お見合い結婚。

真條 沙織

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2-♀

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お見合いから数日、父から電話があった。
また勝手な事したら私が怒るので、お伺いを立ててきたのだ。

「行かせて悪かったな、まぁ断るんだろうが、一応、聞いとく、どうだった?」
「ん~。嫌な感じは無かった、でも1時間ぐらいで帰って来たから解らない。」
「解らないって…。それ断る事も出来ないんだが?」
「別に断っていいよ?」
「なんか…しょっぱい反応だな…もっかい会ってみるか?」
「え、また会うの?」
「また会って、いいなら話は進める、嫌なら断るから決めてこい。」
「ぅぅ…ぅぅ…。」
「…悩むなら行ってみろょ…。」
「…わかった…もう一度会ってみる。」
「じゃ、先方には再チャレンジと言っとくからな?」
「なんか私が付き纏ってるみたいで嫌な言い方ね…。」
「そか?まぁ、会ってこい。」
「うん、わかった。」

もう1回会っみて、違和感があれば終わりにしよう。
で…なんで会う日が決まってるのかな?
まぁいいけどさ…。
 
そして約束の日。

「お忙しい中、お呼びしてすいません。」
「いえ、俺は別に構いませんよ。」
「有難うございます、もう1度…お話をと思いまして…。」

とは言うものの…何を話すのよってね。


「俺も話はしたいのですが、実はもうネタ切れでして、あまり楽しくないかもですよ?」

あ、並木さんもなんだ…。
これはマズい、なんか無いかな?気になる事は有るんだけど、聞いたら変に思われそうなのよね…。でもこっちが呼び出した形になるから、何か話さないと…。

「あ、すいません、並木さんに聞きたい事が…あったので…。」
「なんでしょう?」

もうこれしか思い浮かばない~。

「はい、あ、変な女だと思われるかもなんですが…並木さんは、結婚って、どう思いますか?」
「結婚ですか、まったく興味が無いワケではないです、貴女の結婚に対する理想は解りませんが、俺は平凡な普通の幸せ?な家庭はいいなと思います。」
「そうですね、私も同じです、並木さんの理想とする平凡と、私の思う平凡が同じなのかは解りませんが、そのお話がしたかったんです。」

普通の家庭がいいのか、普通って分かんないけど、多分、普通。

「そう言うお話なら、俺も聞いていいですか?」
「はい。なんでしょう?」
「貴女の今の姿、雰囲気、それは普段の貴女なんですか?」

どゆこと!?  私の質問が気持ち悪かった?
いや、姿?雰囲気って言った。

「どう言う事でしょう?私、変ですか?普段と大差ない格好です。派手な服とか持ってないので…。すいません。」
「あ~。聞き方が変でしたね、申し訳ない、俺は派手な女性は苦手なんです、だから貴女のような綺麗な方は、普段もっと今風の服とか着てるんじゃないかと思いまして。」
「私は別に綺麗では…。」
「俺は綺麗だと思いますよ?貴女が俺の恋人であれば皆に自慢レベルです。」

綺麗って、自慢って! そんなの初めて言われたよぉ! ヤバい、なんか分かんないけどヤバい。とにかくヤバいしか言えないッ


「あ、有難うございます。すいません、そんな事を言われた事なくて…。」
「そうなんですか?」
「はい、あまり人と話さないですし、友達と呼べる人も居ません、地味なんです私…。」
「俺は好きですよ?本郷さんみたいな感じの人。」

地味なの好きなの?普通は地味なの嫌がると思うんだけど…?この人、なんか感性が違うのかな?私も変わってるって言われるけど、並木さんも変わってる?

「そ、そうなんですか?有難うございます。」

なんか…嬉しいな…並木さんやっぱり優しい人なんだ、悪くないのかも知れない。






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