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130 狐の隠れ里②
しおりを挟む移住の話で長老はあまり良い顔をしなかった、レイラを信用してないんじゃなく、ユーリを警戒しているのだ。
セギラ»「我らをロズグランデ領へ移住させたいのは分かった、だが…この地を離れて我らが生きて行けるのか。と言う問題がある。追われるのは御免だ。」
レイラ»「それはこの現領主が守ってくれる事になってる、次の領主も決まってる、私の主が次の領主になる。」
セギラ»「守ってくれると言われても、そう簡単に決断は出来んのだ、我らはお前のように強くないし、この里を離れる不安もある。」
ユーリ»「あの、私に出来る限りの事はします、現在、人口が少なすぎて物資の流通が難しいのです、すぐにとは言いません、検討して頂けませんか?」
セギラ»「里の皆で話し合いをしないと決められませんので、時間を頂けると言うなら、皆で話をしましょう。」
ユーリ»「有難うございます。よろしくお願いします。」
セギラ»「次の領主の方も、現領主様と同じ考えなのですか?」
ユーリ»「あの子が領主になれば、今より良くなるのではと思っております。まだ7歳なので、私が中継ぎの領主になります。」
レイラ»「アンタ中継ぎじゃないだろ?」
ユーリ»「中継ぎみたいなもんじゃん、アルザしっかりしすぎてるし。15になったら領主やらせるよ?」
レイラ»「アルザ呼んだ方が話は早いかもな?」
ユーリ»「え…でも。」
レイラ»「こいつら領民になるかもなんだぞ?先を考えるんなら、次期領主は気になると思うぞ?」
セギラ»「確かに気にはなりますな。自分達の未来が掛かってる人と言っても過言ではないですし。」
ユーリ»「わかった、ちょっと呼んでくる。」
ゲートを使ってアルザを呼びに。
ユーリ»「アルザ、ちょっと来てくれない?次期領主がどんなのか気になるって言われて…。シルフとラナも来て?」
アルザ»「解りました。」
アルザを連れて里へ戻る。
アルザ»「アルザ・レム・ロズグランデと申します。まだ子供で未熟ではありますが、現在は義母の計らいで伯爵位を賜っております。」
セギラ»「ルナール…」
アルザ»「ルナールは重要なのですか?今は皆様がロズグランデ領へ移住するか否かの話ではないのですか?」
セギラ»「我々にとってルナールは特別な存在なのです、伯爵様が領主になられるのであれば、移住も吝かではありません。」
アルザ»「現領主は義母です、私が領主になるのは、もっと先の話です。そして私が領主になっても狐種だからと特別扱いは致しません、これから義母の采配で築いていく領地ですので、私は後継者にすぎません。」
セギラ»「承知いたしました。皆で話し合い、決めたいと思います。」
ユーリ»「…アルザ…来てもらおうって感じには見えないんだけど…。」
アルザ»「来て欲しいとは思っています、ですが私がルナールだから来ると言うのは違うと思います。」
レイラ»「まぁ、そうだな、アルザがルナールだからって領地が狐の国になるワケじゃない、あくまで魔族領内のロズグランデ領地だ。ロズ特区だから国に見えなくもないけどな。」
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