5 / 16
2-♂
しおりを挟む見合いっぽいのから1週間、すっかり忘れて仕事をしていた俺に、部長から呼び出しが…。
「呼び出してすまないね、先方からもう1度会ってみたいと言ってきてる、次の日曜どうでしょう?」
「はぁ、どちらの方でしょう?」
「キミ…まさか忘れたのか?」
「え?取引先とのアポですよね?休日出勤になりますが?」
「え~?女性と会うのに休日出勤とか無いだろ、どこの同伴キャバだよ教えろ。」
「そんなとこ知りませんよ…。」
「無いのかよッ!! (・д・)チッ キミ見合いしただろ、先方のお嬢さんからのお誘いだ、日曜に前回の場所な、以上、解散。」
見合いな…したな…見合いだったか分からんけど、思い出した。
正直に言おう、めんどくさい。
綺麗系な人だったのは覚えてる、スタイルも良かったし雰囲気も不快感も無かった、あの子の纏うフワッとした空気みたいなのも良いと思った。
だがあれが普段の姿なのかは俺には分からん。
俺も31だから贅沢は言えないけど、あまり遊んでる人は好きじゃない、そんな女のが楽でいいって奴も居るけど、俺には合わない。
で…その問題の日曜日が来た…。
「お忙しい中、お呼びしてすいません。」
「いえ、俺は別に構いませんよ。」
「有難うございます、もう1度…お話をと思いまして…。」
話は良いが、もう俺に話のネタは無い。
「俺も話はしたいのですが、実はもうネタ切れでして、あまり楽しくないかもですよ?」
「あ、すいません、並木さんに聞きたい事があったので…。」
「なんでしょう?」
「はい、あ、変な女だと思われるかもなんですが…並木さんは、結婚って、どう思いますか?」
それ…俺をキープする気?安全パイで妥協?
「結婚ですか、まったく興味が無いワケではないです、貴女の理想は解りませんが、俺は平凡な普通の幸せ?な家庭はいいなと思います。」
「そうですね、私も同じです、並木さんの理想とする平凡と、私の思う平凡が同じなのかは解りませんが、それお話がしたかったんです。」
派手な遊びは辞めて。って感じなのか?
「そう言うお話なら、俺も聞いていいですか?」
「はい。なんでしょう?」
「貴女の今の姿、雰囲気、それは普段の貴女なんですか?」
「どう言う事でしょう?私、変ですか?普段と大差ない格好です。派手な服とか持ってないので…。すいません。」
「あ~。聞き方が変でしたね、申し訳ない、俺は派手な女性は苦手なんです、だから貴女のような綺麗な方は、普段もっと今風の服とか着てるんじゃないかと思いまして。」
「私は別に綺麗では…。」
「俺は綺麗だと思いますよ?貴女が俺の恋人であれば皆に自慢レベルです。」
ん?真っ赤な顔で下向くの?なんか思ってたのと違う反応。なんか可愛い?
「あ、有難うございます。すいません、そんな事を言われた事なくて…。」
「そうなんですか?」
「はい、あまり人と話さないですし、友達と呼べる人も居ません、地味なんです私…。」
「俺は好きですよ?本郷さんみたいな感じの人。」
「そ、そうなんですか?有難うございます。」
前回より長い時間だった、話の感じでは遊んでる風では無かったな。
まぁ、俺の態度は微妙だったハズなのでパスして下さい。
0
あなたにおすすめの小説
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
ベッドの隣は、昨日と違う人
月村 未来(つきむら みらい)
恋愛
朝目覚めたら、
隣に恋人じゃない男がいる──
そして、甘く囁いてきた夜とは、違う男になる。
こんな朝、何回目なんだろう。
瞬間でも優しくされると、
「大切にされてる」と勘違いしてしまう。
都合のいい関係だとわかっていても、
期待されると断れない。
これは、流されてしまう自分と、
ちゃんと立ち止まろうとする自分のあいだで揺れる、ひとりの女の子、みいな(25)の恋の話。
📖全年齢版恋愛小説です。
⏰毎日20:00に1話ずつ更新します。
しおり、いいね、お気に入り登録もよろしくお願いします。
【完結】二十五の誓い ― 傷物令嬢の私と銀の騎士 ―
朝日みらい
恋愛
侯爵令嬢リリアナと、執事の息子アレン。
身分違いながら、無邪気に未来を語るふたり。
丘で摘んだ25本の白薔薇を並べ、指切りを交わす。
「25歳になったら、迎えに行く。君を僕の花嫁にする。」
「わたし、そのときまでここで待ってる。薔薇を25本咲かせてね。」
それは、幼い二人の25の誓い、その最初の試練が静かに始まろうとしていたのです。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
雪の日に
藤谷 郁
恋愛
私には許嫁がいる。
親同士の約束で、生まれる前から決まっていた結婚相手。
大学卒業を控えた冬。
私は彼に会うため、雪の金沢へと旅立つ――
※作品の初出は2014年(平成26年)。鉄道・駅などの描写は当時のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる