着いて!・・・とにかく・・・戻って来て!」

「分かった!」

電話を切り、そそくさと会談へ戻ろうとした時

絢女は腰を抜かし、へたり込んでいた。

「ど、どうした!絢女。早く・・・早く行くぞ!」

「た、立てないんだもん!」

「・・・分かった、背中に掴まれ!」

一刻も早く離れたかった。
彼女を負ぶさり、階段へ歩を進めた。

ペタン、ペタン・・・ペタン。

『降りてきやがった!』

直ぐに分かった。

『どうする!どうすればいい!?』

「反対側!」

「あ、あぁ!」

半ば、叫ぶように絢女が言う。
それに応じて後ずさりでもするように振り返る。

対岸の階段に辿り着き、降りようとした時
向こう側に男が見える。

その手には、探すはずだった日本人形が握られていた。

「・・・え・・・あれは・・・。」

その光景に一瞬足が止まる。

だが、もっと悍ましいのは
その男の顔が、歯をむき出しに「にたぁ~っと」笑って居た事である。

直後

「見ぃ~ちゃったぁ!見ちゃった!っそーの体、貰っちゃおぉーー!」

という、まるで小学生がイタズラを発見した時の様なリズムで叫ぶ男。
そして
こちらに目掛けで全速力で走って来るのだ。

「やばい、やばい、やばい、やばい!」

こちらも、全力で逃げる。

「あっははははははは。見ぃ~ちゃった!」


大広間の扉を蹴り破る勢いで入って来た私を見て、主催者も
異常を察知したようだった。

「誰か!扉閉めて!抑えて!!彼女はそっちに。・・・どうしたの?」

絢女を下ろし、主催者に情報を共有する。

事情を聞いた一同は、朝まで大広間に立て篭もる事を決意。
扉も交代で見張った。

男の奇声と移動音は、朝の4時まで続いたのだ・・・。

6時。
最初の従業員が旅館へとやって来た。
それを確認すると、皆はそれぞれの客室へと戻り
休息を取る。
そして午後、皆は帰路に着いたのだ。

後から分かった事だが・・・
本来、絢女とペアを組むはずだった彼は
旅行の前日
仕事帰りに事故に合い、丸1日生死の淵を彷徨っていたそうだ。

・・・当然、旅行にも参加していない。


にも拘らず・・・

彼は旅行の途中までの経緯を、なぜか知っていたのだ・・・。
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