骸行進

メカ

文字の大きさ
41 / 336
筆者(メカ)の経験談。

名無しのクラスメート 1

しおりを挟む
これは、私が27の時の話である。

その日、私は中学時代の友人6名と合う約束をしていた。
というのも、そのうちの一人「大久保(仮名)」が
地方転勤から帰って来た事を祝う為、カラオケに行こうという話になっていたのだ。

時刻は夜半。20時頃。
集まったメンバーは、各々の近況などを報告しあったり
思い出話などで盛り上がり、場のムードは最高潮だった。

が・・・しかし。

そのメンバーの中で唯一「一人だけ」
名前が思い出せない友人が居たのだ。

『あいつ・・・誰だっけ。顔はハッキリ覚えてるのに・・・。』
ずっと悶々と考えていたが、結局最後まで思い出す事が無かった。

後日、大久保に確認を取った所

「あぁ、アイツな。真田(仮名)だろ。アイツ影薄かったからなぁ~。」
という返答が帰って来た。

名前を聞いて「そうだ!アイツ真田だ!」となったのを今でも覚えている。

彼の名を思い出した事で、私は急に懐かしさを覚え
中学時代の卒業アルバムを開いたものだ。

・・・ところが。
そのアルバムを確認するとある事実が発覚する。
「当時の真田」と「再会した真田」とは、まるで似ても似つかない別人だった。

急いで大久保にも確認を取った。

「あいつ、本当に真田だった!?」

「・・・え?・・・真田だろ?何言ってんだよ、お前・・・。」

「卒アル、見てみろよ!」

「・・・わ、分かった。ちょっと待っててな。」

暫くガサゴソと音がした後、数十秒の間を置いて大久保の絶句する声が聞こえた。

「・・・誰だよ・・・こいつ。」

「は?」

「この卒アルに乗ってる真田!・・・誰だよ。こんな奴俺知らねぇぞ?」

何と大久保は、卒業アルバムに乗っている方の真田を別人扱いしたのだ。

「いや、こいつが真田だろ?俺達があった方の真田が誰だって話で・・・。」

暫く、大久保と論争を広げたが
結局、どちらの真田が本物なのか、回答は出なかった。

そこで、我々は後日
カラオケに来ていた他のメンバーにも声を掛ける事にした。

すると、奇妙な出来事が起きたのだ。
残るメンバーは4人。
その4人ともが、其々全くの別人の名前を挙げたのだ。

「高橋だろ?」「いや、秋山だ。」「落合じゃないのか?」「お前らほんとに友人か?大森だろ。」

アルバムで確認するも、顔と名前が一致する者が居なかったのだ。

そもそも、皆同じ顔を見ているハズなのに
出て来る名前の顔の系統はバラバラだ。

その日、我々一同は「名無しのクラスメート」を巡って
丸一日、頭を抱える事となったのである。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

(ほぼ)5分で読める怖い話

涼宮さん
ホラー
ほぼ5分で読める怖い話。 フィクションから実話まで。

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】

絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。 下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。 ※全話オリジナル作品です。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...