骸行進

メカ

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呪物

「ソレ」 2

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私の手元に「ソレ」が届いて数日が経った頃だったか・・・。
普段の様に
掲示板で体験談などを書き綴っていたその後ろで
「ソレ」は棚から私を見下ろしていた。

もし何かしら、居憑いてしまっているのなら
何か視線などを感じるかも知れない。と視える範囲に置いてみたのだ。

しかし、その数日間で得られた成果は
無骨な男の部屋に「ソレ」が不釣り合いである。という客観的な意見だけだった。

「X氏に現状を報告しよう。」
そう思い「ソレ」を写真に収める為近付いた時
異変に漸く気付いた。

最初に置いた場所から「ややズレている」のだ。

私は「ソレ」を棚に飾った際
台座に合わせてビニールテープで囲いを作り貼り付けた。
大きな振動でもなければズレる事は無い。
その数日でそんな出来事は無かったはずだ。

だが「ソレ」は枠からはみ出す様にズレていた。

私はこれを「兆し」とみて、あえてそのままにしていた。

しかし、それ以降も
定期的にチェックはするものの大きな変化はなかった。

事が動いたのは、2ヶ月が過ぎた時だ。

仕事帰りのある日
私は、足を縫う大怪我をした。
幸い、大事には至らなかったが
後日、その事をX氏に話した所、驚くべき事実が発覚する。

X氏が負った足の骨折も、私の負った傷も
「右足」だったのだ。
何かあると踏んだ私は、改めて「ソレ」を調べた。

・・・「ない」のだ。

人形を象られた「ソレ」には「右足が無かった」のだ。

それと同時に、私は恐怖を覚えた。

そもそも、日本人形が着物を着ているといっても
「足元」はしっかり見えているはずだ。
白い足袋を履き、草履などを履いている。のが鉄板だ。

だが・・・私の手元にある「ソレ」の着物は
体のサイズに合っておらず
足元がすっぽり隠れているのだ。
それ故に、気付きもしなかった。
片足が欠損している事など。

というよりも、それ以前に「日本人形」がどういう物か
着物などが人形に合わせた丈なのかどうか
其処に疑問を抱かなかった自分の無知が恥ずかしい。

だが、私を恐怖させたのはその事実ではない。

「台座」があるとはいえ「ソレ」は
この数か月間「直立」していたのだ。
「片足のないアンバランスな状態で」だ。

台座ごとズレていた事は「振動だ」などと、いくらでも言い訳が立つ。

だが、この状態だ。
「振動」が加わればどうなるか位、誰でも想像がつくだろう。

それに気付いた時、改めて襲ってくる鳥肌の感覚は
筆舌に耐えがたい。

その旨は、大至急X氏にも共有され
彼からの返信を待つ間、私は
棚に戻した「ソレ」を、椅子に座り只呆然と眺める事しかできなかった。
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