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しおりを挟む見合いっぽいのから1週間、すっかり忘れて仕事をしていた俺に、部長から呼び出しが…。
「呼び出してすまないね、先方からもう1度会ってみたいと言ってきてる、次の日曜どうでしょう?」
「はぁ、どちらの方でしょう?」
「キミ…まさか忘れたのか?」
「え?取引先とのアポですよね?休日出勤になりますが?」
「え~?女性と会うのに休日出勤とか無いだろ、どこの同伴キャバだよ教えろ。」
「そんなとこ知りませんよ…。」
「無いのかよッ!! (・д・)チッ キミ見合いしただろ、先方のお嬢さんからのお誘いだ、日曜に前回の場所な、以上、解散。」
見合いな…したな…見合いだったか分からんけど、思い出した。
正直に言おう、めんどくさい。
綺麗系な人だったのは覚えてる、スタイルも良かったし雰囲気も不快感も無かった、あの子の纏うフワッとした空気みたいなのも良いと思った。
だがあれが普段の姿なのかは俺には分からん。
俺も31だから贅沢は言えないけど、あまり遊んでる人は好きじゃない、そんな女のが楽でいいって奴も居るけど、俺には合わない。
で…その問題の日曜日が来た…。
「お忙しい中、お呼びしてすいません。」
「いえ、俺は別に構いませんよ。」
「有難うございます、もう1度…お話をと思いまして…。」
話は良いが、もう俺に話のネタは無い。
「俺も話はしたいのですが、実はもうネタ切れでして、あまり楽しくないかもですよ?」
「あ、すいません、並木さんに聞きたい事があったので…。」
「なんでしょう?」
「はい、あ、変な女だと思われるかもなんですが…並木さんは、結婚って、どう思いますか?」
それ…俺をキープする気?安全パイで妥協?
「結婚ですか、まったく興味が無いワケではないです、貴女の理想は解りませんが、俺は平凡な普通の幸せ?な家庭はいいなと思います。」
「そうですね、私も同じです、並木さんの理想とする平凡と、私の思う平凡が同じなのかは解りませんが、それお話がしたかったんです。」
派手な遊びは辞めて。って感じなのか?
「そう言うお話なら、俺も聞いていいですか?」
「はい。なんでしょう?」
「貴女の今の姿、雰囲気、それは普段の貴女なんですか?」
「どう言う事でしょう?私、変ですか?普段と大差ない格好です。派手な服とか持ってないので…。すいません。」
「あ~。聞き方が変でしたね、申し訳ない、俺は派手な女性は苦手なんです、だから貴女のような綺麗な方は、普段もっと今風の服とか着てるんじゃないかと思いまして。」
「私は別に綺麗では…。」
「俺は綺麗だと思いますよ?貴女が俺の恋人であれば皆に自慢レベルです。」
ん?真っ赤な顔で下向くの?なんか思ってたのと違う反応。なんか可愛い?
「あ、有難うございます。すいません、そんな事を言われた事なくて…。」
「そうなんですか?」
「はい、あまり人と話さないですし、友達と呼べる人も居ません、地味なんです私…。」
「俺は好きですよ?本郷さんみたいな感じの人。」
「そ、そうなんですか?有難うございます。」
前回より長い時間だった、話の感じでは遊んでる風では無かったな。
まぁ、俺の態度は微妙だったハズなのでパスして下さい。
応援ありがとうございます!
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