骸行進

メカ

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警官の友人「荻野(仮名)」の話

消えた警部補

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これは、数年前に荻野が担当した地区で起こった。
当時、その地区には「神隠し」で有名な通りがあったそうだ。
しかも
その通りが有名になったきっかけも「古臭い昔話や噂」ではなく
実際に、近年まで「人が消える」という報告が上がっている。

にも拘わらず・・・だ。

現地住民はその「通り」が何処にあるかを知らないのだそうだ。
というか、その「通り」がそんなに恐ろしい場所であると認識もされていないそうだ。

そして・・・
彼の務めていた所轄に二人の警官が赴任してきた。

当時から数えて数日前
若い夫婦の片割れ(夫)が忽然と消息を絶ったと通報が入る。
その捜査の為、現地警察とのパイプ役として派遣されたのだ。

「桧山(仮名)警部」と「崎本(仮名)警部補」だ。

二人は早速、失踪した夫の妻に話を聞いた。

・その通りを通ったのは買い物から帰っている最中であった。
・T字交差点の角で、夫の靴ひもが解け夫はその場で結び直した。
・妻は夫を気遣いながらも、T字交差点の角を曲がった。
・妻はその場でしばらく止まっていたが、夫の様子を見に角から顔を覗かせると夫は居なかった。
・夫の失踪に慌てた妻はその場で通報。

というものだ。

実際、この夫婦もこの「通り」がそんな曰く付きの場であった事を知らなかったそうだ。

後日、捜査の為二人の警官も現場へ向かった。

「ここが噂の通りですか。」

「あぁ・・・。街灯もある。ミラーも。何だったら人通りも多少は・・・こんな所で消えるのか?」

「住宅街に近いとはいえ、すぐそこは大通りですからねぇ・・・。」

「こんな何もねぇ所で姿を消すとは・・・よっぽど嫁さんは恐妻だったのかねぇ。」

「警部、その発言はマズいのでは?w」

その時だ。
桧山警部の携帯に本部から連絡が入り、その場で対応したそうだ。

その時の位置関係としては桧山警部がT字交差点の中心に位置し
目の前にはカーブミラーがあった。
そして、桧山警部の後ろで崎本警部補が周囲の観察を行っていたそうだ。
その姿は、カーブミラーにもばっちり映り
その姿を見ながら、桧山警部は本部とやり取りを行っていたそうだ。

本部と話し込む事、凡そ五分。
電話を切り、「一服だ」と手持ちの煙草を準備し振り返った桧山警部。

・・・その後ろには
今の今までカーブミラーに移っていた警部補の姿はなかった。

「おい・・・崎本!!」

大声で彼を呼ぶが、返事はない。

交差点中央に居る警部は周囲に広がっている三つの通路、其々を交互に見渡すが
其処に警部補の姿はない。

気が動転した彼は即座に本部へ連絡。

捜査は一時撤収となり
神隠しの被害者名簿には、新たな一人の名が刻まれたという・・・。
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