骸行進

メカ

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呪物

呪物 その7

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ある青年の話だ。

彼には3つ年下の恋人がいた。
何処へ行くにも、何をするにも一緒。
そんな彼等を周囲の人は羨ましがっていた。

・・・しかし、その青年には秘密がある。
職場の上司である女性と二股をしていた。

彼は、年下の彼女が行う束縛にも近い「一緒」に嫌気が指していた。
その事を、ぼやいた。
それを上司に聞かれ、最初は相談相手として話す様になった。

しかし、気付けば一線を越え
最早、後戻りなど不可能な状態であった。

そんなある日
仕事中の事だ。

聞き慣れた音を、彼は耳にする。
「鈴の音」だ。
それは、年下の彼女が何時も携帯に付けていたストラップの音。

「まさか!?」

オフィスを見渡すも、彼女がいる訳などない。

彼が怯えた理由。
その日は、二股をかけてしまった上司と飲みに行く予定だったのだ。
最悪な事に、その後の予定も・・・。
そんな中で聞こえた馴染の音。
怯えない方が不自然だ。

それ以降、鈴の音が聞こえる事は無く一晩が過ぎた。

そして、休日のある日

「ねぇ、その鈴ってさ何時から付けてるの?」

純粋な疑問だった。

「これ?両親の記念日に旅行先で買ってきてくれた鈴だよ。もう5年くらいになるかな。」

彼女の両親は既に亡くなっている。
彼女にとっては、形見と言っていい大事な品だった。

「へ~。」

「でも、もう一つ付けたいんだよね。」

今の彼にとってその一言は、ある意味「脅迫」だ。

「そう・・・だね。付けたいね。」

それから数か月後
彼の二股はバレてしまう。
別段、彼が何かミスを犯した訳ではない。
完璧に隠していた筈だった。

しかし、ある日仕事終わりに言えに戻ると
彼女は書置きを残し、家を出ていた。
しかも、家を飛び出してから既に数日が経過している。

だが、彼は不思議と落ち着いていた。

なぜなら、この数か月間
ずっと、耳元で「あの鈴の音」が鳴っている。
肝心の「鈴」は、書置きの隣にそっと添えられていた。

彼は、何を思ったかその鈴を携帯に取り付けた。

鈴の下に、少し長めの房が付いている。

そして彼は無意識のうちにある言葉を発する。

だが、ふと我に返った時
その一言を思い出し、恐怖した。

男は大慌てで警察へ連絡。
そして、捜索願を出す事となる。

結論から言おう、
彼女は遺体となって発見される。
・・・しかも、発見された現場では二股相手の上司も遺体で発見されたという。

ここで、彼の発言に戻るが
彼が無意識に発した一言。

「ははは、これじゃまるで首吊りじゃねぇか。」だったそうだ。

そして、彼女と二股上司は
とある雑木林の中で、首を吊った状態で見つかったそうだ・・・。
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