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夫の最期の贈り物
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夫が亡くなり35日…
慌ただしかった日々は、落ち着きを取り戻し始めている。
「もうすぐ49日…早いものね」
息子達がアパートを引き払い帰ってくると言い出すし…
「ずっと居られても困るけど…結婚する気が無いのかしら?あの子達」
自分達が早く結婚して40代で子供達が自立して、外に出て見たい気持ちが芽生えたら、夫の死去…
これを機にでは無かったんだけど、夫の過去の過ちを精算したくて知美の旦那様に打ち明けた…
その後の事は、あちらの問題なので私ができる事だけをした。
「した事を帳消しにはならないから、後から何か言われるかもしれない事だけは覚悟しないとね」
〝④二世帯住宅を実家に建て一緒に暮らす〟
と和彦さんに約束させたのは、正直、私の弱さからだった…
佑真を産んだばかりで翔真と子育てに不安を募らせていた頃に彼の服からホテルのレシートと避妊具…
一気に血の気が引いたのは忘れない…元からモテる人ではあったが、まさか自分の同級生が相手と知った時は感情を抑えることが精一杯だった…
理由はともあれ、同じことが起きた時に私は彼を受け入れる自信が無く、翔真を妊娠して守ってくれた義両親に心の拠り所を求めたのが本音だ。
ーーーーーーーー
目紛しい日々を送ったせいか体調が芳しく無い…
「あ…」
突然の眩暈で私は意識を失う…
「…ん…こちゃん…香子ちゃん…」
「?あれ…私、どうしたんですか?」
「良かったぁ…心配したのよ!和彦が居なくなって、貴女にもしもの事があったら」
涙を流しながら姑が心配する。
「ご心配を掛けて、すみません」
丁度、病院の昼食時間に目が覚め、医師の説明を聞いていたら、食事の匂いにムカムカしだす。
「先生、最近、胃のムカつきがひどいんですよね」
他に月のものも遅れている事を相談すると婦人科受診を促された。
年齢的にも更年期予備軍だし調べるのもいいかと思い受診したら、思いがけない結果となる。
「最後の生理から計算して10週過ぎてますから、もうすぐ妊娠3ヶ月に入りますね」
「は?」
よくよく考えると銀婚式の旅行で丸2日、夫に散々、抱き潰された事を思い出す。
「ふふふ…」
思わず吹き出した。和彦に〝詰めが甘い〟と言っておきながら、私の方が甘かったみたい〝夫婦〟だからの理由で避妊してなかったし、私も、どうしようもなく彼を愛していたから。
「仲尾さん?」
何が〝ゆっくり子育てしよう〟よ…和彦さん‼︎
作るだけ作っていなくなって…結局、貴方から逃れられないじゃない‼︎
私は思わず涙した…
心配する家族に検査結果を報告すると皆、唖然とする…そうよね?当事者の私が1番驚いてるんだから。
「「「「妊娠3ヶ月ぅ?」」」」
「マジか…親父」
「やるなぁ親父」
2人の息子は頭を抱えるが義両親は大喜び。
「また赤ちゃんを抱けるの?嬉しい」
「和彦のヤツ…最期の最後に…」
「はぁ~。幾ら兄弟でも、〝親子〟ぐらい離れてるから驚くよ」
「勝手に喜んじゃったけど、香子ちゃん、どうするの?」
「不安はありますが、もちろん産みますよ‼︎せっかく和彦さんが私が寂しく無い様に授けてくださったんですから」
まだ膨らんで無いお腹を私は優しく撫で新しい未来に期待を膨らませた。
おわり
慌ただしかった日々は、落ち着きを取り戻し始めている。
「もうすぐ49日…早いものね」
息子達がアパートを引き払い帰ってくると言い出すし…
「ずっと居られても困るけど…結婚する気が無いのかしら?あの子達」
自分達が早く結婚して40代で子供達が自立して、外に出て見たい気持ちが芽生えたら、夫の死去…
これを機にでは無かったんだけど、夫の過去の過ちを精算したくて知美の旦那様に打ち明けた…
その後の事は、あちらの問題なので私ができる事だけをした。
「した事を帳消しにはならないから、後から何か言われるかもしれない事だけは覚悟しないとね」
〝④二世帯住宅を実家に建て一緒に暮らす〟
と和彦さんに約束させたのは、正直、私の弱さからだった…
佑真を産んだばかりで翔真と子育てに不安を募らせていた頃に彼の服からホテルのレシートと避妊具…
一気に血の気が引いたのは忘れない…元からモテる人ではあったが、まさか自分の同級生が相手と知った時は感情を抑えることが精一杯だった…
理由はともあれ、同じことが起きた時に私は彼を受け入れる自信が無く、翔真を妊娠して守ってくれた義両親に心の拠り所を求めたのが本音だ。
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目紛しい日々を送ったせいか体調が芳しく無い…
「あ…」
突然の眩暈で私は意識を失う…
「…ん…こちゃん…香子ちゃん…」
「?あれ…私、どうしたんですか?」
「良かったぁ…心配したのよ!和彦が居なくなって、貴女にもしもの事があったら」
涙を流しながら姑が心配する。
「ご心配を掛けて、すみません」
丁度、病院の昼食時間に目が覚め、医師の説明を聞いていたら、食事の匂いにムカムカしだす。
「先生、最近、胃のムカつきがひどいんですよね」
他に月のものも遅れている事を相談すると婦人科受診を促された。
年齢的にも更年期予備軍だし調べるのもいいかと思い受診したら、思いがけない結果となる。
「最後の生理から計算して10週過ぎてますから、もうすぐ妊娠3ヶ月に入りますね」
「は?」
よくよく考えると銀婚式の旅行で丸2日、夫に散々、抱き潰された事を思い出す。
「ふふふ…」
思わず吹き出した。和彦に〝詰めが甘い〟と言っておきながら、私の方が甘かったみたい〝夫婦〟だからの理由で避妊してなかったし、私も、どうしようもなく彼を愛していたから。
「仲尾さん?」
何が〝ゆっくり子育てしよう〟よ…和彦さん‼︎
作るだけ作っていなくなって…結局、貴方から逃れられないじゃない‼︎
私は思わず涙した…
心配する家族に検査結果を報告すると皆、唖然とする…そうよね?当事者の私が1番驚いてるんだから。
「「「「妊娠3ヶ月ぅ?」」」」
「マジか…親父」
「やるなぁ親父」
2人の息子は頭を抱えるが義両親は大喜び。
「また赤ちゃんを抱けるの?嬉しい」
「和彦のヤツ…最期の最後に…」
「はぁ~。幾ら兄弟でも、〝親子〟ぐらい離れてるから驚くよ」
「勝手に喜んじゃったけど、香子ちゃん、どうするの?」
「不安はありますが、もちろん産みますよ‼︎せっかく和彦さんが私が寂しく無い様に授けてくださったんですから」
まだ膨らんで無いお腹を私は優しく撫で新しい未来に期待を膨らませた。
おわり
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読んでいただきありがとうございます。
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