骸行進

メカ

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呪物

ネックレス

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その日、X氏の元に「ネックレス」が届く。
それを持って来たのは、若い男性であった。

話を聞くと、この「ネックレス」の持ち主は彼の姉なのだという。
以降、彼を「森山さん(仮名)」と呼称する。

森山さんが異変を察知した時には、もう既に彼の姉は入院する程の大事になっていた。

森山さんの姉は、ある時を境に
体中に発疹が出来始めたという。
最初は、皮膚の薄い指先や掌といった場所だった。
それ故に、家事で手が荒れてしまったのだろうと姉も語っていたそうだ。

しかし
皮膚科に罹って二ヶ月が経っても症状は改善せず、発疹は広がる一方だった。

その内、姉を含め家族の中では「何かアレルギーが出来たんじゃないか?」と
話し合う様になっていたそうだが、その時、既に姉は異常を来していた。

「37度6分」

数日の間、微熱が続いていたそうだ。

いよいよ、大きな病院に罹ろう。と話が出た頃には「38度」を越えていたという。

罹った病院で即日入院。
数日間の検査結果で分かったのは「原因不明」という事だけだった。

しかし・・・。
森山さんだけは見逃していなかった。

両親が医師と話を行っている間
彼は、姉に尋ねた。

「姉ちゃん、ソレどうしたの?」

「あ・・・あぁ、コレ?」

森山さんの話で分かった事だが
彼の姉は、化粧こそするがアクセサリーの類は一切身に着けない人だったそうだ。
皮膚感覚が発達しているのか
指輪をしていても、ブレスレットを贈っても彼女は身に付けなかった。
彼女が言うには「慣れない感覚がしてちょっと煩わしく思う時がある。」のだそうだ。

その姉が、入院先でも後生大事に身に着けていた「ネックレス」が
森山さんには不思議に思えたのだ。

「職場の人に貰ったんだよ。」

「ふ~ん・・・職場・・・ね。」

彼には心当たりがあった。

極稀に、実家にやって来る男がいる。
その男が件の職場の人間だ。

「姉ちゃんさ、その人って・・・あの男の人だろ?」

「・・・え?どうして・・・?」

「いや、普通に気付かない方が可笑しいでしょ。」

男の目的は明らかだった。
視線・表情・・・傍から見れば一目瞭然に「姉が目的である」と顔に書いてある男。
実際は好青年で、両親にも喜ばれている「仕事の出来る良い人」なのだが・・・。

弟の・・・男としての直感だろうか。
「あの男はダメだ。」そう告げているのだ。と彼は語っていたそうだ。

実際、本人や親に取り入った所で兄弟や子供に本心を見透かされている。なんて事は
よく聞く話だ。

だが、森山さんはあえて何も言わなかった。

その結果、とんでもない呪物が姉の首に掛かる事になった。

後日、森山さんは姉の目を盗んでそのネックレスを持ち出し
「相手の男」同伴で、X氏の元にやって来た。


「あの、コレ・・・。」

森山さんがネックレスを見せようと手を差し出した瞬間。
X氏はその手を反射的に払ってしまったそうだ。

「死人の!・・・それも恨みの篭った物を恋人に贈ったんですか!?貴方は!
何て悍ましいんだ!帰ってくれ!」

X氏は「件の男」に詰め寄った。

そこで男は漸く白状したのだ。

そのネックレスは、別れた元妻に贈った物であったそうだ。
別れた理由は「男」にあった。

浮気をし、性病を貰いそれに懲りず、元妻にその性病を移していたのだ。

後に男の浮気が発覚。
離婚となった。
その離婚後に性病が発覚したのだ。

元妻は、性病発覚後に自殺。
彼の元に、遺品となったネックレスが届いたそうだ。

そのネックレスは、X氏によってお祓いが為された後
お焚き上げとなった。

森山さんの姉は、現在は回復。
同僚であった男とは縁を切ったそうだ・・・。
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