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しおりを挟む応接室へグラザド伯爵を放置して執務室に戻ってきた。
ユーリ»「ラナ、厨房に行ったら邪魔になるかな?」
ラナ»「厨房ですか?昼食は済んでおりますので、今なら問題ないかと。そしてまた突然ですね?」
ユーリ»「あ、ごめん、思い付いたら気になって。」
ラナ»「何か作るのですか?」
ユーリ»「食材は無駄に出来ないから、見てから考えようかと。」
ラナ»「食料に困ったらまた魔獣を焼いて食べれば凌げますしね。ご案内します。」
ユーリ»「ん?別に困らなくても皆がしたいならいいよ?好きな時にやってよ。毎日だと飽きるだろうけどね?」
ラナ»「宜しいのですか?」
ユーリ»「いいよ?広場でドワーフ達も混ぜて騒ぐとかも楽しいんじゃない?お酒とか無いけどね。」
ラナ»「伝えておきます、ロズグランデ領の名物になったら良いかもです。」
ユーリ»「そんなの名物にすんの?ファイアパーティーとか言って?」
ラナ»「やりますか?」
ユーリ»「私に聞くな、決めるのは皆だよ。」
ラナ»「言いましたね?知りませんよ?私は伺いましたからね? こちらが厨房です。」
ラナに圧をギュウギュウかけられ怯んでたら厨房に着いた。
ユーリ»「あ、ごめんなさい休憩中だったんだね、座っててね、少し見に来ただけなの。」
厨房の皆が一斉に立ち上がったので、慌てて謝った。
ユーリ»「この粉は…小麦粉?」
コレル»「パンを焼くのに使うのです。」
ユーリ»「貴方は、たしか料理長の…。」
コレル»「コレルです…。」
料理長が悲しい顔をしている、名前が直ぐに出なかったからかも?スンマセン。
ユーリ»「覚えてますよぉ、やだなぁコレルさぁ~ん♪」
コレル»「…有難うございます…。」
バレてる…。名前を忘れてた事バレてる。
ユーリ»「小麦粉はパンにしか使わないんですか?」
コレル»「え?」
ユーリ»「え?」
変な事いった?
コレル»「小麦粉はパン以外に何か使うのですか?」
料理長、落ち着いて?なんか衝撃を受けたみたいな顔になってるから。
ユーリ»「まぁ、座って下さい料理長、今は材料が少ないので作れませんが、いろいろありますよ?パンケーキだったり、パンを薄く焼いて器の代わりにして、パンごと食べる料理とか。」
コレル»「ぱんけーき? それは、どの様な物なのでしょうか?」
ユーリ»「ん~。説明が難しいなぁ、少し違う物ですが、作ってみていいですか?」
コレル»「お願いします。」
水と小麦粉でパンケーキモドキを作ってみた。
卵とか牛乳が無いので仕方ない。
コレル»「これがぱんけーきですか?」
ユーリ»「材料が足りないので、パンケーキに似た物、と思ったのですが、失敗しました。貴重な食材スミマセン…。」
コレル»「食べてみても?」
ユーリ»「いいですけど間違い無く美味くないですよ?」
コレル»「頂きます。」
食べたよ?センベイみたいなやつ。
コレル»「確かに小麦粉を水で溶いて焼いただけの物ですね。」
まんま解説すんなッ!!
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